動物の食べ残しがいつか名産品に。「夢見ヶ崎動物公園」でゴミから始まる地域循環を親子で体験 | ナチュラルライフ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.08.29

動物の食べ残しがいつか名産品に。「夢見ヶ崎動物公園」でゴミから始まる地域循環を親子で体験

動物の食べ残しがいつか名産品に。「夢見ヶ崎動物公園」でゴミから始まる地域循環を親子で体験
旅エッセイストの国井律子です。
子どもの自由研究の足しになればと川崎市の夢見ヶ崎動物公園で開催されたワークショップに参加してみました。
それは、動物園から出る動物たちの食べ残したゴミなどを堆肥にして、それを使って植物を育て、そこから地域の名産品を生み出そうという壮大なプロジェクトを分かりやすく紹介する内容です。
私は、動物園で育てられたレモングラスを収穫し、それを持ち帰ってお風呂に入れて楽しむぞ!と軽い気持ちで参加。
ところが、そのハーブがどうやって育ったか、これからどうなるかなどを順を追って聞くうちに、園が目指す循環のおもしろさにぐいぐい引き込まれていきました。
子どもと一緒に参加したら、大人の私にとっても貴重な体験となった素敵なワークショップの様子をレポートします!
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子どもが夢中になる缶バッジづくりからスタート

ワークショップ会場
今回参加したワークショップは、神奈川県川崎市にある夢見ヶ崎動物公園パークセンターで開催されました。

小2の次男と参加したのは、川崎市幸区にある夢見ヶ崎動物公園で行なわれた環境体験型のワークショップです。まずは動物の塗り絵を楽しみ、そこから好きな絵を選んで缶バッジにしました。

塗り絵をする次男
珍しく真剣な次男。

塗り絵の線画には、夢見ヶ崎動物公園にいる動物たちが描かれていました。お気に入りの動物に色を付けたり、空欄に自分で絵を描いたりして自由に楽しめます。

塗り絵を切る
完成した塗り絵のなかから3つを選択して、ハサミで切ります。
缶バッジにする
ガチャーンと機械で挟めば、缶バッジのできあがりです。

完成した缶バッジは、お土産として持ち帰ることができます。こういう自分で作って持ち帰れる体験は、子どももうれしいですよね。

続いて、参加者のみんなと園内を歩きました。

動物園内を歩く
ペンギン、シマウマ、フラミンゴのほか、サルもたくさんの種類がいました。

普段はなかなか入れない動物園のバックヤードも見学させてもらいました。

動物園の裏側へ入る
スタッフさんが門を開けて、動物園の裏側へ。

動物たちのごはんを準備する調理場では、「食べるものを毎日なるべく変えない」という話も聞けました。理由は、いつもと違うエサを出して食べなかった場合に、「好みじゃないのか、体調が悪いのか」が判断しにくくなるからだそうです。

動物園というのは、ただ動物を見せてもらう場所ではないんだな…と感じながらさらに奥へ進みます。

高台からの景色
すぐ横にはビル群があり、遠くには東京スカイツリーまで見えました。

園内の高台から武蔵小杉駅周辺のビル群を眺めて、「すごい都会にある動物園なんだなぁ」と、改めて思いました。

「ゴミ」がレモングラスになる!?

コンポストで育ったレモングラス
動物たちが残したエサなどで作った堆肥で育ったレモングラス。

今回のメインイベントは、レモングラスの収穫です。
子どもたちはそれぞれ好きなところをカット。袋に詰めて持ち帰れます。
摘みたてのレモングラスを手にすると、切った断面から爽やかな香りがふわっと立ち上がりました。
「お風呂に入れたら気持ちよさそう!」なんて盛り上がっていたのですが、じつはこのレモングラスは、動物園から出たエサの食べ残しなどを活用して育てたものだそうです。
夢見ヶ崎動物公園では、エサを作る際に出る「食物残さ(しょくもつざんさ)」をコンポストで堆肥化し、それを使って、レモングラスやホップなどの植物を育てているそうです。

コンポストを見せてもらった

動物園のバックヤードにあるコンポスト
こちらが動物園のバックヤードにあるコンポストです。

スタッフさんによると、コンポストにゴミを入れると、1日で約10分の1の量まで小さくなるとのこと。においも嗅がせてもらいましたが、全然臭くありません。
しかもこのコンポストは、太陽光を利用して動きます。

動物の食べ残したゴミ
野菜くずや魚のひれなど、動物園では日々さまざまな食べもののくずなどが出るそうです。(写真提供:夢見ヶ崎プロジェクト)

ゴミとして捨てられて終わるはずだったものが、土になり、それを使って植物を育てる。とても興味深い話ですね。

その先に待つ「川崎名物」とは?

