2ルームテントとは
2ルームテントとは、寝室とリビングが一体化したテントのこと。フライシートの内部にインナーテントと前室がまとまっているのが特徴だ。
キャンプではドーム型やティピー型などのテントを寝るスペースとし、ヘキサ&レクタタープやスクリーンタープをリビングスペースとして、連結させて設営するのが一般的。その場合、2張り分の設営が必要だが、2ルームテントなら1つで済む。その分、見た目は大きく、キャンプ場でも存在感がある。
2ルームテントのメリット
2ルームテントには、キャンプ場で快適に過ごすためのメリットがたくさんある。
2ルームテントのメリット
広い!
2ルームある分、テント内部が広々としているのが魅力。シートやマットを敷いて靴を脱げば、部屋のような感覚でゆったり過ごせる。広さがある分、内部空間の使い方の選択肢は多く、インナーテントを外したシェルター仕様で長テーブルを置き、大人数で食事をすることも可能。ヘキサタープなどを連結させて、さらにリビングスペースを広くすることもできる。広くても無駄なスペースがない分、テントとタープとを組み合わせるよりもコンパクトにまとまるため、キャンプ場の区画サイトにも納めやすいのが特徴。
突然の雨でも快適
2ルームテントは全方向にウォールがあるので、フルクローズすれば風が強い日や雨の日でも安心して食事ができるのも魅力。タープとテントの間から雨水が入ってくることがなく、突然の雨でも寝室とリビングスペースを濡れることなく移動でき快適に過ごせる。天候の変化に強いためオールシーズン活用できるものが多いのも特徴。
設営&撤収の手間が省ける
キャンプサイトの限られたスペースで、テントとタープを組み合わせるためにレイアウトを考えるのは悩ましいもの。その点、2ルームテントならテント1張を立てるだけなので配置を決めやすく、テントとタープを個別に張るより、悩む時間も手間も省ける。テントの組み立て方だけを覚えればいいのも、キャンプ初心者にはうれしいポイント。設営、撤収が簡単にできるように工夫された2ルームテントもあり、設営時間を短縮して、遊ぶ時間を増やしたい人にもおすすめだ。
2ルームテントのデメリット
メリットいっぱいの2ルームテントだが、その大きさ、広さゆえのデメリットも。
2ルームテントのデメリット
慣れないと設営が大変
大型のテントは、ポールの数が多かったり、ペグをたくさん打つ必要があり、一度手順を間違えると、やり直しがちょっと大変。慣れてしまえば何てことないが、なんとかなるだろうと甘くみず、最初に設営方法をしっかり勉強しておこう。メーカーの説明書や設営動画に目を通したり、事前に試し張りをして、手順の確認と同時に必要な道具もチェックしておくと、当日の設営がスムーズになる。
重い
メーカーにもよるが、2ルームテントは大きい分、テントとしては重いものがほとんど。オートキャンプをするにしても、駐車場からテントサイトがかなり離れていたり、坂道だったりする場合は運ぶのが一苦労。キャンプ場を選ぶ際には、搬入経路やキャリーカートが使えるかどうかもおさえておこう。また、大きいので濡れると乾燥させるのにコツがいる。自宅に干すスペースがない場合は、キャンプ後、できるだけすぐの晴天時に、乾燥のために再びテントを組み立てて乾かすメンテナンス日を設けるといいだろう。
2ルームテントの選び方
2ルームテントを購入するなら、選び方のポイントをおさえておこう。
2ルームテント選びのポイント
サイズ
2ルームテントには、ソロキャンプや少人数向けの2人〜3人用の小型のものから、グループやファミリー向けの5人〜6人用の大型のものまで、さまざまなサイズがある。例えば、大人2人、小学校低学年以下の子ども2人の計4人の家族で使用する場合、2人〜3人用でもギリギリ寝られるが、5〜6人用のものにすれば、テント内でよりゆったり過ごせる。人数だけでなく、どんな使い方をしたいかも考えてサイズを決めよう。
天井の高さ
天井が高いと、腰を屈めることなく立ったまま着替えや移動ができるので、テント内で快適に過ごせる。しかし、高さがあると横風の影響を受けやすいため、使用する場所に合った高さを考える必要がある。強風に危険性があるところでは、天井が低めのものを選ぼう。
設営しやすさ
テントは細部の違いで、設営のしやすさが変わる。メーカーによっては、イラスト付きの丁寧な説明書があったり、ポールとスリーブを色分けしてどこに通せばいいかわかるようにしてあったりと、初心者でも安心して組み立てられるような工夫がある場合も。自分で組み立てられるかどうか、事前にチェックしてから購入しよう。
耐水性
屋外で使用する以上、急な雨に見舞われる可能性は十分にある。ある程度の雨でも安心してテント内で過ごせるよう、耐水圧は2,000mm以上のものを選ぼう。数値が高ければ耐水性は高まるが、その分通気性が悪くなり、結露の原因になるため、バランスが大切だ。
通気性
テントの通気性は、暑い夏でなくても重要なポイント。ベンチレーション(通気口)やD型ドア、メッシュ窓などがあるとテント内の通気性が上がり、結露も抑えられる。出入り口やサイドを跳ね上げキャノピーにできるものなら、開放感もありテント内の換気もしやすくなる。
重さ
ただでさえ重量感のある2ルームテント。重さが気になる場合は、コットンよりもポリエステルなど軽量素材を使ったものを選ぼう。ツーリングで使う場合は、より軽さが重要だ。質感の良さやその他のメリットからコットンを選ぶなら、移動手段は車にしたほうが無難。収納袋の有無など、持ち運びやすさも考慮しよう。
その他のディテール
フライシートの裾と地面の隙間を埋めるカーテン状のスカートが付いたタイプなら寒い冬にも外気の侵入が防げるため、オールシーズン使える。リビング部分にランタンを吊るすフックがあれば、暗くなってからランタンの置き場所に困らない。遮光性やUVカット性能のあるものなら、夏場の利用が快適になる。他にも、電気コードの取り込み口があるかとか、ダブルファスナーかどうかなど、ちょっとしたことで居住性の良さが変わる。購入の際にはぜひ細かいところまでチェックしてほしい。
おすすめの2ルームテント
Coleman (コールマン) レインカーム2ルーム/3025 DR
遮光に加え、新たに静音設計を採用。雨音を抑え、ジッパーのジ、ジ、ジィーッという音を無音に――という、従来になかった発想から生まれたモデル。外幕に遮光生地が使われ、日差しの強い夏場にはテント内の温度上昇を抑えてくれる。

