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一度は参加したくなる! SDGsはここまで進んでる! 自然に優しい日本企業11選
アサヒグループジャパン株式会社
設 立 2021年
本拠地 東京都墨田区
従業員数 400人

製紙業でも建設業でもないのに……80年以上続けているド直球な森林経営
まずは森の広さに驚かされた。広島県北部の大小15か所に点在する「アサヒの森」の総面積は2173haもあり、事業に森林が直接関わる製紙、住宅建設などの企業を除けば、日本でも有数の規模なのである。しかも、その森林の番人を社員自らが務めている。
「アサヒグループ森林管理事務所所長は、もともと営業職で私の1年先輩。自ら手を挙げて現地に赴任し、いまやすっかり森の人です(笑)」(火置さん)
さらに驚くのは、この森を戦時中から80年以上守り続けていること。ビール瓶の王冠に使われていたコルクの代用品となるアベマキが多く生息するこの森を戦時中に購入したのが始まりなのだが、戦後、アベマキの必要がなくなったときに、森を手放さず、守っていくことにしたのだという。
「水をはじめ自然の恵みをいただいて事業が成り立っている以上、自然の恵みを次世代に引き継いでいく責任があるからです。以来、生物多様性を守れるよう自然林を残しながら、ヒノキやスギの保有をするなど人工林を管理。社員自らの手で森林経営を行なってきました。最近では、これまでの経験を活かして、岡山県新見市と森林保全管理協定を結ぶなど、自社所有林以外の森の保全活動への協力も始めたんですよ」(火置さん)
水資源/アサヒの森チーム 火置恭子さん

「担当になって最初に現場に行ったとき、森の大きさと木の高さに圧倒され、それを管理している社員がいることにびっくりしました」
東京ドーム462個分「アサヒの森」

広島県庄原市と三次市に点在する社有林。「水源涵養保安林」、「ブナ林自然環境保全地域」などの指定を受ける森を守り続けている。

森の中の川では、特別天然記念物オオサンショウウオの生息も確認。環境DNA調査を実施し、生物多様性の把握に努めている。

ブナ、クヌギ、コナラ、アベマキなどの自然林も広がる。人工林の林業と生物多様性保全を両立させる森林管理も行なっている。

ヒノキやスギの人工林の保育や伐採といった林業を担当する社員がいる。アサヒの森の間伐材は国立競技場でも使用された。

中国支社へ配属になった社員などが研修の一環としてアサヒの森を訪れる。皆、会社が森を守っていることを知って感動するという。


地元の小学生を対象とした自然観察会など、自然の中で森の役割や人の暮らしとの関わりを知る体験学習の機会も提供している。
※構成/鍋田吉郎
(BE-PAL 2026年3月号より)







