今回、フィリピンのバギオという高原町へ向かいました。フィリピン最大の島・ルソン島の北部に位置し、マニラから約250キロ、車で5~6時間の場所にあります。
常夏のフィリピンの年間平均気温は26~27℃なのですが、ここバギオはそれが20℃前後。標高約1500メートルの場所にあって、1年を通じて涼しいので避暑地として有名なのです。
そんなフィリピンの“軽井沢的場所”に、何と「温泉」があるというので行ってみました!
苦しい山道を抜けると、そこに極楽避暑地があった!
「うっ、気持ち悪くなってきた…」
山道特有のクネクネロードを進むこと30分以上、私は車酔いでヤバくなりかけていました。そんな中、山肌に沿って家々が広がり始めました。
「バギオだ!」
私はエチケット袋を持ったまま、山の上から下まで家々が立ち並ぶ不思議な光景を、車酔いも忘れ、見惚れていました。
町の中心部にはバーナムパークという大きな公園があり、その周りには市民の台所であるパブリックマーケットや商店街、シネコンの入るショッピングモールもありました。こんな山中なのに予想以上に発展しています!ちなみに人口は約35万人です。
「レストランやカフェ、バーなど飲食店もたくさん。ファミマを含めて24時間営業のコンビニもあるし、生活に不自由しません。ノンビリと暮らせる良い所ですよ」と現地の語学学校で働く知人は言います。
治安が良くて人々もすごく優しいぞ!
そして何より治安が良いそうで、マニラなど都市部とは比べ物にならないとか。
それは散策をしていて、私自身も感じました。マニラにいる時のような独特のピリピリ感がないのです。人々の顔もゆる~い表情。
「ここだとスマホを路上で扱っていても平気、ひったくりに会うこともないわ」と宿で出会ったマニラ在住の女性たちも太鼓判を押していました。
その理由ですが、もともとバギオはアメリカ軍の避暑地として作られ、今もフィリピンの政財界の有力者たちが避暑に訪れていること、市の財政が安定していて治安にお金をかけられること、名門のセントルイス大学などがある学園都市なので治安が良いのが欠かせないこと等が挙げられるそうです。
なんと白バイのお世話に…
その治安を維持しているのが警察。今回、ひょんなことでお世話になってしまいました(捕まってませんよ!)。
町を散策して宿へ帰る途中、道に迷ってしまいました。ちょうどバイク警察官の人たちがいたので尋ねてみると…。
「この道じゃないよ。○○○に戻ってから上がっていかないと」
え、今来た道また戻るの?ぴえ~ん、もう歩きたくないよ~!悲しく肩を落としていると、警察官の1人が自分のバイクの後ろをポンポンと叩きました。
「乗せていってあげるよ」
え、マジですか!ということで宿まで送っていただきました。それも同僚の方のヘルメットをお借りして。何て優しいオマワリさんたちなんでしょう!
お湯はぬるいけど温かい(?)秘境温泉
バギオの郊外に温泉街があるというので行ってみました。
名前はアシン温泉通り。フィリピン式乗り合いバスのジプニーに乗って山間のクネクネ道を進むこと約30分で到着。
このアシン温泉通りには高級ホテルに併設するタイプから庶民的な施設まで、いくつかの温泉があります。
私が選んだのは「アシンオリジナルホットスプリングリゾート」という施設。“オリジナル”と謳ってますからね、期待できるでしょう!
入場料を払って中に入ると…あれ、プールじゃん!
週末だったので子どもたちがワイワイしています。おかしいな~と思ってたら、「あっちよ!」とスタッフさんが指さしてくれました。階下の川沿いに温泉はあったのです。
そこにあったのは、とてもとても簡易な作りの温泉。1メートル×2メートルほどの浴槽が横に4つ並んでいました。 温泉に入るときはプールと同じく水着を着用します。
さて、温泉に入ってみると…日本に比べて少しぬるめです。並んでいる他の温泉もチェックしてみましたが同じ。フィリピンの人たちは気持ち良さそうにしているので、これが彼らには適温なんでしょう。
ちなみに、シャワー室もなかなかのシンプルな作り…。
個人的にはもっと熱い方が好きなのです。しかし、体を横たえて寝湯状態でのんびり入ると、いつしか夢見心地に。異国で温泉気分を味わうことができました。
そして、温泉を出ると、休憩所にいたグループに声をかけられました。日本人だというと、「お~!」という声が上がり、「一緒に食べよう食べよう!」と昼食をご馳走になりました。
温泉はぬるめでしたが、人々の歓待で心はポカポカになりました。
いやあ、バギオ良い所です。人は優しいし、安全だし、物価も日本と比べて3~4分の1くらいと安いし、温泉もあるし。私、ここに移住しちゃおうかなあ!
※フィリピンペソの日本円換算は取材時のレートを参考にしています