【冬の巣ごもりアウトドア】1年かけて、1年ぶんの手前味噌を仕込む! | 料理・レシピ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

料理・レシピ

2026.03.18

【冬の巣ごもりアウトドア】1年かけて、1年ぶんの手前味噌を仕込む!

【冬の巣ごもりアウトドア】1年かけて、1年ぶんの手前味噌を仕込む!
毎日の食卓に欠かせない味噌は、冬に仕込みます。自然派ソロ活で挑戦してみましょう。「手前味噌ですが……」なんていって、お裾分けできたら粋ですよね!
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今月の里山クイズ

味噌と並ぶ大豆の発酵食品・納豆が完成までに要する時間は?
①1日 

②1週間

③1年

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答えは記事の一番下にあります!

里山Wonder通信 第19回

大人の階段をだいぶ上ったオガチンが最近気になるのは「発酵」。なんでも醤に変える醤おじさんと、味噌づくりに挑戦!

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仕込むなら今でしょ!

教える人  醤おじさん

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意外と簡単!

本名・宮原 悠。家庭菜園、釣り、エアライフルで食材を集める半農半猟ライター。この春、千葉県にエアライフル猟とアウトドア用品の専門店を開業予定。

教わった人 編集 オガチン

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醸すぜ!

味噌の味は皮の比率と成分に大きく左右される

オガチン(以下、オ):私も大人になったんでしょうか。最近、発酵デビューしたくなりまして……。
醤おじさん(以下、醤):じゃ、最初は味噌ですね! 味噌は簡単で失敗しにくいから。
オ:え! 大きい樽や全身を覆う白衣とかいらないんですか?
醤:つくるときに体や加工する場所が清潔なのは大切だし、物理的に樽がいいのも事実だけど、勘所さえ押さえたら、家庭の台所と近所で買える素材で十分! ……そしてこちらが、ひと晩浸水した豆です。
オ:お、生の状態よりだいぶ膨らんでる! 同じ大豆でも、色も大きさも結構違うんですね。
醤:今日は白い大豆と黒い大豆、花豆も用意しました。味噌の味は皮の比率と成分に大きく左右されます。ここにつくった味噌があるから味見してみて。
オ:あ! 全部味が違う。すずまるはプレーンな味だけど黒千石は果実感がある。しかも3年ものはもっとフルーティー!
醤:でしょ? でも、不思議なことに5年、6年と寝かせるとどれも味の個性が薄れて、「ただの味噌」って感じになる。熟成と個性のバランスが良いときが食べごろといえるかも。
オ:さて、大豆を火にかけたら次は、麹に塩を用意する、と。
醤:麹は生麹が理想的だけどスーパーに並ぶ乾燥麹でもOK。分量を量ったら揉んで粒をばらし、塩と合わせます。
オ:お、豆も煮えました!
醤:煮えた豆は袋に入れて揉んでペースト状にし、そこに塩きり麹を加えてさらに揉む。均一になったら丸めて空気を抜き、容器に入れていきます。
オ:容器、用意しました!
醤:それがねぇ、四角い容器はダメなんです。味噌を押し込んでもペコペコたわんで味噌と容器に隙間ができてそこがカビる。容器は円筒形がいい。
オ:へ〜!!
醤:空気を抜いた味噌を拳で押して隙間なく詰めたら、天面を丘状に整形して、容器に沿って塩を撒いてカビ避けにする。さらにアルコールを含ませたペーパーで容器の内側を拭って殺菌。上からラップを密着させて塩を入れた袋を重石にします。
オ:??? なぜ、塩を?
醤:ある程度重さがあって、隙間なく密着できる粉状で、カビを防ぐものといえば?
オ:なるほど、塩だ!
醤:ま、アルコールで殺菌して、できるだけ空気に触れさせないようにして、塩を撒いていてもちょっとはカビがつきます。でも大丈夫。それは完成後にこそげ取ってしまえばOKです。
オ:あとは1年待つだけ……。完成が、待ち遠しい!

そもそも味噌って何!?

味噌は煮豆を麹と塩と合わせてつくる発酵食品。「同じレシピで仕込んでも、豆の種類で味が変わる。でも、寝かせすぎると風味の特徴が抜けて最後にはみんな似たような味になります」

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左:すずまる→1年熟成
右:黒千石→3年熟成

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最後はみんな同じ味噌

1 材料は大豆、米麹、塩だけでOK!

