少しずつライオンたちの挙動に慣れてきたかなと思っていても、不意にこんな風に尖った牙をむき出しにしてあくびをされたりすると、いやいや油断ならないぞ、と思い直します。
後ろからライオンの歩く様子を眺めていると、大きな足先をぽてぽてと運びながら歩いていく様子が、ちょっとかわいらしく思えてきます。ああいう足運びを実際に見ると、チーターなどに比べてライオンはそれほど足が速くないという説明にもうなずけます。
保護施設内で飼育されていて、ある程度人間の存在に慣れているライオンたちではありましたが、それでも、何にもつながれていない状態のライオンたちと自然の中をともに歩くという経験は、自然との関わり方をあらためて考える上で良いきっかけになりました。もし機会があれば、この地を訪れて、自然の中でライオンたちとひとときを過ごしてみてはどうでしょうか。
▼著者プロフィール
山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。2016年春に著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』の増補新装版を雷鳥社より刊行予定。
http://ymtk.jp/ladakh/
▼取材協力クレジット
取材協力:南アフリカ観光局
http://www.south-africa.jp/