台北から日帰りOKな風光明媚トレイル「鼻頭角歩道」【プロハイカー斉藤正史の台湾トレイル旅 vol.12】

日本で唯一のプロハイカーとして、世界各国の数百kmから数千kmにおよぶロングトレイルを次々と踏破している斉藤正史さん。2022年12月から2023年1月には、1カ月以上かけて台湾を巡りました。そんな斉藤さんによる「台湾トレイル体験記」をお届けします。vol.12は、オススメ日帰りトレイル「鼻頭角歩道」編です。

いざ、ミニ万里の長城へ！

前回の「三角崙山」を登って数日後。昨年末から年明けにかけて台湾の4つのトレイルを歩き終えてすっかりハイカーボディーとなっていた僕は、まだまだ歩き足りない！と感じていました。でも、台北市内ではなぁ、芸がないよね…などとと考えていて、年末、九份に宿泊している時に偶然発見した「鼻頭角歩道」を思い出しました。

早速、Googleで検索すると、そこは小さな万里の長城らしいと判明。おっいいじゃん！写真を見てそう思いました。最寄り駅は瑞芳車站です。今回の台湾のトレイル旅でも何回か登場した、あの九份に行く際の乗換駅です。鼻頭角歩道の最寄りのバス停までは瑞芳車站から50分程で着くようです。ということで、今回宿泊しているホステルの最寄り駅、台北駅から早速出発します！

台北車站から瑞芳車站までは、MRTで25分ほど。バスも本数が多いので、電車より料金の安いバスで行ってもいいかもしれませんね。

僕のバス停を知りませんか？

あれ？同じバス停が２つ？

瑞芳車站で下りて、Googleマップの示す通りバス停へ向かいます。丁度、淡蘭古道を歩いた時に泊まったホステルの直ぐ近くでした。バス停に着くと、念のために時刻表を確認しました。ん？え？ない…。何度も見返します。そんな僕の姿を見て、おばさんが話しかけてきました。もちろん中国語です。僕が日本人だと知ると、周りの人に話しかけてくれました。偶然にも日本語が少し話せる学生さんがいました。「向かいのバス停らしいですよ！」と聞いて通りを渡るとバスが到着していました。スマホの画面を見せて、ここに行きたいというと、このバスは瑞芳車站に戻って終点らしく乗れませんでした。

万事休すか…と思ったとき、ふと思い出しました。そういえば、瑞芳車站にもバス停があったな。もしや…。同じ名前のバス停が2つある？走って瑞芳車站脇のバス停に行く。時計を見ると1分過ぎていました。次のバスまで待つのか…と思っていたら、886の和美國小行きバスが入ってきました。運転手にスマホを見せると、このバスだという手振り身振りで答えてくれました。安心して乗り込み、しばらくすると、鼻頭漁港で声を掛けられ、バスを下りました。すでに乗客は僕だけでした。

鼻頭角歩道の案内板。

鼻頭國民小。そういえば、台湾の小学校のグラウンドって土じゃないよな。

バス停から新北市瑞芳區鼻頭國民小方向を示す看板が出ていましたので、看板通りに進みました。ちょっとした登りです。小学校を右手に見ながら更に歩道を進んでいきます。この辺りまで来ると海がよく見えます。トイレもしっかりあり、とても歩きやすい道のりです。

鼻頭角稜谷歩道という看板があり、ルートは登りに入っていきました。ひと登りすると、聽濤cafeの文字が！残念ながら朝早すぎて閉まっていました。カラフルな迷彩のカフェで、オープンしたら敷地内にある鼻頭角山に登れるようですが、お店がオープンしていないとゲートが閉まっていて入れない様子です。諦めて先へ進みました。

海沿いの歩道は綺麗な眺め。

聽濤cafeカラフルな迷彩が可愛いですね。

さらに登ると、東屋があり振り返ると、おー！いい景色！もうひと登り。おー！いいじゃないですか！いい眺めです！ここから歩道は一気に下ります。小学校から歩いて正解ですね！

歩道の終わりに着くころには、にゃんこ達が！そして歩道の終わりには、港が現れ、たくさんの食事をするお店が並んでいました。混むのが気にならない方は、お昼に合わせて来るのもいいですね！

僕がバス停に着く9時ころ、反対方向からたくさんの人が下りてきていました。朝早く歩いて良かったな。

映える歩道！

いい感じの歩道。人がいないので三脚での撮影もラクラク。

晴れていたらもっと綺麗な景色だったんでしょうね！

一気に下る道です。くれぐれも反対から来ない事をお勧めします。

登山道入り口に近づくとにゃんこ達が！

港付近には美味しそうなお店がたくさんありました。

猫好きの楽園「猴硐」

猫村！

鼻頭角歩道を1時間ほどで歩き終わってしまったので、ついでに猫村「猴硐（ホウトン）」に行くことにしました。猫村は、瑞芳車站からなんと1つ目の駅、平溪線の猴硐車站です。

あっ！やばっ！たまりません！ここは、猫好きにはとっておきの場所です。実は、僕は台湾に来るたび足しげく通っています。この辺は炭鉱があり、ネズミが発生することが多く、ネズミを駆除してくれる猫が飼われ、大切にされた事が猫村発祥のきっかけだそうです。いまでは、カメラをもった人々が猫と触れ合う姿がそこら中で見られます。ちなみに、平溪線で瑞芳車站から4つ目の駅が、あの提灯を飛ばすので有名な十份車站です。十份車站は、駅が淡蘭古道の中路のルートになっていますよ！お昼まで、猫村で満喫。瑞芳車站周辺には、色々な見どころがありますのでオススメです！

駅の通路が、すでにこんな感じ。

かわいい！

猫グッズだらけのお土産屋さん。

次回は「台湾のアウトドアショップ＆ブランド」編です。

私が書きました！

プロハイカー

斉藤正史

2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル（YLT）」を行なう。スルーハイク（単年で一気にルートを歩く方法）にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km（地球半周以上）を超える。最新情報はブログを。