いま都立公園のすごさを伝えたい! まずは武蔵国分寺公園に行ってきた【鈴木みき「都立公園へ行こう!」1】 | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.08.16

いま都立公園のすごさを伝えたい! まずは武蔵国分寺公園に行ってきた【鈴木みき「都立公園へ行こう!」1】

いま都立公園のすごさを伝えたい! まずは武蔵国分寺公園に行ってきた【鈴木みき「都立公園へ行こう!」1】
「元祖・山ガール」こと鈴木みきさんは、北海道から東京に戻ったいま、「登山」ではなく「都立公園」に夢中だと言います。とある半日、都立武蔵国分寺公園を探訪、旧知のレンジャー・蜂須賀公之さんとともに園内を歩きました。で、みきさんはなぜ都立公園にはまったのでしょうか……。連載「都立公園へ行こう!」の第1回は、聞くも涙の熱い思いを語ります。「東京、捨てたもんじゃなかった」。

「都立公園」の連載がはじまるよ

野性味あふれる花壇、抜けのいい円形広場

6月のおわり、都立武蔵国分寺公園に行くことにしました。

これからこのビーパルWEBで「都立公園」の連載を担当するにあたり、どうしても会っておきたい人物がいたからです。私は少しだけ緊張して最寄り駅の「国分寺駅」に初めて降り立ちました。

快速や特快など、有料特急以外の中央本線がすべて停まる中規模駅。
住民をはじめ周辺大学に通う学生が多く行き交うわりに庶民的で落ち着いた雰囲気。
駅からキョロキョロしながら徒歩10分ほどで到着。
道路を挟んで北の「泉地区」と南の「西本地区」に分かれている。けっこう広そう。
野性味がありセンスのいい花壇がお出迎え。
都会に遠慮なく根を下ろし大きく枝葉を伸ばせる環境の多くが都市公園であろう。
抜けがいい「円形広場」に気持ち良くなって思わず「わーー!」と声が出る。
おじゃましまーす。約束の時間ぴったりに公園サービスセンターに到着。

「武蔵の池」ではカルガモの親子に遭遇

奥からキリっとしたパークレンジャーのユニフォームを着て颯爽と出てきたのは、武蔵国分寺公園をはじめとする武蔵野エリアの7つの都立公園の指定管理者である「武蔵野の公園パートナーズ」の蜂須賀公之さん。以前ビーパル本誌で連載を持っていたことがあるのでご存知の読者もいるかな? 私とは(ビーパル執筆陣繋がりで)細く長くかれこれ15年以上の付き合い。とくにキノコに関しての造詣が深く、動植物のことで分からないことがあると真っ先に顔が浮かぶ、私にとっては自然を見る目の師のような人です。今回もこの連載を始めるにあたりお知恵を拝借しようとやってきたというわけ。

「園内を少し案内しましょうか?」

たしかにフィールドのことはフィールドで話すほうがアイデアも湧きやすい。それに公園のレンジャーに公園を案内してもらえるなんて、またとないチャンスです。大賛成!

「武蔵の池」ではちょうどカルガモとカイツブリの雛が孵っていました(写真はカルガモ)。
親鳥にくっついて一生懸命泳ぐ姿がキュート。

カゴの鳥のようにピーピー泣くかと思っていたら

「で、なんで突然「都立公園」をテーマにしようと?」

そりゃそーか。山に住んでいた山猿が街に下りてきたようなものだものね。

登山を中心に執筆してきた私の急な相談に、実はなにがあったのだろうと心配してくれていた様子。

私はおおよそ30年前に山に魅せられて以来、実家のある東京におさらばを告げ山の近くに住みついていたんですが、実は4年前の夏、突然東京に戻ることになったんですよね。

理由は親の介護。好きで帰ってきたわけではないし、山が見えない東京の生活はさぞかし苦痛に違いない。自然を感じられない場所で私はカゴのなかの鳥のようにピーピー泣いて嘆くだろう。もしかしたら数か月で根をあげるかもしれない。そう思っていました。

レンジャーからの挑戦状「うつろい」を探してください。
常緑樹の葉は広葉樹と違って通年「うつろって」少しずつ落葉しているから、紅葉したり落葉したりしないと思っている人が意外といるのだそう。

若い頃には気づかなかった都会の緑が私を救ってくれた

ところが大人(れっきとした50代)になって眺める東京は、緑豊かで捨てたもんじゃなかった。それは「山」にあるような人間のちからが及ばない圧倒的な自然とは別物ですが、介護の義務と自分の未来に板挟みにされ徒歩圏内しか動きようがなかった私を救ってくれました。同時に、どうしてこんな緑が身近にあったことをどうして若いときは気付かなかったんだろうとも思いました。

