
絶滅が危惧される野生動物、雪豹の姿を追い求めた日々

みなさんは、雪豹という動物をご存じでしょうか。ヒマラヤ山脈やチベット高原など、主に標高3000メートル以上の山岳地帯に生息している大型肉食獣です。
その生息数は、全世界でも8000頭未満と非常に少なく、IUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種レッドリストでは、VU(Vulnerable、危急種)に指定されています。険しい高山に生息していることもあって、その生態には謎が多く、野生の状態では目撃することすら困難な動物です。

僕、山本高樹は、野生の雪豹の姿を自らの目で目撃し、写真に記録するとともに、彼らの生きざまを可能なかぎり知ることができたらと思い、2024年の1月から3月にかけて、インド北部の山岳地帯、スピティに滞在しました。
標高4200メートルに達する極寒の高地でひと冬を過ごす中で、僕が目にしたのは、雪豹をはじめとする野生動物たちの生命力に満ちあふれた姿と、時に容赦のない命と命のやりとり。そして彼らのすぐそばで、大いなる自然への畏敬の念とともに厳しい冬の日々を過ごす、スピティの人々の屈託のない笑顔でした。

この冬のスピティでの経験を、僕は『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』という本にまとめました。この本には、旅の日々を綴った文章とともに、自身で撮影した雪豹をはじめとする野生動物やスピティの人々のカラー写真が、豊富に収録されています。
書店で見かける機会がありましたら、手に取ってみていただけるとうれしいです。
『BE-PAL.NET』では、この『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』の取材時のエピソードを、本には未収録の写真も交えながら、短期連載「雪豹に会いに、インド・スピティへ」という形でお届けしていきます。
野生の雪豹たちのあるがままの姿に、ご期待ください。
『雪豹の大地 スピティ、冬に生きる』
文・写真:山本高樹
価格:本体2200円+税
発行:雷鳥社
A5変形判 256ページ(カラー84ページ)