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海外の旅

2025.05.15

インド共和国記念日にラルン村での歌と踊りの催しと、子供たちの学校を訪ねて

インド共和国記念日にラルン村での歌と踊りの催しと、子供たちの学校を訪ねて
ラルン村で、僕は1月26日のインド共和国記念日を迎えました。1950年のこの日にインド憲法が発布されて共和国となったことを記念する祝日で、首都デリーでは軍による華々しいパレードなどが催されます。

ラルンでも、村の学校などはお休みとなり、子供たちは午前中、村はずれに作られたスケートリンクで、カザから来たコーチの若者たちにスケートを教わっていました。
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【雪豹に会いに、インド・スピティへ  第5回】

2か月前にできたばかりのスケートリンク

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

このスケートリンクは、州政府の支援で、ほんの2か月ほど前にできたばかりだそうで、子供たちが履いているスケート靴も、二十足ほどは州政府が用意してくれたそうです。余裕のある家では、子供にスケート靴を買い与えた家もあるとか。

これだけ標高の高い土地で、子供の頃からスケートを練習していれば、将来、強靭な心肺能力を持つスケート選手が、スピティから登場するかもしれません。

インド共和国記念日のラルン村での催し

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

村の中にある公民館のような簡素な建物の屋上では、村人たち全員にふるまわれる炊き出しのごちそうの支度に、調理担当の男性たちが取り組んでいました。僕も後でいただきましたが、パニール(豆腐のようなチーズ)とたっぷりの野菜を煮込んだカレーを白飯にかけたもので、なかなかおいしかったです。

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

公民館の建物の中で、スピティの歌謡曲に合わせて、しずしずと踊りを披露する村の女性たち。伝統的なえんじ色の長衣をまとい、肩口には、刺繍入りの緑色のマントを羽織っています。このほか、ラダックの歌謡曲やキナウルの歌謡曲、ボリウッド映画の曲など、さまざまな曲に合わせて入れ替わり立ち替わり、踊りが披露されました。

この地域では、こうした歌と踊りの催しのことを、英語で「カルチャー・ショー」などと呼んでいます。この日、ラルンで催されたカルチャー・ショーは、村の若者たちが申し出た企画だったそうです。

ラルン村の小学校を訪問

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

翌朝、僕はラルンの村にある小学校を訪ねました。昔からの年下の友人の一人が、今、この学校で教師をしていると聞いたからです。小さな校舎の教室にそっとお邪魔してみると、子供たちは、2か月に一度行われるテストの真っ最中。写真だけささっと撮らせてもらって、あとは校舎の外で、友人の話を聞かせてもらいました。

Photo by Takaki Yamamoto, All Rights Reserved.

友人がこの村の学校に赴任してきた時、最初は2人しか登校してこなかったそうですが、村の人たちとの話し合いを続けるうちに互いの理解が深まり、今は25人ほどの子供たちが通学しているそうです。

10年以上前、友人が大学生だった頃に、僕は彼と知り合い、彼にガイドをしてもらう形で、スピティの村々をトレッキングで旅して回りました。その旅の途中、彼は「将来はスピティで子供たちを教えたい」と話していたのを思い出しました。まっすぐな思いを貫いて、夢を叶えたのだなあ、と、何だか嬉しくなりました。

山本 高樹さん

著述家・編集者・写真家

1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとその周辺地域に長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。近著に『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』(雷鳥社)、『流離人(さすらいびと)のノート』(金子書房)など。

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