北海道犬連れキャンプ旅・後編〜目的地は白樺林のキャンプ場【災害救助 犬コアと家族の 日記 Vol.22】
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    2024.11.21

    北海道犬連れキャンプ旅・後編〜目的地は白樺林のキャンプ場【災害救助 犬コアと家族の 日記 Vol.22】

    北海道犬連れキャンプ旅・後編〜目的地は白樺林のキャンプ場【災害救助 犬コアと家族の 日記 Vol.22】
    まだ幼い頃から救助犬としてがんばってきたコア。時には、旅の予定を返上して捜索に向かったこともありました。そんなコアが元気なうちに一緒に大冒険をしたくて出かけた北海道のキャンプ旅。

    前編は友人や犬たちとグルキャンを楽しみましたが、後編はコアとふたりきり。石狩山地の南端部、ナイタイ山の山麓にあるナイタイ高原牧場をスタート地点に、120キロほど南下。

    7ヘクタールの白樺林の中にあるキャンプ場インカルシペ白樺を目指します。

    北海道の広大さを感じながらコアとふたりの旅がスタート

    スタート地点となったナイタイ高原牧場は、上士幌町(かみしほろちょう)ナイタイ山麓にある日本一広い公共牧場。「ナイタイ」はアイヌ語で奥深い沢という意味だそうです。

    入口ゲートから、標高800メートルもの高さの場所にあるナイタイテラス(展望台)までは、なんと7キロもの距離を車で駆け上ることに。その道中は 360度どこを見ても大草原の絶景で、時々のんびりと草を食む牛たちの姿を見ることも。

    「あー、北海道に来た!!」と思わせてくれる景色です。

    見渡すかぎりの大草原でのんびり草を食む牛たち

    見渡すかぎりの大草原でのんびり草を食む牛たち。

    ナイタイテラスの手前にある広い駐車場に車を停めると、道中ずっと大草原を眺めていたコアはお散歩に行きたくてうずうず。

    まずはきれいな草原の広場をお散歩することに。爽やかな風が吹きわたる十勝平野を見渡せる広場を歩くのはとても気持ち良くて、コアもごきげんで、どこまででも一緒に歩いていきたくなりました。

    十勝平野を見渡せる美しい広場をお散歩できます。

    十勝平野を見渡せる美しい広場をお散歩できます。

    お散歩の後は展望カフェへ。ここのお食事やソフトクリームはとても美味しいと聞いていたので、朝食を食べずにお腹ぺこぺこでやってきていたのです。

    コアにはいったん車で待ってもらって、食事のオーダーをしに店内に入ると、一面ガラス張りの店内からの景色にうっとり。大きな窓の前にはテーブルとイスがあり、景色を眺めながら食事が楽しめるようになっています。

    私は犬連れなので、オーダーを済ませたら、コアを連れて展望テラスへ。 展望テラスのテーブル席も景色が良くて気持ち良く、ナイタイ和牛のハンバーガーとソフトクリームをとても美味しくいただきました。

    ソフトクリームは「しろ(バニラ)」、「くろ(チョコレート)」、そして「うし(ミックス)」があります。「うし」というネーミングが牧場らしくてかわいらしいです。

    ナイタイ和牛のハンバーガーに釘付けのコア。

    「映える」フォトスポットもありました。

    ナイタイ高原牧場
    河東郡上士幌町字上音更 128-5
    https://karch.jp/naitai.php

    朝ドラ『なつぞら』のふるさと十勝で、ちょっぴり笑える勘違い

    ナイタイ高原牧場でまったりした時間を過ごした後は車で30 分ほど南下して、白樺並木で有名な十勝牧場に到着。駐車場に車を停めたら、さっそく白樺並木のまわりを散策。

    柵の外から眺めることができた馬たちは、やさしげな瞳と対照的に、筋肉が張り出していてとても力強さもあり、見惚れてしまいます。

    白樺並木が有名な十勝牧場。

    白樺並木が有名です。訪れた10月初旬は少し葉が黄色く染まりかけていました。

    柵の外から馬たちの勇壮な姿を眺めることもできました

    柵の外から馬たちの勇壮な姿を眺めることもできました(望遠レンズで撮影しています)。

    十勝牧場の近くにある道の駅おとふけにドッグランがあるというので立ち寄りました。残念ながらドッグランは混みあっていたので入るのはやめて、少し散策することにしました。

    コアと歩いていると、道の駅の端の方に趣のある和菓子屋さんがあり、ショーケースの中にコアの大好きな焼きだんごが並んでいるのが見えました。

    店員さんに「おだんごください」と声をかけたら、「ごめんなさい、セットだから売れないんです」との答え。え?すごく美味しそうなのだけれど、おはぎやお饅頭とセットで売られているの? と考え込んでいたら、「セットなので、わんちゃんもどうぞ一緒にお店に入っていいですよ」と声をかけられました。

    ようやくこのお店が丸ごと、NHKの朝ドラ『なつぞら』に出てきた和菓子屋「雪月」のセットであることに気づきました。

    自分の勘違いが恥ずかしくて笑っていると、お店の方が「よく間違えて和菓子を買いに来るお客さまがいらっしゃいますよ。おはぎくださいとか、ね」と、やさしくフォローしてくれました。

