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最強の冬用シュラフの選び方
押さえておきたい冬用シュラフの選び方
冬キャンプに対応できるシュラフのポイント
寝袋を選ぶ際は、温度域に注目しよう。たいていの寝袋には、快適使用温度・使用可能温度・限界温度の3つが書かれている。
それぞれの温度域の詳細は、以下の通りだ。
快適使用温度:一般的な成人女性が、寒さを感じず快適に寝られる温度域
使用可能温度:一般的な成人男性が、寝袋の中で丸くなって8時間寝られる温度域
限界温度:一般的な成人女性が、寝袋の中で膝を抱えて丸くなった状態で6時間耐えられる温度域。低体温症の危険あり。
※上記の定義はEU諸国の統一規格で、ナンガやモンベルなどの大手メーカーが採用している。
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ダウンと化学繊維の特徴
寝袋は中身についても知っておきたい。なぜならば、化繊とダウンで特徴が大きく変わるからだ。それぞれの特徴を紹介するので参考にしてみよう。
ダウン
ダウンの良さは、なんといっても暖かいのに軽く、コンパクトに畳めること。天然素材のこの素晴らしい特性は、いまだ化学繊維で実現できていない。ただしダウンは濡れてしまうと一気にその素晴らしい機能を失い、寝袋としての仕事をしてくれなくなってしまう。もちろんそれを補う防水透湿などの付加価値を付けた寝袋の理想型ともいうべきものもあるが、値段がかなりしてしまう…。
化学繊維
ダウンのデメリットである「濡れに弱い」を大幅に改善した化学繊維でつくられた寝袋。素材によっては、中綿の化学繊維が濡れてしまっても寝袋としての機能を保ち、かつ乾きが早い特徴を持つものがある。そして価格もダウン製品と比べて安いというのがありがたい。ただし、この素晴らしい機能を持つ一方ダウンよりも重く、収納サイズが大きくなってしまう。昨今は、値は張るもののコンパクト性と軽さを求めた製品も出始め、今後の製品に期待をしたいジャンルでもある。

写真上:ダウン 写真下:化繊 ほぼ同じ保温力を持った寝袋を既存の収納袋に入れた状態。大きさには差がある。
▼参考記事
暖かいダウン素材の冬用シュラフおすすめ9選
適応温度-20度C~1度Cの冬用モデルをピックアップ
まずは登山、キャンプ、車中泊など、用途をある程度絞り込む。あとは、少々高価でも軽くて収納性に優れたダウンか、リーズナブルで濡れても保温性が低下しない化繊綿かの、どちらかを選ぶ。以下、2,000m程度までの高所からキャンプ場でのテント泊を想定し、適応温度が-20度C~1度Cのモデルをピックアップした。
※記事中の「FP(フィルパワー)」とは、ダウンの品質基準の一種で、数値が大きいほど良質であることを示す。
※適応温度について──「ヨーロピアン・ノーム」という温度規格を採用したモデルについては同規格の「LIMIT(下限温度)」を適応温度として表示した。
ブランド・商品 | 画像 | 販売サイト | 詳細情報 | ||
---|---|---|---|---|---|
適応温度 | FP | 価格 | |||
THERMAREST(サーマレスト) ポーラーレンジャー -30℃ | ![]() | -20度C | 800 | ¥115,500 | |
NANGA(ナンガ) オーロラテックス ライト900DX | ![]() | -19度C | 760 | ¥74,800 | |
NANGA(ナンガ) UDD BAG 630DX(レギュラー) | ![]() | -10度C | 770 | ¥66,000 | |
mont-bell(モンベル) ドライ シームレス ダウンハガー900 #1 | ![]() | -3度C | 900 | ¥69,850 | |
Snow Peak(スノーピーク) バクー BACOO 550 | ![]() | -7度C | 800 | ¥57,200 | |
ISUKA(イスカ) エアドライト 480 | ![]() | -6度C | 770 | ¥44,550 | |
ウエスタンマウンテニアリング フライライト | ![]() | 1度C | 850 | ¥75,240 | |
