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    2018.07.04 ラオス山本高樹

    ラオスの旅9

    僕がラオスの北部で訪れたアカ族の村々には、村の入口に木材を組み合わせて作った門のようなものが置かれていました。ガイドによると、これは魔除けの一種なのだそうです。かたわらにはたいてい、2つの木の股を組み合わせて男女に見立てたものが置かれています。

    この日の夜に一泊させてもらう村、ナムデート・マイに到着しました。これまで訪れた中では一番規模の大きな集落です。初めて来たのに、どこかしら懐かしさを感じさせる佇まいです。

    高床式の家の軒下で、足踏み式の杵で脱穀作業をしている女性。どこの村でも、女性は働き者です。それに対して、男はたいてい、ビールを飲んでいます(笑)

    この子たちがかじっているのは、もちろんアイスキャンデーなどではなく、大根です。ワイルドですね(笑)

    僕のカメラに対する警戒心が解けて、慣れてきた子供たちが、お気に入りのおもちゃをふりかざして「これを撮って! あれも撮って!」と襲いかかってきました(笑)

    この日の夜は、ナムデート・マイの村の上手の方にあるあずまやに、ガイドと一緒に泊めてもらえることになりました。荷物を置いて部屋の外に出ると、燃え尽きる寸前の線香花火のような夕陽が、西の山の向こうに滴り落ちていくのが見えました。

    あずまやのあたりにぶらぶらとやってきた、アカ族の女の子。柔らかな夕陽の光の中で、1枚撮らせてもらいました。

    泊めてくれた家の人が作ってくれた、僕とガイドの晩ごはん。大根、菜っ葉、鶏肉、それから山盛りの白米。あっさりしていて、とてもうまかったです。

    夜になると、盛装姿のアカ族の女の子たちが4人やってきて、音楽に合わせてダンスを披露してくれました。トレッキングでのこの村での滞在には、ダンス見学が含まれているのだそうです(実はまったく知りませんでした)。彼女たちが照れかくしにお互いあーだこーだおしゃべりしながら(笑)ダンスを見せてくれている様子を、動画で撮影させてもらいました。

    彼女たちが披露してくれたダンスの曲は、いずれもアカ族の言葉で歌われている曲なのですが、同じアカ族でも、中国側で暮らすアカ族の人々によって作られた歌謡曲なのだそうです。国境を超えてつながっている少数民族の人々の思いを、ちらりと見せてもらえた気がしました。

    ——

    ◎文/写真=山本高樹 Takaki Yamamoto
    著述家・編集者・写真家。インド北部のラダック地方の取材がライフワーク。著書『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)『ラダック ザンスカール スピティ 北インドのリトル・チベット[増補改訂版]』ほか多数。
    http://ymtk.jp/ladakh/

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