ダークルームテクノロジーにより日光を遮り、室内の温度上昇を軽減。メッシュを活かした二重構造が雨音をやわらげ、快適な眠りをサポートする。クロスフレーム構造で設営はスムーズに行なえる。

日光を遮断し、温度上昇を抑制。テント内は快適な睡眠環境だ。
▼関連記事
Coleman(コールマン) ルーミーフロント2ルーム(グレージュ)
2〜3人使用のコンパクトな2ルームながら、クロスフレーム構造によってワイドな前室を確立。入り口のキャノピーを立てれば、リビングスペースを拡張することもできる。手頃な価格設定も◎。
●サイズ:約490×260×170cm
●収納サイズ:約φ24×70cm
●重量:約10kg
●MAX:3人

前室の両サイドにはDドアが採用され、通気性と開放感を確保する。

インナーテントは吊り下げ式。はずしてシェルターとしても使える。
Snow Peak(スノーピーク) ランドネストシェルター
前後左右対称のフレーム構造を採用したオールシーズン対応の2ルームテント。フライシートの向きを気にせずスムーズに設営できるのが特徴で、インナーテントをはずせば大型シェルターとしても使える。
●サイズ:約620×360×210cm
●収納サイズ:約76×32×35cm
●重量:約16.5kg
●MAX:4人

吊り下げ式のインナーテントは、家族4人がゆったり寝られるスペースを確保している。

高さ十分で、グループでの使用もOK!内部は日差しに強く、風の通りも良い。
SABBATICAL(サバティカル) アルニカ plus
人気モデル「アルニカ」にメッシュパネル、サイドウォール、ルーフシートを追加したアップグレード版。周囲の8つのパネルは、メッシュや開放はもちろん、跳ね上げもできる。
●サイズ:W620×D320×H210cm
●収納サイズ:81×42×35cm
●重量:約23.5kg
●MAX:4人

前後のパネルはサイドウォール付きで、横からの雨風を軽減。

360度メッシュにできるので、テント内部はとても開放的〜。
SABBATICAL(サバティカル) ギリア plus
前モデル「ギリア」のアップグレード版。全面をメッシュパネル化し、テント下部にはスカートを追加。2人用と5人用、2種のインナーテントが付属し、シーンに応じて使い分けられる。
●サイズ:W520×D300×H170cm
●収納サイズ:67×35×30cm
●重量:約14.6kg
●MAX:7人

2種のインナーテントを両方付けてみた。こうすれば最大7人が寝られる!

トンネル型にブリッジフレームを追加し、強度と剛性も高い。
LOGOS(ロゴス) neos エーコン リビングドーム L-BE
メインフレームをあえて曲げたエーコントップフレームを採用。正面からみるとどんぐりのような形状で、風を効果的に分散し、優れた耐風性を実現する。天井高にも有効!
●サイズ:約全長510×幅310×高さ197cm
●収納サイズ:約68×21×21cm
●重量:約8.5kg
●MAX:4人

インナーテントは吊り下げ式。最大4人が寝られるスペースで広々。

フレームには強度と柔軟性を兼ね備えた素材を採用している。
THE NORTH FACE (ザ・ノース・フェイス) ランダー6
最大6人まで寝られる大型2ルームテント。広いインナーテント(寝室部)に加え、最大幅290×奥行き190㎝のリビングスペースを持つ。オートキャンプやフェスで快適な時間を過ごすことができる。

最大6人が就寝できる大型ドームテント。天井高は約2mあり、テント内を立って移動できる。アウトフレーム構造を採用しており、インナーテントをはずせばシェルターとしても使える。

