さて今回の公園は、夜景に浮かび上がる大観覧車、隣りに東京ディズニーランド…。華やかなデートスポットのイメージがある葛西臨海公園です。“山派”のみきさんがまず向かったのは、人気の海辺ではなく、人もまばらな林と池。迎えてくれたのは水鳥とカニと彼岸花でした。
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まずはサービスセンターで地図をゲット

今回は寄り道しないように駅前の公園です。JR東京駅から約15分、その名も「葛西臨海公園駅」。西口の階段を下りれば、もう目の前。風に乗って海の香りが鼻腔をくすぐります。


「山派」で通っている私、「海」のイメージがないと思いますが、はい、その通り。実は「あまり得意ではない」のです。なにがイヤなのか…?と問われると、具体的に答えられないのですが、「なんか苦手」なんです。でも、それを圧しても来てみたかった場所が葛西臨海公園にはあるのです。


江戸川区にある「葛西臨海公園」は、東京湾に面していて、駅から海までが(南北)約1km、東西が約2km、陸地部分だけで約81.6haある、都立公園のなかでも最大級の広さです。一応、恒例の「東京ドーム」換算すると「約17.5個分」あります(やっぱりピンとこないね?)。

「パークトレイン」に乗るのもアリ(1回/大人400円)。
かつての干潟を取り戻す試み
1989年(平成元年)に開園しましたが、計画から数えると20年の大事業。
というのも、いま公園がある場所は埋め立てて造られた土地です。ここ葛西だけでなく、江戸時代までの東京湾岸には多数の干潟が広がっていて、人口の増加や工場建設にともない埋め立てが進められました。
その影響で、戦後の高度成長期には東京湾岸の干潟はほとんど消失。急激に水質汚染が進み、葛西沖に残っていた干潟での漁業も1962年に途絶えてしまいました。同時期には工場による地下水の組み上げから起きる地盤沈下や、台風による水害も多発していたようです。
そこで東京都は新しい埋め立ての開発事業に乗りだし、埋め立てるところはしっかり埋め立て、残せるところは自然環境を再生させようという方針を立てたのです。
こうして葛西沖は埋め立てられて水害から住民を守る一方で、その先端に公園を作り、かつての自然環境を取り戻す試みにでました。

「展望レストハウス クリスタルビュー」。
私が初めて訪れたときにはなかったから、30年以上ぶりの訪問…ひゃー!
クリスタルビューの下は防潮堤
埋立地だというのに、「クリスタルビュー」までは微妙な上り坂。ちょっと急ぐとフゥフゥと息が切れてきます。
よく見ると、「クリスタルビュー」が建っている場所が公園の最高地点で、建物の左右(東西)、つまり海と平行して尾根状に高いことが分かります。実はこれ、「防潮堤」の役割も兼ねているんですって。一見、丘のようにしか見えませんが、なんと内側にコンクリートの壁が隠れているっていうんだから、防災士でもある私、唸っちゃいますよコレは。こんなにナチュラルに、言われなきゃ気づかれないのに、こんな大事な役目をしてるなんてカッコイイ整備です。

それも演出のようでにくい。

とっても興味深い。

「覗き窓」の設置された鳥類園
さて、そろそろ目的地に向かいますか。
人生初となる、いつかやってみたかったこと…。

公園の東側に「鳥類園」がオープンしたのは1994年。「鳥類園」って書いてあると、「動物園」や「植物園」のような「施設」を想像してしまうけど、ここは違います。



マップを見ると2つの池を囲むように道が配置されている「鳥類園」エリア。それなのに池は見当たらず、しばらく濃ゆい林のなか…。迷ったか? ここじゃないかな? 先ほどまでの老若男女、おもにカップルたちはどこへ行った!? 同じ公園とは思えぬ静けさ……。この鬱蒼とした視界のなかで素人が野鳥を探すなんて無理では?と、前日にAmazonから届いたばかりの双眼鏡をずっと握りしめていました。

上のほうから回れば分かりやすかったかもしれない。
と、そこに突如現れたのは、園路の脇に設置されたこんな「覗き窓」。
パッと見えたときは、鳥に関する洒落た案内板だと思いましたが……。

これは「観察窓」。
実はマップにも小さい文字で記載されていたのですが、こういうものだとは想像していませんでした。
ってことは…、この窓の向こうに鳥ちゃんが…!?


