
レコン・ピオのバスターミナルを早朝に出発するバスに乗り込みます。スピティの中心地、カザの街までは、順調に行けば約10時間の道程です。
【雪豹に会いに、インド・スピティへ 第2回】
キナウル地方からスピティ地方への道

キナウルとスピティの中間地点に近い場所にある、ナコの村。このあたりまで来ると、標高は3000メートルを優に超えますが、1月下旬だというのに、一帯には積雪がほとんどありません。
地球温暖化の影響で、冬の間の降雪量が年々減っているとは聞いていましたが、この年は特に雪が少なく、地元でも心配の声が上がっているとのことでした。
まあ、急に大雪が降ってしまうと、この区間の道路は雪崩や土砂崩れでしばしば寸断されてしまうため、それはそれで、移動のタイミングによっては困った状況になってしまうのですが。
スピティの中心地、カザの街に到着

雪が少なかったおかげか、バスはスムーズにカザの街に到着。ここまで移動に次ぐ移動だったので、翌日は休養日にして、カザの街をぶらつきました。
交通が不便になる冬の間、カザを訪れる旅行者は大幅に減るため、ホテルやゲストハウス、観光客向けのレストランやカフェは軒並み休業中。地元の人向けの食料雑貨店や食堂だけが、わずかに営業していました。

ささやかなぬくもりを得られる日向で、昼寝中の野良犬たち。昼間はかわいいのですが、怒らせると徒党を組んで吠えかかってくることもあるので、近づきすぎないのが吉です。

ようやく見つけた営業中の食堂で、ベジ・トゥクパを注文。野菜を具にした、チベット風の麺料理です。熱いスープが、しみじみうまい。身体が温まります。
その日の夕方、カザから南東に離れた山中にある村、デムルの郊外で、雪豹が村の家畜の羊を殺した、という報せが届きました。翌朝、現地の友人が運転する車に乗せてもらって、僕はデムルに向かいました。