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米国の絶品ソウルフード

東京都の東の端を流れる江戸川。この川にアメリカからとあるナマズがやってきた。その名もアメリカナマズ(まんまだ)。
もとは養殖魚として霞ヶ浦に入れられた魚だが、それが逃げ出して今では利根川水系やそれとつながる江戸川水系にまで拡がっている。アメリカナマズの拡大は関東に留まらず、中京や関西にまで侵入。2005年には特定外来生物にも指定された。
迷惑なまでの繁殖力だが、この魚はアメリカ南部では、伝統的なソウルフードの食材として知られている。
アメリカ南部の低湿地の名物が淡水魚なら、東京の低湿地の名物もまた淡水魚。この界隈で育った身としてはアメリカナマズの味が気になる。晩夏の夕暮れ、江戸川で竿を出してみた。
仕掛けはスタンダードなぶっ込みスタイル。中通しのオモリの先に丸せいごのハリを結び、餌にはレバー(鶏でも豚でもOK)をつける。ミミズや魚の切り身でもよいが、レバーを使うとほかの魚がかかりにくい。
糸を垂れて数時間。リンリンと鳴った竿の先にはアメリカナマズがついていた。あっけなっ! 獲れたことはうれしいが、特定外来生物だからちょっと複雑だ。
生きたままの移送が禁じられているのでその場で締め、クーラーで持ち帰って下処理をする。魚の独特の臭気は粘液と皮に多い。臭みがある(かもしれない)ので、素早く身だけにするとよい。塩で水分を抜いたり、牛乳や酒で洗うのも有効だ。
ここで切り身を世界の料理に通じる青木ゆり子さんにバトンタッチする。先生、これを美味しくしていただけませんか?
「南部の魚のフライはコーンミールを使ってクリスピーに仕上げるのが定番。ケイジャンスパイスとホットソースでスパイシーな感じにしてみましょう」
ということで、でき上がったのがこの料理。恐れていた臭みはまるでなし。白身魚のフライとしては上等の部類だ。おそるおそる口にした青木さんも「また持っていらっしゃい♡」と太鼓判を押してくれた。
全国で問題になりつつあるアメリカナマズ。食べて減らすなら本場のアメリカ南部の調理法がおすすめです!
アメリカから来ました!

養殖目的でやってきたのにいまや特定外来生物のアメリカナマズ。しかし本国では人気のソウルフード。美味しく食べて、数を減らそう!

仕掛けを用意
ある程度強度があれば竿はなんでもOK。仕掛けも餌を水底に定位させられて強度が高ければどんなシステムでもいい。

鈴
道糸
ナイロン6〜7号
亀オモリ
15〜20号
ビーズか
クッションゴム
ヨリモドシ
ハリス
ナイロン5〜6号
ハリ
丸せいご17〜18号

餌はレバー!
下処理をする

背びれと胸びれに鋭い棘をもつので処理中に刺さないように注意! 背骨は丈夫だが、後頭部に1か所だけ刃がスッと入る場所がある。そこから頭と胸びれを落とし、腹を開く。

1 腹を開いたらよく洗い、腹部の水気をとる。

2 3枚におろす。

3 皮をすき取る。

4 全面に軽く塩をふってキッチンペーパーとラップでくるんで冷蔵する。
アメリカ南部式ケイジャン風味のクリスピーな
キャットフィッシュ&チップス

材料 (2人分)
アメリカナマズ400gのとき
A
コーンミール…150g
薄力粉…50g
ケイジャン・シーズニング…大さじ1
塩…小さじ1/4
コショウ…小さじ1/4
卵…2個
ホットソース…小さじ2
植物油…適量
タルタルソース…適量
トマトケチャップ…適量
冷凍フライドポテト…お好みで
レモン…適量
パセリ…適量
作り方

1 ボウルにAを入れて混ぜ、バットに移し衣の素材とする。卵をときほぐしてホットソースを加え卵液を作る。切り身を卵液に浸けて衣をつける。

2 余分な粉をはたき、10分ほど置いてなじませる。

3 180度Cの油でキツネ色になるまで揚げる。フライドポテトも揚げてソース類とレモン、パセリを飾る。
教えてくれた人 郷土料理研究家 青木ゆり子さん

美味しいですよ!
世界各国の郷土料理を再現・紹介するe-food.jp代表。『世界の郷土料理事典』(誠文堂新光社)ほか著書多数。この夏はモルディブでカツオ料理の研鑽を積んできた。
※構成/藤原祥弘 撮影/高橋郁子、矢島慎一
(BE-PAL 2026年10月号より)