いるかいないのかも分からない素人。どこを見たらいいものかと小さな窓を右往左往。
すると常連さんと思しき男性が通りかかり、この先の観察窓にならカモとダイサギがいることを親切に教えてくださった。お礼を言って向かうと…




スマホのカメラではこれが限界。

そこから見ることができる代表的な種類がわかってありがたい。
「覗き見」にドキドキする
カモもサギも、それほどめずらしい鳥といえないと思いますが、このときの私は心の中で「キャーーー!」と絶叫。双眼鏡で覗くと、まばたきするくらいの小さな表情までもが見えるような気がして大感動(実際は私の双眼鏡にそこまでの精度はないけども)。こうして自分の姿を隠して小さな窓から見ているのも、人間が見てはいけない野生のあるがままの姿を「覗き見」させてもらっているような、凄まじいドキドキ感。なんじゃこりゃー、バードウォッチングってこんなに楽しいのーー!!!?








あー、よくわかった。
バードウォッチングする人のカメラのレンズがバカデカい理由が。
これは見たい!もっと近くに、もっとクリアに、鳥が見たい!

とりあえず買った2000円以下の双眼鏡。
ウォッチングセンターで野鳥観察のおさらい
双眼鏡があるとないでは世界がまったく違う。使い慣れない私はピントを合わせることに苦戦して終始モタモタしていましたが、水鳥は比較的動かないので逃さず見ることができました。山の野鳥はすばしっこくて双眼鏡のなかに入れることすら難しいので、水鳥は初心者向きかもしれません。どんなオモチャみたいなものでも、必ずズームして見られるアイテムを持参しないと損です。
まだまだいっぱい鳥の写真があるのですが、近寄れてもいない同じ種類の鳥の写真を見せられても、みなさん反応に困るでしょうからこのへんにしておきます。公園と鳥の名誉のために言いますが、私が行ったタイミングが、季節的にも時間帯的にも鳥が少なかったみたいです。これから冬の渡り鳥が飛来するので、SNS等で最新情報をチェックしてから訪れるといいと思います。

鳥類園の中央にある「ウォッチングセンター」には、子供にも分かりやすく説明された鳥のパネル解説や、干潟の生き物の展示などがあり、大変楽しませてもらいました。センター員さんによって日々更新されている鳥類園情報が、にわかバードウォッチャーにとってはありがたかったです。



行っちゃうかもしれない、まじで。
鳥の種類が多いのは汽水と淡水の池があるから
鳥類園にある2つの池、「上の池」と「下の池」では、来る鳥も、住んでいる生き物も種類が違うそうです。なぜなら、「上の池」が海と繋がっていない「淡水池」で、「下の池」は海水と淡水が混じる「汽水池」だからなんですって。それぞれにそれぞれの環境を好む生き物がいるため、見ることができる鳥の種類が多いんだとか。
もしこの場所がなかったら、あのまま経済成長のための埋め立てが進んでいたら、今ごろ東京に飛来する水鳥はいなくなっていたかもしれません。それどころか、休息や繁殖場所をなくした鳥自体の数が減るなんてことも考えられなくもありません。葛西沖がこうして都立公園になってくれたおかげで、鳥たちが住みやすい環境を作り上げ、管理していけるというのは公園になる大きな意義だと感じました。
レジャーシートを借りてピクニックランチ
お腹が空いてきたので鳥類園をあとに、「クリスタルビュー」に戻ります。園内には軽食やレジャーグッズも取り扱う売店が2か所、カフェ・レストランも数か所あります。久々に訪れた長雨の晴れ間でしたので、こちらでテイクアウトして外で食べるとしましょう。




若い子たちの列に混じって、ひとり50代が注文するのは若干恥ずかしさをおぼえましたが、ええい!なんのプライドだ!と滅却。ひとりで可愛いバスケットと可愛いレジャーシートを持ち、広場をウロウロ場所探し。ソロ登山でテント張るときみたいだなぁ…なんて。

ここにした〜。
レジャーシートを広げたらこっちのもの。風景に馴染み自意識過剰から解放され開き直れました(笑)。山のなかでひとりでいても恥ずかしくないのに、周りがグループで来ている場所だと照れてしまうの不思議ですね。でも目が慣れてくると結構ひとりでくつろいでいる方も多かったです。


空には羽田空港を離発着する飛行機がしょっちゅう行きかう。
次回は、あの橋を渡って、「なぎさ」に行ってみます!
JR京葉線:「葛西臨海公園」下車、徒歩1分
都営バス:東京メトロ東西線「西葛西」「葛西」から「葛西臨海公園」下車、徒歩1分
東京水辺ライン(水上バス):運航休止中