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味噌の基本的な材料となるのは大豆、米麹、塩の3つ。「塩はサラサラの安い塩がおすすめ。乾燥した大豆500gに対して米麹500g、塩250gが基本のレシピ」と宮原さん。

2 大豆を水にひと晩浸す

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大豆は煮る前に浸水が必要。よく洗った大豆を15時間以上水に浸ける。吸水した豆が水面から出ないよう多めの水に浸す。今回はすずまる、黒千石という大豆に加えて花豆も使ってみた。

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大きくなるので注意!

3 大豆を煮る

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ひたひたよりもやや深い水で大豆を煮て、煮汁をきる。煮え具合は親指と小指で摘んだ豆を潰せる程度に。豆の煮汁は泡状になる。圧力鍋を使うと圧力弁を詰まらせることもあるので注意。

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4 塩きり麹をつくる

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麹は麹カビによってブロック状になっている。手で揉んでひと粒ずつ分離させ、塩と混ぜ合わせる。麹店で買える生麹は水分が多く、市販のパック詰め麹は乾き気味。

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5 大豆を潰して混合

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大豆が煮上がったら丈夫な袋に入れて粗熱を取りつつ潰す。豆が潰れて50度C程度にまで冷えたら塩きり麹と合わせる。大豆が高温すぎると合わせた麹の酵素が失活してしまい、冷ましすぎると大豆が堅くなり混ぜにくい。適温で作業する。

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乾燥麹を使う場合、水分が少なくて固くなることも。固すぎたら少しだけ煮汁を加える。

6 容器に隙間なく詰める

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円筒形の容器の底に軽く塩をうち(分量外)、丸めて空気を抜いた味噌の素を押し詰める。「空間があるとそこにカビが出る。空気だまりをつくらないように注意!」

7 滑らかに盛り上げる

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拳と指先を駆使しながら味噌の素を隙間なく詰めていく。容器の縁近くまできたら味噌を緩やかなマウンド状に整形。味噌が容器と接する部分に浅い溝をつくる。そこに塩を軽く盛って外気とともに入り込むカビ避けとする。

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8 ラップと塩を入れた袋で空気を遮断

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味噌の素の上にラップをかけ、味噌の面にラップを軽く押し付ける。ラップで空気を遮断したのち、ポリ袋をその上に載せ、塩をポリ袋に入れる。この塩は空気を抜く重石代わり。軽く押してラップを密着させ、封をして完成。

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Complete!

使う豆の種類や大きさ、熟成期間で味が変わる。

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できました!
1年ぶんの手前味噌!

でき上がったら床下収納やキッチンの棚などに入れて熟成させる。ある程度温度が上がらないと酵素が働かないので冷蔵は禁物。室温かつ温度変化が少ない場所で寝かせる。

動物性タンパク質も「醤」になる! 魚醤と肉醤にも挑戦!

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肉や魚も塩漬けにすると醤(ひしお)になる。肉を醤にしたものは肉醤(ししびしお・にくしょう)、魚の醤は魚醤と呼ばれる。「失敗しないコツは塩分を多くすること。塩分が少ないと発酵ではなく腐敗に転びます。においが変になったら、迷わず廃棄しよう!」

肉醤の作り方

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❶肉醤、魚醤もつくり方は同様。肉も魚も脂が少ないミンチを用意する。

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❷肉(魚肉)7に対して塩2、麹1の重量比で混ぜ、瓶で1年ほど発酵。熟成後、ペーパーフィルターで濾して液を使う。

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たしかに魚醤!

【里山クイズの答え】

正解は①1日。納豆の作り方は簡単。柔らかくなるまで煮てから45度Cくらいに冷ました大豆に、市販の納豆を種菌として加えてよく混ぜて保温するだけ。
翌日には大豆全体が納豆に! その後は冷蔵庫に移し、熟成による変化を楽しみつつ食べるだけ。味噌のついでにつくってみよう!

仕込みを終えて……「職人技ってやっぱりすごい!」by オガチン

アウトドアメーカーの工場見学や職人取材をするたびに、熟練の方々の技術力には目を見張るものがあると思っていました。そして、人生初となる今回の味噌づくり。容器に素材を詰める作業で、空気を入れないようにするのが超難しい! 先生の宮原さんが素早く、丁寧に素材を詰めるところを見て「やっぱりすごいな〜」と感心したのでした。

※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一

(BE-PAL 2026年3月号より)

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