BROOKLYN OUTDOOR COMPANY The Catskills Peak+ Sleeping Bag 800FP / 600g | ![]() | -3度C | 800 | ¥33,980 | |
muraco(ムラコ) POLAR 750 | ![]() | -3度C | 800 | ¥68,200 | |
THERMAREST(サーマレスト) ポーラーレンジャー -30℃
極地探検家のために開発された撥水ダウン採用モデル。本当に無茶苦茶暖かい!足もとを素早く温めるフットボックスを内蔵。(FP値 800FP、適応温度 -20度C) 適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで 収納サイズ:22×25cm 本体重量/中綿量:1,477g/965g 適応温度以外の公表温度域データ:限界温度/-30度C
両サイドの開口部は温度調節だけでなく、寝袋に入ったまま両手での作業を可能に。
潜望鏡のような開口部は呼気による凍結を防ぐデザインで、ここにだけ化繊綿を採用。
背面には、マットからの”転落事故”を防ぐ、マット固定用伸縮ストラップ付き。
NANGA(ナンガ) オーロラテックス ライト900DX
ボックス構造に、蓄熱・保温効果の高いチタンを特殊加工した素材を使用。厳冬期の高所登山にも対応するモデル。(FP値 760FP、適応温度 -19度C) 適応身長、または寝袋サイズ:身長178cmまで 収納サイズ:21×41cm 本体重量/中綿量:1,400g/900g 適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-10度C
NANGA(ナンガ) UDD BAG 630DX(レギュラー)
ダウンに超撥水加工が施され、結露などによる水濡れに強いのが特徴。広げると素早く膨らみ、寝床の準備もアッという間。(FP値 770FP、適応温度 -10度C) 適応身長、または寝袋サイズ:身長178cmまで 収納サイズ:17×31cm 本体重量/中綿量:1,045g/630g 適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-5度C
mont-bell(モンベル) ドライ シームレス ダウンハガー900 #1
「スパイダーヤーン」という特殊な糸を張りめぐらすことでダウンの偏りを防ぐ革新的な構造を採用。ストレッチ性もあり寝心地は良好。(FP値 900FP) 適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで 収納サイズ:直径16×32cm 本体重量/中綿量:864g/非公開 適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-3度C、限界温度/-9度C
Snow Peak(スノーピーク) バクー BACOO 550
テントの結露に触れやすい外周部分に透湿防水素材が使われ、ダウンを水濡れから守る構造。内側には小物を入れておけるポケットが付く。(FP値 800FP、適応温度 -7度C) 適応身長、または寝袋サイズ:身長180cm程度まで 収納サイズ:21×34cm 本体重量/中綿量:1,120g/550g 適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/-1度C、限界温度/-7度C
ISUKA (イスカ) エアドライト480
春から秋、冬の低山にも対応する応用範囲の広いドライトの3シーズンモデル。首元に当たる部分を膨らませたショルダーウォーマーや、ジッパーの裏側にダウンが入ったドラフトチューブなど、寒さ対策を徹底。
春から秋の低山での使用を想定したモデル。手持ちの寝袋と2枚重ねにするなど、工夫次第で冬でも平地でのキャンプ場泊に対応可能。
770FPの撥水ダウンを480g封入。首から胸にかけて縦に配置したセパレートボックスにより保温性を高めている。首回りにはU字型のショルダーウォーマーを配し冷気をしっかり遮断、保温効果を高めている。(FP値 770FP、適応温度 -6度C)
