岩場を越えたと思えば砂地へ。木々の間を抜けたと思えば、今度は浅い流れを渡ります。景色も路面も次々と表情を変えるので、「次は何が待っているんだろう」とワクワクする一方、最後まで気が抜けません。
2026年4月のモアブ旅を締めくくったのは、全員にとって初めてのコース。愛車のRZRで、本格オフロードのスティール・ベンダーへ出発します。
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仲間と走る、モアブ旅の最終日
今回のモアブ旅は、ティーンエージャーの子ども2人を含む10人で始まりました。最終日は学校の都合でひと家族が先に帰路につき、残った7人でトレイルへ向かいます。
私たち夫婦は、ダウンタウン・モアブまで歩いて行ける宿に泊まりたい派。夕食と一緒にお酒を楽しんでも、歩いて帰れる安心感があるからです。
一方、仲間たちは町から少し離れた一軒家に滞在していました。そこでこの日は早朝、広い駐車スペースのある仲間の宿に集合します。


まずは出発前の準備から。燃料を補給し、タイヤや車体を確認します。わが家のオフロード車は、ポラリス社製の2人乗りRZR。モアブの荒野を何度も一緒に走ってきた、頼もしい相棒です。
旅の最終日ですが、最後まで気分は本番そのもの。なにしろ、これから挑むのは全員にとって初めてのトレイルなのです。
名前からして手強そうな「スティール・ベンダー」
夫婦2人で走るときは、すでに経験のあるトレイルを選ぶことがほとんどです。初めての場所へ行く場合も、崖っぷちが続くなど、私たちにとって難易度が高すぎるコースは避けています。
けれど、経験のある仲間と一緒なら、少し難しいトレイルにも挑戦できます。前を走る車から路面の状態や安全な走行ラインを確認でき、難所では車を降りて互いに誘導できるからです。



今回のコース名は、Steel Bender。直訳すれば「鋼鉄を曲げるもの」。名前の正確な由来は確認できませんでしたが、いかにも頑丈な車で挑みたくなる響きです。
私たちが愛用している地図アプリ「onX Offroad」では、難易度は10段階中7と表示されています。大きな岩や段差、急な上り下りが続き、車の性能だけでなく、運転する人の判断も試されます。
「これは手強そうだな」と思っていたら、その予感はスタートしてすぐに的中しました。
ゴツン。車体の底が岩に当たり、座席のシートを通して衝撃がお尻まで響きます。



その後も、深い溝や大きな段差が次々と現れます。岩場を抜けると砂地になり、木々の間を走った先では浅い流れへ。スティール・ベンダーは、荒々しい岩だけでなく、モアブの多彩な地形を一度に味わえるトレイルでした。

「お尻が痛い!」全身で感じるスティール・ベンダー
「このトレイル、どうだった?」と聞かれたら、まず思い浮かぶのは、とにかくお尻が痛かったことです(笑)。
写真では、坂の角度や路面の凹凸が実際より穏やかに見えてしまいます。私は助手席に座っているだけですが、岩を一つ越えるたびに車体が跳ねたり傾いたり。その衝撃を全身で受け止めます。
途中で昼食休憩を取り、体を休めてから再び先へ進みました。


毎回のことですが、ドライバーって本当にすごいなと感心します。どの岩にどのタイヤを乗せるか。段差へどの角度で入るか。車体の底を岩に当てず、横へ傾きすぎないラインはどこか。
夫は目の前の地形を読みながら、ハンドルとアクセルを慎重に操作します。運転技術も頭もフル回転です。
途中、メキシコから来たというオフロードの一行に出会いました。かなり経験を積んでいるようで、難所では車を降り、タイヤを置く位置や進む方向を身ぶりで教えてくれます。そのアドバイスに助けられ、無事に通過できた場所もありました。


荒野では、初対面でも自然に声を掛け合います。難所の先に危険がないか伝えたり、車に異常がないか確認したり、無事に越えれば手を振って喜んだり。携帯電話がつながりにくい場所も多いからこそ、そこにいる人同士で助け合う安心感があります。
難しいコースを走る面白さは、車の性能を試すことだけではありません。仲間と知恵を出し合い、一台ずつ安全に進んでいく。その時間も、オフロード旅の大切な一部なのだと思います。

長年の相棒と走る、最後のトレイル
onX Offroadに表示されるスティール・ベンダーの走行時間は約3時間。ただし、走る人数や路面の状態によって所要時間は変わります。私たちは難所での待機や昼食休憩を含め、半日ほどかかりました。

初めてのトレイルを無事に走り終え、翌朝10時にモアブを出発。ソルトレイクシティ近郊の自宅まで、およそ5時間の帰路につきました。車内では早くも、次のモアブ旅の話が始まっていました。
そして、ここで読者のみなさんに一つお知らせがあります。わが家の2人乗りRZRで走る旅をBE-PALでご紹介するのは、今回が最後です。

仲間と一緒に出かけるようになり、4人乗りRZRの安定感や使いやすさを実感する機会が増えました。そこで私たちも、次の一台へ乗り換えることにしたのです。
これまで家族のように旅をしてきた2人乗りRZRは、夫が隅々まで丁寧にメンテナンスし、新しいオーナーのもとへ旅立っていきました。
数え切れないほどの岩を越え、砂ぼこりを浴び、ときには今回のように車体の底をゴツンと打ちながら、いつも無事に私たちを連れて帰ってくれた相棒です。少し寂しさはありますが、冒険はまだ続きます。

次回からは、新しくわが家の一員になった4人乗りRZRで出かけるオフロード旅をご紹介しますね。





