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迷子になりたい、「初見」を楽しみたい
スマホで地図を見ればすぐに正解が出るでしょう。でもここは「公園」。いくら迷ったってたかが知れています。私の「都立公園巡り」の流儀は園内に設置された地図看板しか見ないこと。なんだったら迷子になりたいんです。興味の赴く方向に歩いて「初見」を楽しみたい。都会の整備された公園内ですけど、気分は伊能忠敬やマルコポーロです。うふふ。


園内に車道なんてあるかしら?頭のなかにうっすら浮かぶ地図看板の残像を追いますが分かりません。もう公園を出てしまったのだろうか。本格的に「う~む」です。こういうときは視野を広げて「よく見る」!必ず手がかりがあるはずです。そこは公園ですから。



地図看板を見るとまだ戸山公園「箱根山地区」の「なか」にいました。現在地が示されたことで「箱根山」はこの先にあって、見過ごしてはいないことが分かりました。こうやって答え合わせをしていくのが好きです。


映画「パーフェクトデイズ」で話題になりましたが、
舞台になった渋谷区だけでなく東京の公衆トイレが最近明るいイメージに刷新していますね。
源氏の陣地→下屋敷→陸軍戸山学校→アメリカ接収→都営住宅
さて、いよいよお待ちかねの登山開始といったところでしょうか。 たしかにトイレの裏手が登り斜面になっていて山のように見えます。



前回書いた「戸山荘」時代を感じられる標柱がありました。当時はこの坂の両側に町屋風の茶屋が並んでいたそうですよ。 屋敷のなかに茶屋とはさすが大大名。来訪者へのもてなしでしょうか。
目と鼻の先には明治からの歴史が刻まれていました。


倒幕後の明治7年から、この「戸山荘」があった地は「陸軍戸山学校」として利用されていたそうです。説明板によると、それから約70年、軍事的な研究教育が行われ、体育武道射撃音楽の向上に寄与したとのこと。こういう国の軍事施設だった土地が都立公園に生まれ変わったパターンは、どうやらけっこう多いみたいなんですよね。
説明板には徳川の下屋敷になる前のことも少し書いてありました。 なんと、というか、やはり、源頼朝が源氏を勢ぞろいさせた武士の館があったようです。来る前に立ち寄った「穴八幡宮」と繋がりましたね。点と点が線になる感覚。都立公園はにわか歴史探偵ごっこもできますね。

給水塔が萌える~。
終戦後、一度アメリカに接収されたのち、今の園内を含む陸軍学校跡地一帯に所せましと復興住宅が造られ、その後初の都営住宅「戸山ハイツ」が建てられました。高層に建て替えられた今でも戸山公園を囲うように「都営戸山ハイツアパート」が建ち並んでいます。それも戸山公園のひとつ独特な景観を作っていると思いますね。
池を掘った土で作った人工の山
ここじゃないか? 戸山ハイツを背に少し下ると、ようやくそれらしきお椀型の「盛り上がり」が見つかりました。


これに違いない!と思う一方、ここまでの道のりを振り返ると自信は持てません。登山を長年嗜んできた者とはいえ、逆にこの規模の山の経験がないのです。
「箱根山」の標高は44.6m。実は自然の「山」ではありません。 下屋敷の庭に池を造成するために掘った残土で築いた「築山(つきやま)」なんです。

(今でいう観光ガイドブック)の地図(左辺が北)。
見えにくいですが、中央にひょうたん型の大きな池があります。 この地図だと、池の真ん中にかかる橋の右、やや下あたりが当時「玉円峰」と名前が付いていた「箱根山」になります。するってぇと、なにかい?私が園内に入った「早稲田口」から車道に合流したあたりまで全部池だっていうのかい?ええい、ちくしょうめ。
驚いていきなり江戸弁になっちゃいましたが、かなり大きな池があったようです。それが埋め戻されたから前半は平らだったってことですね。 地図によると箱根山のほかにもいくつか築山があったようで、起伏に富んだ日本庭園だったことがうかがえます。東京ドーム約10個分の庭ですよ。徳川の財力たるやおそるべし。
登頂。山手線内側で「最も上から目線」
「そのとき」はあっけなくやってきました。



山頂では地元の子供たちがだべってました。

これが山手線の内側で地に足が付いた状態での最も上から目線です。大大名もここから城下のほうでも眺めたのでしょうか。今でいうなら「東京タワー展望台」から見下ろす感覚と同じことですもんね。

登頂証明書をいただくまでがまた冒険
「箱根山登山」が人々を惹きつける理由は、「とある最高峰」という物珍しさだけじゃありません。なんと、嬉しいことに「登頂証明書」がいただけるのです! 日本で「登頂証書」を発行している山は数えるくらいしかないので貴重ですよ。ここまで来て知らずに帰らないでくださいね。

では、どうやってもらうかというと…。
「戸山公園サービスセンターにて発行いたしております。自己申告制で無料にて発行しておりますので是非お越し下さいませ。」とのこと。
その「戸山公園サービスセンター」は、この「箱根山地区」ではなく、もうひとつの「大久保地区」にあります。お忘れではないでしょうか。ここ戸山公園は2つのエリアに分かれていて、その2つがけっこう離れているのが特徴でした……。そう、すなわちその離れたほうまで行かないと「登頂証明書」はもらえないのです。登るは易し、もらうは難し。タダより高い……なんて野暮は言わないで。張り切って下りましょう~!

(階段は全部で3か所あります)

「戸山公園サービスセンター」までは、直線距離で約800m。寄り道が多かったばっかりに17時半のサービスセンターの閉館まで意外と時間がない?
次回は、「登頂証明書」ゲットに果たして間に合うのか? お楽しみに。

JR山手線「新大久保」「高田馬場」・東京メトロ東西線「高田馬場」下車徒歩10分(大久保地区)・徒歩25分(箱根山地区)
東京メトロ副都心線「西早稲田」下車徒歩6分(大久保地区)・徒歩8分(箱根山地区)
東京メトロ東西線「早稲田」下車徒歩10分(箱根山地区)
都営地下鉄大江戸線「若松河田」、東京さくらトラム「早稲田」下車徒歩15分(箱根山地区)




