台湾のおすすめスポット「水金九エリア」をご案内!大自然の中で感じるノスタルジックな日本
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    2025.01.06

    台湾のおすすめスポット「水金九エリア」をご案内!大自然の中で感じるノスタルジックな日本

    台湾のおすすめスポット「水金九エリア」をご案内!大自然の中で感じるノスタルジックな日本
    旅好きが高じて海外移住し早20年。緑と水に囲まれるアメリカ西海岸・シアトルに暮らし、アウトドアに目覚めつつあるエディターが、知る人ぞ知る世界のアウトドア旅の穴場を案内します。

    シリーズ第3回では、台北郊外に位置する瑞芳(ルイファン)の注目エリア、水南洞(スエナントン)、金瓜石(ジングアシ)、九份(ジョーフェン)をまとめてご紹介!

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    アメリカ在住エディターのアウトドア世界紀行 VOL.3】
    台湾の山間に眠るゴールドラッシュの遺構

    都会の喧騒から逃れ金瓜石の隠れ宿へ

    日本の旅館スタイルのおもてなしが特別感を演出。

    山の息吹を感じながらリラックス。

    台湾では合わせて「水金九」と呼ばれる水南洞、金瓜石、九份のエリア。観光地の九份は日本でも有名ですが、ほかの2か所はこれまで聞いたこともありませんでした。実は日本と歴史的つながりを持ち、絶景スポットも点在します。

    旅の拠点は金瓜石。台北駅から電車で約40分の瑞芳駅に向かい、そこから約20分、バスに揺られます。青空の下、山の緑がまぶしく反射。ここまで来ると、すっかりの森の中です。

    「宿はどこだ?」

    橋の向こうに、ようやく小さな宿の案内板と階段を見つけました。滞在先は、スロートラベルをコンセプトとした朝食付きゲストハウス「緩慢」。無料の特製ハーブティーを味わいながら、緑に包まれるバルコニーで森林浴ができちゃいます。朝には茶壺山からの日の出を堪能。宿にいながら自然に親しめます。

    金瓜石の周辺はトレイルが張り巡らされ、登山やハイキングが盛んな土地柄。夫からこんな提案が…。

    「せっかくだから九份まで歩いてみない?」

    前述の通り、金瓜石から九份へはバスがつないでいます。それが、夫のひと言で突然のハイキングが始まりました。

    九份のバーで夜を待つ

    山道には果てしなく続く階段が。

    スマートフォンの地図を頼りに九份への山道をたどること約30分。とにかく階段、ひたすら階段です。体感では1時間くらいかかる気がするほどの過酷な道程で、運動不足の体にはこたえます。

    九份に近づく頃には、すでに日が傾いていました。光の中、幻想的に浮かび上がる山海を横目にバスルートになっている大通りと合流したら、ゴールはすぐそこです。

    やっとの思いで到着した九份老街。中心となる基山街は人、人、人で埋め尽くされていました。とりあえず腹ごしらえとばかりに、名物の魚のつみれスープやタロイモ団子のスイーツなどをサクッとつまみます。そのあとは、行列のできている有名茶房ではなく、海を望むカクテルバー「逸茶酒室」へ。ゆっくりとサンセットを待ちつつ、台湾らしさを取り入れたユニークなオリジナル・カクテルでリフレッシュ。山歩きの疲れが少しずつ癒されていきます。

    九份老街は赤提灯の豎崎路の夜景でおなじみですが、個人的には海の夕景を推したい! 九份老街には無料の展望広場も設置されており、店に入らずともこちらで長居できますよ。

    バーからの眺めは心が洗われるような美しさ。

    観光地としても有名な、九份のレトロな街並み。

    鉱山の街、水南洞の秘境

    金鉱の歴史を今に伝える黄金博物館。

    金瓜石は黄金博物館で知られます。日本統治時代、九份を含む一帯は鉱山業で栄えました。黄金博物館はその関連施設を復元、保存し、一般に公開しているテーマパーク型史跡で、中には日本家屋や神社跡なども見られます。

    水南洞は当時、そうして掘られた鉱石の製錬所として機能。使われなくなった建物は荒れ果て、現在は廃墟と化していますが、逆に独特な迫力を生んでいます。金瓜石から歩ける距離ということで、私たちも出かけてみました。

    だんだんと山肌に建造物の一部が出現。宿を出発して約15分が経つ頃、その全貌より先に、水南洞のもうひとつのフォトスポット、黄金瀑布が見えてきました。文字通り、ところどころ黄金色に輝く岩肌を黄金色の鉱水がすべり落ちます。

    道中、貴重な産業遺跡がそこここに。

    展望エリアが設けられている黄金瀑布。実際は黄金色というより錆色!?

    製錬所の建物群は「十三層遺跡」と呼ばれ、昔の面影をとどめているのは上層のみですが、下層までその名残を確認できます。山頂から延びる廃煙道も見もの。敷地の入り口まで来てみたものの、関係者以外は通れないようでした。

    「中に入れないなら、展望台はどこに?」

    と、ネットで探してみたら、見つかりました! 長仁社区の展望台というのが良さそうです。けれども、これがまた見つけづらい。黄金瀑布から東へ徒歩20分、「瑞芳區長仁社區活動中心」というコミュニティー広場から森の中の階段を上がっていくと、やっと展望台へ出られました。この階段はかなり急なのですが、もう慣れっこです(笑)。

    さて、十三層遺跡ですが、台湾では「天空の城」とも言われているようです。と聞けば、ジブリ映画の「ラピュタ」ですよね。なるほど、基隆山を背にしたフォトジェニックなたたずまいは圧巻です。

    展望台からは陰陽海も見渡せます。黄金色の鉱水が海に流れ出て、青と黄金色のグラデーションを描く、独特なビジュアル。遠方にはうっすら基隆島も。

    昼間は誰もいない貸し切り状態のこの展望台は、日が暮れると夜景の名所に。十三層遺跡も、アーティストによるコラボレーションでライトアップされ、その美しさは格別なのだとか。かつての「城」は、破壊から変容を経て、新たな観光資源として見事復活を果たしています。

    長仁社区の展望台からの大パノラマ。

    十三層遺跡の圧倒的な退廃美。

    地元では「SLAM DUNK」の聖地にあやかり「小鎌倉」と呼ばれる陰陽海。

    ■緩慢(アダージョ)
    新北市瑞芳区石山里山尖路93-1號
    https://www.theadagio.com.tw

    ■逸茶酒室(イーチャジョースー)
    新北市瑞芳區基山街190號
    Instagram@1x94goldenbar

    ■黄金博物館
    新北市瑞芳區金光路8號
    https://www.gep.ntpc.gov.tw

    私が書きました!
    アメリカ・シアトル在住エディター/ライター
    ハントシンガー典子

    アメリカ・シアトル在住。エディター歴20年以上。現地の日系タウン誌編集長職に10年以上。日米のメディアでライフスタイル、カルチャー、旅、海外移住、バイリンガル育児など、多数の記事を執筆・寄稿する傍ら、米企業ウェブサイトを中心に翻訳・コピーライティング業にも従事。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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