    『なつぞら』のドラマセット。

    本物の和菓子屋さんと間違えてしまった『なつぞら』のドラマセット。

    道の駅おとふけ。

    道の駅おとふけ。地元のおいしいものがたくさん、新しくてとてもきれいでした。

    道の駅おとふけ なつぞらのふる里
    住所:河東郡音更町なつぞら 2 番地
    電話:0155-65-0822
    https://michinoeki-otofuke.jp

    幸福をねがって毎回訪れる駅

    道の駅おとふけから30 キロほど南下すると、幸福駅があります。 幸福駅は旧国鉄広尾線に1956年に開設し、1987年に廃止となった駅。駅前には売店があり、当日の日付入りの切符を購入することができます。

    私は先代犬も含めて犬連れで3回北海道に来ていますが、毎回ここで愛犬の幸福を願って「愛国から幸福ゆき」の日付入り切符を購入しています。今回、アルバムにまた1枚、幸福ゆきの切符が増えました。

    幸福駅で車掌さんの帽子を借りて記念撮影。

    幸福駅で車掌さんの帽子を借りて記念撮影。線路側には電車も停留しています。

    幸福駅
    北海道帯広市幸福町東 1 線

    幸福駅から7キロほど走ると、道の駅なかさつないがあります。 ここでは地元の美味しい野菜、中札内(なかさつない)村名物の鶏を骨ごと揚げた田舎揚げ、十勝野フロマージュのジェラートと、美味しいものがたくさん並んでいます。私は今晩の夕ご飯用に田舎揚げや野菜を買いました。

    近くにはバターサンドで有名な六花亭のガーデン「六花の森」や中札内美術村があって一度行ってみたいのですが、残念ながら犬が入れないのでまたの機会に。

    でも、帯広近辺には人気のガーデンがたくさんあり、十勝千年の森や紫竹ガーデン、真鍋庭園などは犬も一緒に入園することができるので、先代犬Rookieとは入園してお散歩しました。

    中札内は鶏肉が有名。田舎揚げはいろいろな部位が入っていて、骨ごと揚げています。

    チーズで有名な十勝野フロマージュのカマンベールのジェラート。コアにも少しおすそ分けしましたがとっても美味しかったようです。

    道の駅なかさつない
    住所:河西郡中札内村大通南7-14
    電話:0155-67-2811
    https://michinoeki-nakasatsunai.jp

    インカルシペ白樺に到着! 7ヘクタールの白樺林をひとりじめ

    道の駅なかさつないから30分ほどで、今日のキャンプ地、7 ヘクタールの白樺林にあるインカルシペ白樺に到着です。

    チェックイン時にオーナーさんから「今日から2泊、ほかにお客様がいないので、わんちゃんも敷地内で自由にしてもらって大丈夫ですよ。」とありがたいお言葉をいただきました。

    受付は自然に溶け込む外観のセンターハウスで。

    ここは2012年に先代犬 Rookie とも過ごしたした思い出のたくさんつまったキャンプ場です。当時、 お世話になったオーナー夫妻はもう引退なさって、今は娘さん夫婦が運営しています。

    「インカル シペ」とはアイヌ語で「小さな丘の眺望のきくところ」という意味だそうです。 世代が変わっても、広く美しい白樺林、趣のあるセンターハウスやコテージ、ほっとする親切な対応は変わりません。

    オーナーさんがいれてくれた、摘み立てのフレッシュハーブティーをいただきながら、昔話にも花が咲きました。

    ほっとひと息ついた後、コアと白樺林の中を少しお散歩してから、ぱぱっとテントを設営。道の駅なかさつないで 購入した田舎揚げと野菜を、スライスしたパンにはさんだ簡単夕ご飯を食べました。この日は移動も多く疲れたので早寝することにしました。おやすみなさい。

    ドライのハーブティーはよくあるけれど、摘みたてのフレッシュなハーブティーはうれしい!

    12 年前、先代 Rookie とキャンプした時の思い出の写真。Rookie、かわいかったな。

    美しい白樺の森でのびのび気持ちよさそうに走るコア。

    今回の北海道でのテントは全日「ホーボーズネスト 2.0」にしました。設営撤収が身長 150cm の私一人でもあっという間にできて、雨や風にもタフで、大自然に馴染むカラーリング。大人ひとり、 大型犬一頭にちょうどよいサイズです。

    2 泊目は森にたたずむコテージで

    翌早朝、鳥の鳴き声や野生動物が動いている音で目をさましました。夜にはシカの鳴き声が聞こえました。

    コアはそういった気配があまり気にならないようで、少し耳を立てて確認すると、再びすぅすぅ眠っていました。今日は午後から小雨のぱらつく天気予報なので、コテージを予約してみました。

    雨が降る前にとテントを片づけている間も、オーナーさんにコテージの案内をしてもらっている間も、コアは白樺林でゆったりと寛いでいます。

    気持ちよさそうなコア。こんな森の中で暮らせたら…と、妄想がふくらみます。

    お昼前に、インカルシペ白樺から車で10分ほど、大樹町にある半田ファームに買い出しにでかけました。ここは北海道開拓時代に始まり、以来4 世代にわたり酪農を営んでいるという歴史ある牧場。