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ウエスタンマウンテニアリング フライライト
ボックス構造の寝袋で世界最軽量のモデル。単独では春~秋のテント泊に、冬は手持ちの3シーズン用と重ね使いするなど使い回しがきく。(FP値 850、適応温度 1度C) 適応身長、または寝袋サイズ:56(身長165cm以下)、60(身長180cm以下)、66(身長200cm以下) 収納サイズ:13×25cm 本体重量/中綿量:405g/217g(サイズ60の数値) 適応温度以外の公表温度域データ:使用温度域/2度C
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BROOKLYN OUTDOOR COMPANY The Catskills Peak+ Sleeping Bag 800FP / 600g
最高品質の800FPホワイトダックダウンを90%以上封入。この寝袋に採用されたダウンは、ダックダウンの中でも圧倒的に匂いの少ない最高級ホワイトダックダウン。また、防水性、透湿性を確保した生地を採用することで、僅かな匂いも抑えられている。 サイズ:約215×85cm 適応身長:身長180-185cm前後まで 本体重量/中綿量:1,070g/600g 適応温度以外の公表温度域データ:下限温度/-9度C
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muraco(ムラコ) ポーラー 750
保温性に優れた高品質シュラフ。国際認証を受けたグレーグースダウンを750g使用。ずれの少ないボックスキルト機構など、細部まで丁寧に作られている。冬期の山岳や、冬のキャンプや車中泊に適した快適温度−3度C。
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コスパの高い化繊素材の冬用シュラフおすすめ3選
シンセティック(化学繊維)は、ダウンよりかさばるが、濡れても保温性が低下することなく、圧倒的にリーズナブルなのが特徴。家族分を揃えたり、荷物量を気にせず運べるオートキャンプ派にお薦めだ。
※適応温度について──「ヨーロピアン・ノーム」という温度規格を採用したモデルについては同規格の「LIMIT(下限温度)」を適応温度として表示した。
Snugpak(スナグパック) ソフティー エリート5 レフトジップ
縮毛加工した超極細ポリエステル繊維を使い、ダウンに限りなく近い保温性を実現した独自開発の中綿「ソフティー」を採用したモデル。(適応温度 -15度C) 適応身長、または寝袋サイズ:身長205cmまで 収納サイズ:26×42cm 本体重量/中綿量:2,400g/非公開
SEA TO SUMMIT(シー トゥ サミット) トレイルヘッドThⅢ
ウェーブ状中綿を2層に重ね、その間に暖気を保持する独自の「ウェーブロフト」構造を採用。ジッパーを全開すればブランケットにも。(適応温度 -7度C) 適応身長、または寝袋サイズ:身長183cmまで 収納サイズ:21×40cm 本体重量/中綿量:1,370g/非公開 適応温度以外の公表温度域データ:快適温度/5-1度C、限界温度/-24度C
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Snugpak(スナグパック) スリーパーエクストリーム マミー ライトジップ
秋冬2シーズン対応の寝袋「スリーパーエクストリーム」を全面的に改良したモデルだ。 使用時サイズ:縦(長さ)220×横(周囲)160cm 収納時サイズ:直径26×長さ43cm 重量:2,100g 快適使用温度:-7度C 下限使用温度:-12度C

日本では多く採用されているライトジップタイプ。
日本の寝袋で最も採用されているライトジップは、慣れ親しんだジッパータイプなので、眠りにつく前や眠りから覚めたばかりで意識や感覚がぼんやりしているときでも迷わず操作することができる。
今まで使用していた寝袋、春夏に使用している寝袋とジッパーの向きを揃えられるのはうれしい。
