アラビア砂漠の「遊牧民キャンプ」のあと○○に行ってみた! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 海外の旅

    2026.01.12

    アラビア砂漠の「遊牧民キャンプ」のあと○○に行ってみた!

    アラビア砂漠の「遊牧民キャンプ」のあと○○に行ってみた!
    アラビア砂漠の遊牧民のベドウィン。アウトドア好きの人間から見たら「達人」ですよね。なんといっても「毎日がキャンプ生活」なんですから。

    今回はベドウィンのキャンプ生活を体験できる施設を訪れたあと、さらにディープな場所を訪ねてみることにしました。たぶんみなさん、一度も見たことがない光景だと思います。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
    Text

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!サウジアラビア・リヤド旅その3】

    前回はこちら↓

    垂直落差1,131m!サウジアラビア・リヤドで「世界の縁」まで行ってきた | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

    異文化体験はやっぱりおもしろいっ!

    まず訪れたのは「デザート・キャンプ・エクスペリエンス(Desert Camp Experience)」という場所です。

    その入り口です。
    進んでいくと砂の上にじゅうたんが敷かれた「アウトドアリビング」的な場所へ。
    大きな天幕も設置されています。
    その中は「ベトウィン生活のミニ博物館」的な状態で、剣などの道具が展示されています。
    さらにはレクチャーも。

    「アラビアではコーヒーを15分以上沸騰させて入れます」「カルダモンやサフランなどのスパイスを加えます」「砂糖は通常入れませんがその代わりにドライフルーツのデーツ(ナツメヤシの実)を食べますね」。そんな話をしてくれました。

    このベトウィンキャンプ内では芳しい香りが漂っていたのですが、それを発する「香木」に関するレクチャーもありました。香木は高いものでは1キログラムで7万米ドル(約1100万円)以上するのだとか。

    にわかには信じられなかったのですが、あとで日本のサイトを調べてみると伽羅という香木は1グラムで3~9万円という記述。つまり1キログラムだと3000~9000万円ですね。

    さらには民族衣装試着体験も。

    この黒に金色の刺しゅう入りの服は王族が身に着けたり、一般の人も特別な機会に着たりする正装なのだとか。

    というわけで着せてもらったあと、王族になり切って「皆の者。私についてくるが良い」と朗々と語りかけて歩き出したら、キャンプにいたガイドの女性に意外とウケました。服を踏んで転びそうになりましたが。笑

    そして「アラビア語で名前を書きます!」という実演も。

    日本人が欧米人相手によくやる「習字で名前を書きます」と同じですが、やってもらうと意外とうれしいものですね。

    食事は砂の熱を活かして蒸し焼きにしたもの。
    ラクダにも乗れます。

    さてこの「デザート・キャンプ・エクスペリエンス」のサイトを事前に確認したところ「夕陽の砂丘ウォーク」と「サンドボード(砂すべり)」というアトラクションもありました。

    ところが今回はTOURISEという旅行業界向けカンファレンスの参加者のために用意されたツアー。当然カンファレンス終了後に、通常よりも2時間半遅い午後5時半頃出発。到着も7時半で写真のようにもう日は落ちているので、「夕陽の砂丘ウォーク」も「サンドボード」もなしとなりました。

    でもキャンプの光に照らされて暗闇に浮かぶ砂丘は本当に美しかったです。

    妙に歓待を受けたモスク訪問

    ベトウィンの生活などを知ることができて大満足のキャンプ訪問。さらに彼らの生活に興味がわきました。というわけで別の日に訪れることにしたのが「モスク」と「墓」です。

    世界各国で大小さまざまなキリスト教の教会には訪れていてこの【柳沢有紀夫の世界は愉快】でも紹介してきました。でもイスラム教のモスクに入ったことは一度ありません。

    「モスクはわかるけど墓地はなんでだよ~」という声が聞こえてきそうですが……みなさん、イスラム教徒の墓地って見たことありますか? 私は写真ですら見たこともないです。だったら見てみようというのが冒険少年、もとい冒険中高年というものではないですか!

    調べたところ「アルラジグランドモスク」というのがリヤドで最大かつ観光客向けの見学ツアーも開催しているとのこと。ただ私がモスクに入ってみたいと思ったのは「観光地」としてではなく、「ムスリムの人たちの生活が息づいている場所」としてです。あまり観光地化されすぎているのもどうかと思い、その一方で地域超密着型の小さなモスクにズカズカとお邪魔するのもはばかられたので、「キングハーリドグランドモスク」というところに行くことにしました。

    立派な白亜の建物です。

    入り口で他の人のサンダルが置かれていたので、私もサンダルを脱いで入場します。……というかモスクに関してはそんなことすら知らなかったんですね。

    キリスト教の教会と違い、長椅子や長机はありません。これも全然知らなかったこと。

    床に直に座るあたりは日本の神社仏閣に似ていると思いました。

    礼拝の時間ではないですが祈りをささげている人もいたので、静かに後ろのほうで正座して見学をしていると、白い装束を着たオジサンが冷蔵ケースから水のペットボトルを取り出して、差しだしてきました。

    販売しているのか、まあ見学料代わりに払うのもいいかと財布を出そうとデイパックをごそごそしたら「フリー(無料)だ」とのこと。ありがたく頂戴しました。

    オジサンは英語を話せず、私もアラビア語を理解しないのでこれは私の「想像」ですが、砂漠での生活では水が本当に貴重です。まさに死活問題です。だからこそ逆に「利権を独占」するのではなく、誰にでも水を差しだす「助け合いの精神」が根づいているのかもしれませんね。