    乳牛をできるだけ自由にしてあげたいという気持ちからつなぎ飼いでなく、フリーストールバーンという牛を自由に動き回れる方式をいち早く取り入れたそうです。

    そんな半田ファームのスタッフのみなさんは大の犬好き。中でも大きな犬が大好きだそうで、そういえば2012年に先代犬と訪れた時はセントバーナードが敷地内で自由にのんびり暮らしていました。

    今は犬がいないとのことで、コアは スタッフさん達に大歓迎を受けて、ソフトクリームを少しご馳走になっていました。ここで今日のランチと 明日の朝食用にヨーグルトやチーズを買いました。

    半田ファームのショップはログハウス風に建物の2階にあります。

    半田ファームのショップはログハウス風に建物の2階にあります。以前、訪れた時は看板犬のセントバーナードが階段の前でごろりとお昼寝していました。

    お店の前にはロバさん。どこかでロバは犬に攻撃的と読んだことがあり注意していましたが、この子たちは犬に馴れているのか、穏やかにコアを迎えてくれました。

    半田ファームのヨーグルトとチーズ。コアとシェアするのでヨーグルトは無糖のものを選びました。

    半田ファーム
    住所:広尾郡大樹町下大樹 198 番地
    電話:01558-6-3182
    https://handa-farm.com

    森の中のコテージでしあわせタイム 

    わたしとコアの旅はほとんどがキャンプか車中泊ですが、コアもシニアになって疲れやすくなってきたこともあり、今回のように長期間の旅、それも雨が予想されるときは、コテージに泊まっています。

    森の中のコテージは絵本の世界のようです。

    案内されたコテージは窓が大きくて中にいても、まるで森の中にいるようでした。キッチン、シャワー、冷蔵庫、コンロ、トイレ等も完備されていています。

    コアが外に出たいそぶりを見せたら、コテージから一緒に森に出て散策したり、テラスに出て野鳥を観察したり、穏やかに過ごすことができました。

    白樺の森は時間とともに光の入り方が変わり、朝はきらきらと木漏れ日が差し込み、日が傾くころには開けた場所より先に暗くなります。

    早朝や暗くなってからはキツネやシカの姿も見られました。以前、6 月にキャンプした時にはアカゲラ(キツツキの仲間)の独特なドラミング(繁殖期に縄張りを主張して木を高速で突っつく)の音が心地よく鳴り響いていました。

    コテージに戻り、暖かいお茶を淹れて、傍らで眠るコアを撫でながら静謐な白樺林を眺めていると、日頃の心の澱が全部きれいに流されていくようでした。

    オーナーさんがお散歩中に見つけた「さるなし」と、地元のお野菜で作ったポテトサラダを 持ってきてくれました。半田ファームのヨーグルトとチーズをブレッドに添えて、ランチタイム。さるなしは甘酸っぱくて、キウイのようで美味しかったです。

    コテージの中から眺める白樺林にうっとり。

    翌朝10時少し前に、荷物を車に全部積み込んでチェックアウト。コアに「もう行くよ」と声をかけると、「もう少しここにいたいよ」というそぶりを見せました。

    うん、私もそうしたいのだけど、もう行かなくちゃ。今回は 2 泊でしたが、長期滞在して、スケッチしたり農業体験をしたりして過ごしてみたいなと思いました。

    インカルシペ白樺
    住所:北海道大樹町萠和 106-1
    電話:01558-6-3824
    https://incalshipe.jimdofree.com

    ※事前申し込みで白樺樹液の採取や薪割り体験や農業体験、五右衛門風呂、サウナなどを楽しむこともできます。

    大自然、ゆったりと満喫しました!

    大自然を満喫したキャンプ旅の終わりに

    十勝、帯広では北海道らしい広大な草原、新鮮な乳製品や野菜、泉質もさまざまな温泉と大地の 恵みをいっぱい感じることができました。コアものびのびと北海道の大自然を楽しめたようです。

    犬との旅やキャンプは、犬が入れない場所があったり、人が楽しめても犬が楽しめない場所があったりと、人間だけの旅と違って、できないことや制約もあります。

    でも犬と一緒だからこそ、気づけることや楽しいことはたくさんあります。私はコアとふたりで自然の中を歩いている時がいちばん楽しい。犬がいなかったらこの道を歩かなかったな、この景色に出会えなかったなと思うこともよくあります。

    いっぱい一緒に旅をして、コミュニケーションを深め、おたがいに一 緒にいることが嬉しい相棒になれたら最高ですね。

    まだまだ行きたい場所はたくさん。またコアと大冒険に出てみたいと思います。

    かとう まさみさん

    救助犬ハンドラー

    子供の頃から動物とアウトドアが大好き。ロサンゼルスのアニマル・シェルターでボランティア・スタッフをしながら犬のことを学ぶ。コアとお互いに良いバディでありたいと日々奮闘中。

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