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アウトドアショップの名物スタッフが選ぶ!快適温度1度C以下のおすすめ冬用シュラフ4選
吉野さんが選んだシュラフの中から、快適温度1度C以下のモデルを紹介。
ISUKA(イスカ) エアドライト670
使用サイズ:約80×213cm 収納サイズ:約20×34cm 重量:約1,070g 中綿素材:ダウン 下限温度:-15度C
770FPの撥水ダウンをたっぷり封入した秋冬モデル。従来の強度を保ちつつ、ダウンが見えるほど薄い生地の開発に成功。定番の台形ボックス形状で保温性も申し分なし。
内側にU字型のショルダーウォーマーを配し、冷気をしっかり遮断。
THERMAREST(サーマレスト) ハイペリオン -6℃
撥水加工を施した900FPのダウンを封入し、吸水しても乾燥が早い。裏側にはマットレスをくっつけられるループを設け、動いてもズレにくい。 収納サイズ:約15×20cm 重量:約577g 適応身長:183cm 中綿素材:ダウン 快適温度:0度C
NANGA(ナンガ) エコバッグ350
収納サイズ:約13×25cm 中綿素材:ダウン
回収して再洗浄したリサイクルダウンを使用した環境配慮型モデル。上面と下面で異なったボックス構造にすることで、体のパーツごとに最適な量が当たるように設計した。
「下面にプリマロフトエコがある」と吉野さん。濡れても影響が出にくい。
Snugpak (スナグパック) ソフティーエリート4 レフトジップ
エクスパンダ・パネルシステムを採用し、横幅を拡張できる寝袋。足元を折り返してフックで固定すれば子供サイズにも変身。中綿は体熱を反射し高い保温効果を発揮。快適温度はマイナス10℃、下限温度はマイナス15℃で3シーズン対応。
英国軍御用達のブランドから、厳冬期でも使える本格モデルが発売。保温性の高い中空の化繊を採用し、下限外気温度は-15度C。購入しやすい価格も魅力のひとつだ。
2列のファスナーを採用し、ぴったりにもゆったりにもできる。タイトめに締めると、寝袋内のコールドスポットが減り、保温性が向上。ゆったりめに締めると、身幅が広くなって寝返りが打ちやすくなる。
長さも調整可能。裾を折り返してフックを固定すればショートスタイルに変えることができる。身長の低い人が使うときにも、足先に余る空間(コールドスポット)を減らすことで、足からの冷えを防ぐ。
中綿は体熱を反射し高い保温効果を発揮。
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『BE-PAL』編集部員がおすすめ!ぽかぽか冬用シュラフ
軽トラに荷物をたっぷり詰めてフィールドに向かうビーパル編集者。たいていテント泊(たまに荷台泊)です。なお、真夏は化繊のシュラフ、もしくはトラベルシーツを使います。
朝までポカポカ!イスカ「ダウンプラス ポカラ X」
仕事にプライベートに、一年通じてテントで寝てばかりいる編集部早坂の愛用シュラフ、それがイスカ「ダウンプラス ポカラ X」。収納サイズはφ17×34cmほど。重さ約1,060gなので、バックパックに入れて持ち運べる。大きさは肩幅78cm、全長208cm。広々使え、窮屈さを感じることはない。
羽毛量は500gの720FP。メーカー公表値として-6度までの使用が可能。このダウンプラス ポカラ X、軽さや羽毛量以外にも特筆すべき機能がいくつかある。
上部にゆとりを持たせた3D構造
ダウンプラス ポカラ Xは上部にゆとりをもたせた立体的なつくり。ダウンの量をパーツごとに最適化することで、保温性と軽量性を両立させている。まるでふわっと包み込まれるような使い心地は、化繊にはない感覚。
首周りはドローコード付きなので、ぎゅっと閉めれば冷気が入ることも中の暖気が逃げることもない。秋冬は顔だけちょこんと出して寝ている。
マフラーのような「ショルダーウォーマー」機能
ダウンプラス ポカラ Xの首周りはチューブ状の「ショルダーウォーマー」になっており、首にほどよくフィットする。首元に段差があることで寝心地の良さと適度な温もりを得ることが可能。安いシュラフだとこのような付加機能はまずなく、使い勝手の良さに差がつくポイント。
ジッパーの動きがスムーズ!