それから私は地図で緑地を探して行くようになり、

そのほとんどが「都立公園」に指定されていました。

最近倒木があった「野鳥の森」では、空が開いて光が差し込むようになったおかげで新しい芽生えが期待できるという。
「西本地区」の奥のほうははまるで山のなか。蜂須賀さんいわく、このあたりは昔のままの景色で「国分寺市で最も自然が深く感じられる」場所なんだそう。
山で大きな大きな葉っぱが落ちているのを見る朴(ほう)の木も、公園であれば頭の先から根っこまで眺めることができる。

「安心・安全」が今の自分にはフィットしている

「都立公園」って、すごいな。

訪れるたびにそう感嘆させられました。
以前訪れたことがある公園でも、こんなすごかったかな、こんなに広かったかな、こんな景色だったかなと思い、初めて行く公園なんてアクセスを含めてほぼ「冒険」。この先にはなにが待っているのだろうと歩を進めれば、めくるめく発見の数々、くまなく歩けば充足感も得られ、記念碑や解説板を読めば学びの場とも言えなくありません。むしろ、つねに危険に晒されている自然より安心して好奇心の赴くまま過ごすことができます。この、ある程度「安心・安全」が担保されている環境が“今の自分”にフィットしていることに気付いたんです。

私は自分自身のなかでひとつの結論に至りました。
いまの私はリスクを欲していないということです。
親のこともある、年齢に伴う体力面の問題もあるでしょう、時間や距離の物理的な制約もコントロール不能な更年期のメンタルも。だからといって山や樹木や生きものが好きなことには変わりなく、それらが「ない」生活はつまらない。だけど、「登山」に伴うリスクは回避しておきたい。

「山の埋め合わせ」ではなく都立公園に魅せられている

都立公園に通い始めたころは、「山に行けないことの埋め合わせしている」と思っていたんですが、いまはちがいます、どんどん都立公園に魅せられている。「公園」という機能や管理体制、土地や地形の活用の仕方に至るまで、知れば知るほど「すごいな」と思うんです。そして、これをここに残してくれてありがとうという気持ちまで湧いてきました。

これを読んでくれる皆さんは山に川に、自分のちからを試すようなアウトドアを楽しんでいるかもしれません。でも、いつか、そうしたくてもできなくなるときがくるかもしれません。あるいは、すでになにかしらの事情で遠くに出かけられなくなった人もいるかもしれません。そんな“とき”が訪れた人へ、私はいつでも見られる記録を残しておこう。そう思ったんです。

都立公園は全84か所。おすすめを紹介していきます

「そうか、そういう理由で公園を訪れる人もいるのかもね。みきちゃんの視点で都立公園がどう描かれるのか楽しみにしてるからがんばって!」

 「私の視点でいい」その言葉に背中を押されたような気がしました。
もちろん、いつ誰がどういう状態であっても都立公園ならびに近くの都市公園に出かけてもらって構わないですし、当然そういう方々にも興味を持ってもらえる連載にするのが目標ですけどね。

「都立公園」は全部で84か所。
あわよくば全て巡りたいですが、サイトの事情もあると思うのでアウトドアファンにおすすめしたい公園をメインにお届けしようと考えています。わざわざ出かけたくなる「都立公園」の情報をお届けします。末永くお付き合いよろしくお願いします!

今回訪れた「武蔵国分寺公園」は今後また改めて紹介する予定です。
尚、9/1にはファミリー向けの「スポーツ教室」、秋にはカフェイベントやアートイベントをたくさん企画中ということなので公園HPをチェックして是非お出かけください。

武蔵国分寺公園

JR中央本線・武蔵野線「西国分寺駅」徒歩7分
JR中央本線・西武鉄道多摩湖線及び国分寺線「国分寺駅」徒歩10分

著者画像

鈴木みき

イラストレーター

1972年東京生まれ。イラストレーター、執筆家、防災士、ウィメンズヘルスアドバイザーⓇ。24歳のときに訪れたカナダで山旅の魅力にはまり、帰国後に自ら登山専門誌の取材同行モデルに応募し本格的に登山をはじめる。山小屋やスキー場のアルバイトをしながら、全国の山に取材に出かけイラストや山行記を雑誌に寄稿。コミックエッセイ『悩んだときは山に行け!』(平凡社、2009年)以降、山に関する著書を多数出版。近著に『キャンプ気分ではじめる おうち防災チャレンジBOOK』(エクスナレッジ、2023年)、『知っている山からはじめよう! 大人の日帰り登山』(講談社、2024年)、『更年期の歩き方――アラフィフ山女子、不調と向き合う』(講談社、2026年)。国内外での登山ツアーの企画同行、講演、メディア出演なども行っている。

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