上部のベンチレーションはかなり大きく、換気性能もバッチリ。
撮影/三浦孝明
▼関連記事
▼参考記事
THE NORTH FACE (ザ・ノース・フェイス) ハーミット4
テント全周の立ち上がり部分は、パネルとメッシュの2層構造。パネルを全開すれば外部からの風を取り入れることができ、換気効率は◎。出入り口に逆V字形ポールが使われ、出入りが楽なのもうれしい限り。
「色使いが良くて、外観がとってもオシャレ。入り口ポールに施されたちょっとした気遣いが心憎いと思いました。」(sotosotodays 野毛陽平さん)

インナーテントとグランドシートを取りはずせば、広々としたシェルターとしても使える。立ち上がり部分はすべてメッシュ窓にすることができるので通気性、換気効率のよさもバッチリ。

内部に接地した薪ストーブの煙突を外部に出すためbの煙突ポートも装備。寒い季節でも活躍してくれるモデルだ。

吊り下げ式4人用インナーテントも付属。はずしてシェルターとしても。

本体の立ち上がりに合わせて、ポールにも曲げ加工が施されている。
▼関連記事
ZANEARTS (ゼインアーツ) ウータL TC
TC素材の外幕で、インナーテント標準装備なのに6万円を切る価格は、今どきビッグサプライズ! またデザイン性の高さも見逃せないところだ。インナー、リビングともに4~5人に対応する広さを持つ。
「デザインが素晴らしい!設営は少々難しいけど、この広さでこの価格はかなり魅力的です。」(sotosotodays 野毛陽平さん)

リビング両サイドの窓は、座ったときの目線に合わせた高さで風通しもバッチリ。

真正面。幅485cm(インナーの幅は390cm)、センターポール部の高さは270cmで、サブポールで立ち上げた出入り口部分が高さ160cmある。ワンポールタイプのテントにありがちな窮屈感がまったくない!

真横から見るとこんな感じ。右側のリビングスペース両サイドはフルメッシュにすることができ、暑い季節も風通しよく快適に過ごせる。

真後ろ。外幕を巻き上げてメッシュにすれば、インナーテントの後部開口部と連動して通気することも可能。
撮影/中村文隆
▼関連記事
▼参考記事
Snow Peak (スノーピーク) ランドロック
4~5人用のインナーテントが付属した4シーズン対応2ルームテント(寝室部とリビング部を持つテント)。インナーテント使用時でも幅405×奥行き約310㎝ものリビングが確保できる大型モデルだ。風に強いフレームワークと快適な居住性により、オールシーズンでキャンプを楽しめる。
▼関連記事
Snow Peak(スノーピーク) エントリーパックTS
メッシュシェルターとテントがセットになった、お得感のある初心者用モデル。2つはドッキングさせることができるため、空間をさらに効率的に活用することも可能。シェルターには4名、テントは5名まで対応。シンプルな設計・パーツの色分け等、初心者でも設営しやすい工夫が施されている。
▼関連記事
Snow Peak(スノーピーク) アメニティドームL
「アメド」の通称で人気のドーム型テント。地上高を最低レベルにして風に強くし、シルエットの丸い部分を多くして風の通りを良くした、耐久性にも快適性にも優れた設計だ。
●サイズ:540×310×高さ165cm
●収納サイズ:74×24×27cm
●重量:約9.8kg
ogawa (オガワ) ティエラ ラルゴ
5人用インナーテントが付属する大型ファミリーテント。寝室部とリビング部を持つ2ルームテントだ。インナーテントにはT/C(ポリエステルとコットンの混紡)素材が使われており、夏は涼しく冬は暖かく快適に保つ。
▼関連記事
LOGOS (ロゴス) グランベーシック エアマジック リビングハウス WXL-AI
空気で立ち上がる、次世代型の2ルームテント。耐風性に優れた梁型エアチューブに付属の専用ポンプで空気を注入すれば、約8分で組み立てられる。ファミリーキャンプやグループキャンプおすすめだ。
▼関連記事
Quechua(ケシュア) キャンプ ファミリーテント ポール式 ARPENAZ FAMILY 4.1 FRESH&BLACK – 4人用 1ルーム
リビングスペース用の専用グラウンドシート付きで、お座敷スタイルでくつろげる2ルームテント。フライシートには遮熱性・遮光性に優れた生地を採用しているので、暑い季節でも涼しく過ごせる上、朝日の眩しさで早く起きてしまうこともなく安眠できる。
●サイズ:460×260×高さ190cm
●収納サイズ:65×30×25cm
●重量:約10kg
Nordisk(ノルディスク) レイサ6
大人数で使える多機能なトンネル型テント。大小2つのインナーテントがあり、使用する人数に合わせて選べる。広い内部空間による居住性の良さと高い耐風性を兼ね備えた形状。シンプルな構造で設営しやすいのも特徴だ。
●サイズ:フライシート/長さ645×幅295×高さ210cm、インナーテント/長さ230×幅280×高さ200cm
●重量:約19kg























