寝袋に入ってさてお休み……というときに、線ファスナー(ジッパー)が噛んでしまってやり直し。結構、気持ちのダメージが大きいもの。もし壊れたら……冷気が入り込んでツラい。それゆえ線ファスナーはしっかりとしたものを選びたい。ダウンプラス ポカラ Xでは生地の噛み込みをしないよう、線ファスナーに工夫が施されている。また、上まで締めたらフラップを重ねることが可能。
なお、線ファスナーは反対側から開けることもできる。「ちょっと暑いかな」と思ったら線ファスナーを少し開けて、ベンチレーションのようにして空気を取り込む(暖気を逃がす)ことが可能だ。
ISUKA(イスカ) ダウンプラス ポカラ X
ダウンプラス ポカラ Xはダウンの量を足元に多くし、保温性を向上している。カタチはゆとりを持たせた逆台形形状で、ゆとりある仕様。随所に機能的なポイントがあるのがダウンプラス ポカラ Xの魅力。 最大長:肩幅78×全長208cm 収納サイズ:φ17×34cm 平均重量:1,060g 羽毛量:500g(720FP) 最低使用温度:-6度C
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アウトドアライターがおすすめする冬用シュラフ
独自の3D構造イスカ「エアプラス630」
冬キャンプに最適な、イスカのエア630EX(旧モデル。現在のエアプラス630に該当。)を紹介しよう。
イスカは、高品質なダウン製品を生産している国内メーカー。特にシュラフはイスカを代表する製品で、愛用者も多い。
エア630EXは、キャンプや登山に定番のエアシリーズの冬用モデルだ。使用温度の目安が-15度Cなので、雪上キャンプでも安心の暖かさ。
無駄なく保温する3D構造
エアシリーズのシュラフには、3D構造という独自のシルエットが採用されている。シュラフの上部に余裕をもたせた、かまぼこのような形のシルエットだ。
この形状は身体にフィットしやすいため、冷えの原因になる余計なすき間が生まれにくくなる。フードの部分もしっかりと立体裁断されており、圧迫感なく頭を保温してくれる。
エア630EXには、800FPの高品質ダウンがたっぷりと630g使用されている。また、3D構造に合わせて、封入するダウンの量も最適化されている。シュラフの上部はかさ高く、底部は低めにすることで、無駄なく保温性を高めている。また、冷えやすい足元にも多めにダウンを入れることで、末端からの冷えも防ぐ。
ショルダーウォーマーで熱を逃がさない
暖かい空気は上昇するため、首元に隙間があると熱が逃げてしまう。しかし、ショルダーウォーマーがあると、首元を包み込んで隙間を無くしてくれるため、シュラフ内部の暖かい空気が出ていくのを防いでくれる。 マフラーのように肩周りを保温してくれるだけでなく、身体全体の冷えも防いでくれる。
超撥水性能
エア630EXのアウターシェルは非常に撥水性が高く、多少の水ははじいて通さない。そのため、結露で濡れることによって、保温性が下がってしまう心配がない。
ISUKA(イスカ) エアプラス 630
最大長:肩幅80×全長213cm 収納サイズ:φ20×34cm 重量:1,030g 羽毛量:630g(820FP) 最低使用温度:-15度C
▼参考記事
シュラフと組み合わせて暖かい、おすすめの防寒アイテム
シュラフとあわせ使いにおすすめのアイテム
インナーシュラフで保温効果をプラス
寒い時期のキャンプは気持ちがいいものの、気をつけなければいけないのが“冷え”だ。特に寝る際の冷えは、要注意。体が冷えてしまうと寝付くのに時間がかかり、結果疲労がとれなかったということにも。
寝る際に使うシュラフだけでは保温力に限界があるので、シュラフに入っても体がなかなか温まらない、という事態も起こり得る。そのような状況を改善するアイテムのひとつに、「インナーシュラフ」というものがある。
保温効果をプラスできる
インナーシュラフにはさまざまな種類があり、季節や状況に応じた使い分けが可能だ。
