野生のジャコウウシに遭遇できる!? ノルウェーのツンドラに広がる「マスコックス・トレイル」を歩いた
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    2024.09.28

    野生のジャコウウシに遭遇できる!? ノルウェーのツンドラに広がる「マスコックス・トレイル」を歩いた

    野生のジャコウウシに遭遇できる!? ノルウェーのツンドラに広がる「マスコックス・トレイル」を歩いた
    山、湖、森にフィヨルドと、壮大な自然が広がる北欧のノルウェー。北極圏に位置することから、この地域にしか生息しない珍しい動物たちにも遭遇できるかもしれない、魅力がたくさん詰まった場所です。

    キャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊している私たち夫婦も、ヨーロッパで唯一、野生のマスコックスが生息するドブレフエル国立公園にある「マスコックス・トレイル」をハイキングしてみました。

    遭遇率が高いといわれるトレイルで、野生のマスコックスに出会うことはできたのでしょうか?

    氷河期から生息する動物「マスコックス」とは?

    「Musk ox(マスコックス)」はオスで体長180〜245cm、体重450kgにまでなるウシ科の哺乳類で、日本では「ジャコウウシ」と呼ばれています。ノルウェーでは、約3万年前の化石のなかにも確認され、マンモスと同時期から地球上に生息していた動物として知られています。

    大きな体とモフモフした毛は極寒地で生き抜くのに適しており、現在ではノルウェー、カナダ、グリーンランドなどの極北地区に野生のマスコックスが生息しているようです。

    動物を紹介する案内板

    今回私たちが歩いた「Musk Ox Trail(マスコックス・トレイル)」の道中にある案内板には、このエリアに生息するマスコックスなど、野生動物たちの豆知識が書かれています。

    野生のマスコックスと遭遇できるかもしれないノルウェーの「ドブレフエル国立公園」

    ドブレフエル国立公園

    ノルウェーならではの広大な自然のなかにあるドブレフエル国立公園。

    マスコックス・トレイルがある「Dovrefjell-Sunndalsfjella National Park(ドブレフエル国立公園)」は、数あるヨーロッパの国立公園のなかでも、野生のマスコックスを見ることができる希少な場所です。

    首都のオスロから車で約350kmの距離にあるこの国立公園は面積1,693km²もある広大な自然が広がっており、そのなかには約200頭もの野生のマスコックスが生息しているそうです。ほかにも、トナカイや北極ギツネ、ムース(ヘラジカ)など多数の野生動物が生息しており、公園内をハイキングしながら散策し、動物や植物、景色を楽しむことができます。

    壮大な草原が広がるマスコックス・トレイルをハイキング

    マスコックス・トレイルの風景

    広大な草原を歩くハイキングコース周辺は絶景だらけです。

    このエリアには、私たちが歩いたマスコックス・トレイルなど、全長4.5〜15kmの複数のルートがあります。

    マスコックス・トレイルの標識

    多数のルートのなかから「マスコックス・トレイル」を歩きました。

    マスコックス・トレイルは、このエリアのルートで最長となる約15kmの周回コースです。標高差があまりなく、ゆるやかで平坦な草原を歩くので、ハイキング初心者でも簡単に楽しめます。

    マスコックストレイルのルートマップ

    西側は古くからある巡礼道のようで、そちら側にマスコックスは現われず、東側でよく見かけられるようです。

    スタートはドブレフエル国立公園の入り口にある「Hierkinn(ヒエルキン)」という小さな街から、E6道路を進んで車で8分ほどの距離に位置する駐車場から。今回のルートはE6道路を間に挟むように周回するコースです。コングスヴォール駅の南側に急斜面があります。この坂を避けるために時計回りで歩くことをすすめます。

    双眼鏡でのぞく

    離れた場所からでもバッチリ見えるように双眼鏡は必須。

    マスコックストレイルの景色

    遠くまで眺められる絶景スポットだらけ。

    歩き始めると早々に開放感たっぷりの雄大な草原が目の前に現われます。遠くまで見渡せるので双眼鏡は必須!よーく周りを観察しながらゆっくりと歩きます。

    道中はしっかり整備されていて、わかりやすい標識やインフォメーション案内などもあります。公園内の植物や動物などの説明が詳しく書いた案内板もあるので、学びながら楽しく進むことができます。

    苔が広がる大地

    この地域に生育されている白い苔はフワフワで、まるで雲の絨毯のようです。

    この地域一帯は「ツンドラ」と呼ばれ、一年のほとんどは地面が凍結しています。夏の間、表面だけが溶けて湿地帯のようになりますが、その下は永久凍土だそうです。この環境の影響で木は生えず、苔が生育されやすくなり「レインディアモス」と呼ばれる白いフワフワした苔が一帯に広がっています。

    道中にある湖

    動物に遭遇できなくても、美しい景色に癒されます。

    歩きやすい道なのでサクサク進み、15kmのコースを4時間ほどで歩き終えましたが、残念ながらマスコックスには出会えませんでした。

    ほかにも多くの動物に出会えるチャンスが

    放牧されている羊

    ハイキングしながら、首につけた鈴を「チリンチリン」と鳴らす、放牧された羊たちをたくさん見ることができました。

    公園内には、ほかにも多数の動物が生息していて、運が良ければ見ることができます。しかし、彼らの縄張りにいることを忘れずに、遠くからそっと観察するようにすることが大事です。

    ◎マスコックス・トレイルを歩くときの注意

    • トナカイに遭遇したら1km以上の距離を保ちましょう。
    • 北極ギツネは300m以上の距離を保ち、巣穴には触れないようにしましょう。
    • マスコックスは体重が450kgにまでなり、最大時速60kmで走ることが可能なので200m以上距離を保ちましょう。

    今回は不運にもマスコックスには出会えませんでしたが、放牧されている馬や羊をたくさん見られたり、ムースの群れにも遭遇することができ、とても貴重なハイキングとなりました。

    確実に野生のマスコックスを見たいならガイドツアーがおすすめ

    残念ながら私たちは野生のマスコックスに遭遇できませんでしたが、確実に見たいならガイド付きの「サファリグループツアー」がおすすめです。この地域の動物や植物を知り尽くしたガイドの誘導で、マスコックスを探しながら歩くので、99%の確率で出会うことができるそうです。

    野生の動物を観察しながらノルウェーの大自然を堪能!

    ノルウェーのハイキングルート

    のどかな平原を歩く気持ちの良いハイキングコースです。

    今回は待望のマスコックスに出会うことはできませんでしたが、ほかの日にハイキングをした人たちの多くは、「見られた!」とコメントしていたので、遭遇率はわりと高く、私たちがついていなかっただけなのかもしれません。

    ですが、ゆっくりと歩きながら、ほかの野生動物や植物を観察したり、美しい景色を見たることができ、とても充実したハイキングとなりました。機会があればぜひ、雄大なマスコックス・トレイルをハイキングしてみてください。

    私が書きました!
    トラベルライター
    ルアナ
    2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。Instagram:https://www.instagram.com/doisdenos_lu_tani

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