ユーコンでソト遊び暮らしを実現! 7年の軌跡 第二回
北緯60度の冬をどう乗りきる?

ほぼノープラン、2歳の息子を乗せたベビーカーとスーツケース2個を携えての海外移住。しかも行き先は、知り合いどころか縁もゆかりもないカナダ・ユーコンの州都、ホワイトホース。現地で知り合った方々の協力もあり、住居とクルマは到着から2週間のうちに何とか調達できました。私は現地カレッジでの学生生活にそれなりに慣れてきて、妻もホテルで仕事ができることに。そして息子を預けるデイケア(保育所)もかろうじて確保。
「なんや、思ってたより何とかなるもんやん」
そう思っていたのも束の間、我々は北国の洗礼を浴びることになります。ここは北緯60度。北海道の札幌どころか稚内よりもさらに高緯度、ヨーロッパならフィンランドのヘルシンキやスウェーデンのストックホルムとほぼ同緯度です。そんな本気の北国にほとんど丸腰でやってきた私たちは、ユーコンの最初の冬を迎えることに。
頼りは日本の技術力!

私たち家族は、生まれてこの方、北国での生活を経験したことがありませんでした。唯一あるとすれば、ワーキングホリデーで滞在したトロントにおけるマイナス5度の寒さと雪の日々ぐらい。そのときは人生で初めての北国の冬を楽しむ余裕もありました。しかしユーコンは北緯60度、同じカナダでもトロントとは気候は全く異なります。気温は寒いときでマイナス30度程まで下がり、一度積もった雪は春までほとんど溶けません。
とにかく冬が厳しいという情報は聞いていたので、防寒装備だけは可能な範囲で準備して現地入りしたのでした。ユニクロのヒートテック、モンベルの冬山登山用ソックス、電熱グローブなど。さて、日本の技術力はユーコンでどこまで通用できたのでしょう。
暖かいければいい……とも限らない!?

9月はTシャツにスウェット、その上に薄いジャケットを羽織る程度の服装でも外出できました。10月になると、そこにヒートテックが加わり、11月にはモンベルの冬山登山用ソックスを投入。さらに中古アウトドアショップに走り、ハードシェルのジャケットを購入しました。12月にはスノーパンツの重要性を悟り、再び中古アウトドアショップへ向かうことになりました。
というように、到底日本で準備した装備では事足りないことを学び、その都度ローカルの人々の服装を真似しながら追加調達していくという手法を取りました。一番のネックだったのは、室内外の温度差。寒いところほど、室内は適度に暖められています。Tシャツの上にしっかりしたジャケットかコートだけで出歩いて、中に入ったら脱ぐというのは、北海道あたりでもよく聞く話ですよね。しかし寒さに慣れていない我々移住者にとっては、そう簡単にはいきません。ときには公園ですべり台に登っては降りてを繰り返す息子を、寒さに震えながら30分突っ立ったまま待たなければなりません。
時刻表通りにやって来ないバスを10分以上待たなければならないし、遊び疲れた息子を抱き、さらに荷物を背負ってバス停からの帰り道を10分歩かなければなりません。単に気温に合わせて服を重ね着していくのではなく、風の強さや雪の深さ、どのくらい外で過ごす予定なのかなど、その日の状況や用途に応じて防寒装備を選ばなければいけないということを学びました。
足元は日加連合軍が最適解!

上下の重ね着の方法に苦戦する中、安定してユーコンの冬に対応してくれたのはソレルのスノーブーツ、カリブーでした。さすがカナダのブランドだけあり、10センチ、いや20センチと積もった雪の中でもざくざく歩けるし、氷の上でも滑りにくいです。それでいてブーツの中は濡れなくて済み、蒸れにくいです。これにモンベルのアルパインソックスを合わせると、ほぼ敵なしの状態に。マイナス10度台だったらどこまでも歩きたくなる快適さです。マイナス20度を下回ると冷え性の私は指先が痛み出しますが、そもそもそのくらいの気温のときにのんびり散歩することはないので問題なし。
カリブーで歩いていて一番うれしいのは、独特のドット形の足跡を雪上に見つけたとき。冬の凍った湖の上を歩いてふと振り返ると、自分の歩幅、足の運び、歩いてきた軌跡が浮かび上がっています。雪の中を一歩踏みしめる度に、北国の冬に順応している。そんな気持ちにさせてくれるスノーブーツです。








