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拝見! アウトドア達人のソロ活
YouTuber ウリウリばあちゃん
瀬戸内海のコンビナート地帯で育ち、上京して機織りや染色を学び、27歳で田舎暮らしをはじめる。現在は八ヶ岳の暮らしをYouTube(@uriuri17)で発信中。
思い立ったが吉日!?
夜、寝る前に薪ストーブに一本入れた薪が、種火になっている。その火をおこし、具がいっぱい入った一日分の味噌汁を作るのが、冬の朝のルーティーン。
「鰹節を削って入れるでしょ。あとは骨付きの鶏とか、牡蠣、ネギ、ニンジン、タマネギ、なんでもいいのよ。味噌はね、小豆味噌がいちばん好き♪」
そう話すのはYouTuberであり、染織家のウリウリばあちゃん。自然豊かな八ヶ岳の麓での田舎暮らしを発信している。
YouTubeデビューしたのは今から7年前、63歳のとき。それまでは八ヶ岳の体験教室で、染め物のインストラクターとして働いていた。
「それはそれで楽しかったんだけど、もともと“自分の物”を作るのが好きでね。もっと家仕事をする時間を増やすために、YouTubeをはじめたのよ」
味噌汁を仕込んだら、薪ストーブでパンを焼く。朝ごはんはホカホカのパンと味噌汁が定番。暇を見つけては、薪作り。
「家のまわりに木がいっぱい落ちてるのよ。それをチェーンソーで切ってから割るんだけど、クサビで割るのが楽しくて」
お気に入りのかまどで昼と夜兼用のごはんを炊くのも、楽しいひととき。おかずは味噌汁と自家製たくあんに納豆。ほとんどが見様見真似で作ったもの。なんとかなる、でやってきた。
「この前も作った麹を冷凍庫に入れておいたんだけど、移動するときにコンセントを抜いたまま忘れちゃって。1㎏ぐらい全部ダメにしちゃった」
庭に植えたチューリップやバラをシカに取っていかれたこともあれば、育てていた野菜も保護ネットを破って、サルに持っていかれたことも。
「電気柵を取り付けてみたこともあるんだけど、自分が引っかかっちゃって(笑)。ここでは野菜は育てられん、ということと、電気柵はビリっとすることがわかったわ」
なんでもポジティブに捉えるのが、ウリウリばあちゃんの“田舎暮らしソロ活”のコツ。
「これをやろう、って新しいことを思いついたときがいちばんワクワクするし、楽しいのよ。思い立ったらすぐやる。やってから考えればいいじゃん。私、一切のんびりしたくないの。だって時間がもったいないでしょ」
この冬ハマっているのは、小枝を使った箸作りやお匙作り。もちろん本職の染織も。色の薄くなったジャケットやパンツを柿渋で染め直したり、刺し子をしたり。たしかに、コチャコチャと一日中動き回っている。
「いろいろ問題はあるけど、ごはんはいつも美味しい!」
そんなウリウリばあちゃんの考えを見習えば、いろんな可能性が広がる気がしませんか?
【ソロ活1】火のある暮らしを楽しむ
薪を作ることから、火おこし、食事作りまで楽しむのがウリウリばあちゃん流。古き良き丁寧な火のある暮らしを楽しむ。
冬は毎日少しずつ薪割りをする

電気チェーンソーで木を切って丸太にし、それを一本一本割っていく。まずはクサビと金槌を使って割り、さらにキンドリングクラッカーで細く割る。
かまどでごはんを炊く

段ボールに木の削りカスを加え、ファイヤースターターで着火。

かまどに火を移し、お手製の火吹き竹“ふーちゃん”で火をおこす。

羽釜が吹きこぼれるまで強火で加熱し、おき火にして蒸らす。

今日はむかごの炊き込みごはん。昼夜分を一度に炊いておく。


木の実パンで四季を味わう

小麦にライ麦と全粒粉、木の実、ドライイースト、塩、砂糖を加え発酵。

パンはダッチオーブンに入れ、温まった薪ストーブで焼き上げる。


今回は友達の家の庭で拾ったカヤの実を使用。灰汁に一週間浸け、陰干しして乾燥させてから炒ったものを使う。

日本のアーモンドといわれるカヤの実が入った、フルーティーなパン。秋から冬にかけてのご馳走。

【ソロ活2】手仕事を楽しむ
自分の使う生活用品はなるべく自分で作る。機織りだけは20代のころ習ったが、あとはすべて自己流。

柿渋染めや藍染めから生まれる布小物

家の一室を染色小屋に改装し、藍染めや柿渋染めを行なっている。オンラインショップでは自作の染め物も販売。柿渋染めは身の回りの生活品も。


古いもの好きで、使っていた人のことを思い描くとワクワクする。これは昭和の手縫い絹糸ケース。
薪を削ってカトラリーを作る

この冬は、サクラの小枝や薪を使ってカトラリー作りをマスターするのが目標。万力で枝を固定し、彫刻刀で好きなように削っていく。

肥後守と彫刻刀で製作!

サクラのスプーンが完成!
【ソロ活3】発酵で保存食作りを楽しむ
食事はなるたけ自分で作ったものを。一年を通して、先人の知恵を活かした保存食を作ることは、節約につながる。

人生マイペース!
調味料や甘酒に不可欠な麹を育てる

発酵機(48時間)で麹を作る。保温さえできれば、こたつや発泡スチロール、ヨーグルトメーカーなどでも少量から作れる。

完成した米麹。味噌や甘酒、発酵あんこの材料に。さらに塩麹を作って調味料代わりにも使っている。

桶に麹と塩、小豆(煮たもの)を一年漬け込んだ小豆味噌。表面を酒粕で覆うとカビ防止になる。
松葉での納豆に半干し大根のたくあん

黒豆を使った納豆も手作り。納豆菌は松葉を利用(わらでもOK)。蒸した豆と一緒に30時間発酵させ、冷蔵庫で一日寝かせて完成。

糠に塩、昆布、唐辛子を入れた糠床に半干し大根を漬けてたくあん作り。柿の皮を入れても◎。燻製にしても美味しい。

塩梅のいい歯応えが魅力!
※構成/大石裕美 撮影/花岡 凌
(BE-PAL 2026年3月号より)