たとえば冬の時期であれば、温かなフリース素材のインナーシュラフを使うのがおすすめ。シュラフに入った瞬間から気持ち良く、冬キャンプでの睡眠を強力にバックアップしてくれる。
シュラフ自体、良いものはかなりの値段になる。そこでシュラフは手の届く程度の価格帯のものをチョイスし、インナーシュラフを導入して気温に対応する、というのもひとつの手段だ。
インナーシュラフは洗濯可能で清潔
インナーシュラフを使用すれば、シュラフには肌が直接触れづらくなるので、シュラフ単体での使用に比べてシュラフの内側が汚れにくくなる。インナーシュラフは洗濯可能であることが多く、安心して使用できるだろう。
ただし、素材によっては洗濯方法の指定があるので、事前に確認しておくことをおすすめしたい。
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寝るときに体を暖めるアイテム
冬キャンプにストーブを持ち込めば、暖かく快適な空間で、キャンプを楽しむことができる。だが、就寝時にストーブを点けっぱなしにした場合、一酸化炭素中毒になるリスクがあり大変危険だ。
12月以降の冬キャンプの早朝、ストーブを消したテントの中は氷点下まで気温が下がることもある。せっかくのキャンプで体調を崩さないように、就寝時には、しっかりとした防寒対策が必要。
銀マットのアルミ面を上にして敷く
冬キャンプでの一番の大敵は、地面から伝わる冷気。冬キャンプでは、普段使っているマットの下に、もう1枚マットを敷こう。
追加するマットは、銀マットをおすすめしたい。
銀マットとは、クッション性のある発砲素材にアルミのシートを貼りつけたマット。銀マットのアルミ面を上にして敷けば、体から出る熱を反射させ、体温の低下を防ぐことができる。
コットを使用する
コットを使用すれば、体と地面との間に空間ができるので、地面からの冷気が伝わりにくくなる。
コットを使う場合も、銀マットをあわせて使用するのがおすすめ。銀マットのアルミ面を上にして、地面に敷き、その上にコットを置き、コットの上にマットを敷いてほしい。
ブランケットやインナーシーツを寝袋の中に入れる
寝袋の中にブランケットを入れれば、寝袋の保温性を上げることができる。また、肌触りがいいので、寝袋の中で快適に過ごすことができる。
ただ、使用する寝袋が体にぴったりのサイズの場合、内側にブランケットを入れると、窮屈に感じてしまうだろう。そんな場合はインナーシーツの使用をおすすめしたい。各社から、保温性の高い素材を使ったインナーシーツが販売されている。
湯たんぽを寝袋の中に入れる
私はナルゲンボトルを湯たんぽとして使用している。熱湯を入れてから6時間ほど、暖かさが続く。気密性も高いので、熱湯が漏れることもなく、安心して使用できる。
湯たんぽはお湯を沸かして入れるだけですぐに温まるので、冬キャンプには欠かせない。就寝する少し前に、寝袋の中に入れておけば、就寝時には寝袋の中がホカホカになっているので体をすぐに暖めることができる。湯たんぽを入れる位置は、体のなかでも冷えやすい足元がおすすめ。
お湯を入れたばかりの湯たんぽは、表面の温度が高く、素手で触るとやけどをする恐れがある。必ず手袋をはめて持つようにしてほしい。
湯たんぽを使用するときにも、使い方を誤ると低温やけどをする恐れがある。湯たんぽを専用の袋に入れるか、タオルやブランケットなどで、くるんでから使用してほしい。
ホッカイロで温まる
冬キャンプの就寝時には、貼るホッカイロの使用もおすすめ。
特におすすめの場所は、仙骨の上の部分。仙骨の上の部分には、内臓に働く神経が集まっている。温めることで、内臓の働きが活発になる。その結果、全身の血管が広がるので、体全体が暖まる。
貼るホッカイロを使用する場合は、低温やけどをする恐れがあるので、直接、体には貼らないようにしてほしい。必ず衣類の上から貼って使用するよう注意しよう。
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