    それから「よく来たな~」とばかりに握手をしてくる人もいました。最初は「よそ者が来るな!」という視線を浴びるかとビクビクしていたのですが、妙に歓迎してくれます。

    キリスト教の教会と比べて祭壇はいたってシンプルです。

    それで思い出しました。イスラム教では偶像崇拝を禁止しているんだったと。

    ステンドグラスも人物などがなく幾何学模様なだけなのもそういう理由なのかもしれませんね。

    モスクにはとても静謐な時間が流れていました。

    この「キングハーリドグランドモスク」には祭壇側以外の三方向から入れるようになっています。そして祭壇の反対側からの入口のそばには手足を洗う場所がありました。

    このあたりも御手水がある日本の神社仏閣に似ていますね。

    ちなみにモスクは基本的に男性用と女性用がわかれているので、見学する際も間違えないようにしてください。

    想像とは全然違っていた墓地

    さて「キングハーリドグランドモスク」の近くの墓地に向かいます。

    こちらが墓地の入口です。

    地図で見ると幅600メートル、奥行き200メートルほどあるかなり大きなもの。入ってみましょう。

    その瞬間、言葉を失いました。

    想像していたものとはまったくかけ離れていたからです。こう言っては失礼なのかもしれませんが、キリスト教や日本の寺の墓地と比べるとかなり「殺風景」です。

    一つ一つの墓に同じように大粒の砂利が盛られ、その両端に石の板が立てかけられているだけ。

    それが延々と規則正しく続いています。キリスト教や仏教の墓のように大小がありません。

    そしてもう一つ、墓石に文字がありません。つまり少なくともパッと目には誰のお墓なのかわからないのです。

    これでは墓参りが一苦労だとなと考えてから、すぐにこんなことが頭に浮かびました。もしかしたらこのあたりでは「墓参り」という習慣がもともとないのではないかと。

    というのも彼らはそもそも遊牧民です。農耕民族や狩猟民族と違いある場所に「定住」はしていません。だから墓があっても頻繁には通えません。「命日に墓参り」もむずかしいでしょう。

    墓に花が手向けられていないのも、私が「殺風景」と感じた原因の一つです。でもこれにも理由があります。砂漠にはあまり花がないからそういう習慣ができなかったのでしょう。

    同じ墓でも文化によって全然違うのだな。そんな事実にしばし圧倒されて立ちすくんでいたのですが、ふうっと一息ついてからとにかく墓地につくられた通路を歩いてみることにしました。すると。

    砂利の色が違っていることがおわかりになるでしょうか。

    奥は新しくつくられた墓なのでしょう。さらに進んでいくと驚くものが目に入りました。通路のつきあたりに砂利が小高く盛られているのはいいにしても……。

    荷物運搬用のパレットの上に未使用の墓石が置かれ、手押し車やシャベルが無造作に放置されていました。

    ここだけ写真を切り取ったら土木工事現場と勘違いしてしまいそうです。

    我々日本人から見ると「あまりにお手軽だなあ~」と感じられるかもしれません。でもこれが定住ではなく遊牧で移動しながら生きてきた人たちに合った弔い方なのかもしれません。

    墓のサイズに大小がないのも、「神のもとでは平等」ということなのだとしたらとても潔い気がしました。

    それでふと思い出したことがあります。イスラム教徒たちには一日5回お祈りの時間が定められていますが、その際モスクに行く必要はなく、どこにいてもメッカの方に向けばいいとされています。一見安直なように感じられなくもないですが、これもまた砂漠の中ではモスクに行きようもないからなのかもしれません。

    ……と今回書いてきた「発見」はあくまでも私の「想像」です。全然見当違いかもしれないことをお断りしておきます。

    でもこんなふうにあれこれ想像しながらの旅もおもしろいものです。ガイドによる説明を最初から聞きながらだったら、右の耳から左の耳に流れてしまうかもしれないことでも、自分で考えたのであればいつまでも記憶に残ります。

    次にサウジアラビアに来られたら、実際にはどうなのか質問しながら砂漠を旅したいな。

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    Visit Saudi Arabia (サウジアラビア政府観光局のサイト)
    https://www.visitsaudi.com/ja

    Desert Camp Experience
    https://dunesanddates.com/tours/the-bedouin-experience/

    TOURISE (2025年11月にサウジアラビアで開催された世界的な旅行業界カンファレンス。今回はここの招待で訪問しました)
    https://www.tourise.com/en/home

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

    NEW ARTICLES

    『 海外の旅 』新着編集部記事

    垂直落差1,131m!サウジアラビア・リヤドで「世界の縁」まで行ってきた

    2026.01.09

    映画『バグダッド・カフェ』の舞台を訪ねる【100周年を迎えるルート66の点と線・その3】

    2026.01.08

    サウジアラビア建国の地「ディルイーヤ遺跡」を夜間探検!

    2026.01.08

    伝説のモーテル&カフェ「Roy’s」を再建した日系人【100周年を迎えるルート66の点と線・その2】

    2026.01.07

    「アメリカのメインストリート」を旅する【100周年を迎えるルート66の点と線・その1】

    2026.01.06

    ゆったり自然と向き合えるアメリカ・ユタ州のトレイル“暮らしの道”を歩く

    2026.01.03

    ヨットで世界一周する家族が台湾で大ピンチに! 2026年はどうなる!?

    2026.01.01

    「花の島」として知られるドイツ南西部のマイナウ島でイルミネーション・ウォークを満喫!

    2025.12.30