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    2016.05.20

    YLT<山形ロングトレイル>奮闘記 ~蔵王にトレイルを作っぺ!~

    蔵王温泉エリア

    蔵王温泉エリア

     トレイルって何だ?

    「自然に入り、自然に親しむ事で、自然に愛着がわく。そして愛着するその心が、自然保護に繋がる」。それを体感するために、トレイルがあると僕は考えています。
    トレイルを簡単に説明すると、登山が頂上を目指す山登りなのに対して、トレイルは頂上を目指す事だけを目的としない、自然の中を歩く山歩きになります。日本ではあまり馴染みのないこの言葉ですが、実は、世界的には盛んに使われています。特に、最も盛んな北米アメリカでは、大陸を横断する8,000kmにも及ぶロングトレイルだってあります。
    トレイルは、ハイキングというジャンルを超えて、多くの人々に愛されている山歩きなのです。最近では、日本にも各地にトレイルが作られるようになりました。代表的なルートは、日本のトレイルの第一人者で、作家の故加藤則芳さんがアドバイザーを勤められた、長野県にある、信越トレイルです。

    なぜ蔵王にトレイルを?

    2005年、アメリカ合衆国の東部を南北約3,500kmに渡って縦貫するアパラチアン・トレイルを歩き終えた僕は、トレイルの感動を伝えたくて当時、地元の大学が募集していた「自然との共生」をテーマにした企画募集に勢いに任せて応募しました。しかし、残念ながら結果は不採用。今考えても、個人がトレイルを作るなんて壮大すぎる計画だったのかもしれません。
    その頃、加藤則芳さんとは、お会いするたびにトレイルの話をしていました。
    「MASA、もし山形にトレイルを作るなら、アメリカの様に国立公園や国定公園を通過するルートを作ってくれるといいね」「そして、いつか、山形と信越トレイルが繋がり、海外のバックパッカーが日本のトレイルを歩く姿が当たり前になったらいいね」とアドバイスを頂いておりました。
    そんな事もあり、私が当時企画したルートは、蔵王国定公園エリアの一部を通過するルートになったのです。

    想いが始まった。

    JMTにて

    撮影/渡辺 滋

    僕が会社員からプロハイカーに転身したのは、加藤則芳さんのご病気がきっかけでした。仲間内で、まだ体が動くうちに加藤さんをもう一度ジョンミューア・トレイルへお連れしようというものでした。総勢12名、私は背負い隊での参加でした。そして偶然にも、最後に背負う順番が私に回ってきました。
    背中から聞こえる、加藤さんの語り掛けるような、呟くような言葉に僕は、誰かが加藤さんの想いを引き継がなくてはいけないと感じました。そして、帰りの飛行機の中で、一緒に背負い隊で行動した加藤さんのお仲間で、消防士の吉川さんに無謀なプロハイカーへの転身について打ち明けたのでした。
    数日後、吉川さんからの「やってみなよ、僕が応援する」との言葉に、勇気をもらい、プロハイカーとして生きる決断をしたのでした。

    その数週間後、数名の仲間と蔵王を縦走していた時の事でした。蔵王の山小屋、八方平でいい感じに酔っ払いながら、僕は饒舌になっていました。プロハイカーを志した事、そして普段は話す事のない2005年に不採用になったトレイル構想まで話していました。
    山形のトレイル構想が話し終わると、現在のYLT代表理事の相澤君から「マサシくん、山形にトレイルを作ろうよ!俺、協力すっからさ」「日本にトレイルがあれば、多くの人に魅力を伝えられるよ」(マサシは相澤君だけが呼ぶ僕のアダナ)
    そして僕は、酔いに任せて「んだね、すっぺ!」と答えていたのでした。この夜の酔っ払いの会話が、蔵王にトレイルを作るスタートになったのでした。

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