お土産としていただいたレモングラスと缶バッジ
次男がお土産としていただいたレモングラスと缶バッジ。

この取り組みのおもしろさはさらに続きます。
育てた植物を「育てました、終わり」にはしないのです。

現在、動物園では、川崎市にある企業と園内産のレモングラスやホップなどを使ったオリジナル商品の開発販売を目指しています。
たとえば「元祖ニュータンタンメン本舗」や「東海道BEER川崎宿工場」など、川崎ゆかりの企業がすでに参画を表明。今後、レモングラスやホップを活用したオリジナル商品の具現化につなげていくそうです。さらに収益の一部を動物園に還元することも目標にしています。

つまり、動物の食べ残し→コンポストで堆肥化→植物を育てる→地域オリジナル商品の生産→収益の一部を動物園へ還元という循環を完成させること。これが「夢見ヶ崎プロジェクト」です。すでに川崎市と三菱化工機が協力した実証実験などが発表されています。

循環という言葉が自分の生活に近づいた

キツネザル
次男と私が一番夢中になったかわいいキツネザル。

私は「夏休みの自由研究に丁度いい親子イベント」くらいの軽い気持ちで参加しました。しかし、実際にレモングラスを収穫して、コンポストや動物園のバックヤードまで見学してみると、ただ環境について勉強するだけではない発見がありました。

「このレモングラスは、もともとは動物園から出たゴミだった」と教えてもらい、実際に触って、香りをかいで、お風呂用に持ち帰る。そうすることで、私にとって難しそうなイメージだった「循環」という言葉が、一気に自分の生活に近づいた気がしました。

そんな流れを子どもと一緒に五感で体験できたことがよかったです。頭で「リサイクルって大切」と考えるより、感覚として、長く記憶に残りそうです。

気軽に遊べる無料の動物園

夢見ヶ崎動物公園の入り口
夢見ヶ崎動物公園の入り口。

今回、初めて訪れた夢見ヶ崎動物公園は、なんと入園無料でした。
駐車場は数に限りがありますが、こちらも無料。車高2.8mの愛車(キャンピングカー)も高さを気にせず、停められました(笑)。

左はフンボルトペンギン、右はフラミンゴ
左はフンボルトペンギン、右はフラミンゴ。こんな動物たちも無料で見られます。

この日は暑い日でしたが、園内には木陰も多く、なにより高台にあるためか、風がスーッと抜けて気持ちいい。

シマウマ
シマウマもいました。

しかも、動物を見られるだけではなく、今回のようなワークショップや環境教育につながる取り組みも行なわれています。夢見ヶ崎プロジェクトでは、今後も収穫体験などの「いのちを感じるワークショップ」が予定されています。

マーコールのシオリちゃんのパネル
傷病動物の保護やリハビリにも注力。パネルでは3本足でたくましく生きるマーコールのシオリちゃんを紹介。
無料の給水スポット
涼しい館内で水分補給ができる無料の給水スポットもありました。

動物園に遊びに行ったつもりが、環境のことまで考える良き休日になりました。

ゴミだったものが、植物を育て、最後は我が家のお風呂へ。
まずはこの小さな循環を親子で楽しんでみました。
そして次に訪れるときには、動物たちを見ることに加えて、「ここにある植物はどうやって育ったんだろう?」と、今回学んだ循環のことを考えながら園内を見て歩きたいですね。

このように、動物園の見方まで少し変えてくれた貴重な1日となりました。

川崎市立 夢見ヶ崎動物公園

  • 所在地:神奈県川崎市幸区南加瀬1-2-1
  • 開園時間:9時~16時
  • 休園日:年中無休
  • 入場料:無料
  • ホームページ:https://www.yumemizoo.com
著者画像

国井律子

旅エッセイスト

国内外の旅を綴るエッセイを中心に、日常の延長にある“ちょっと特別な旅”も提案。ソロ登山、2人の男児の母として家族とのキャンピングカー旅、自由で自分らしい旅の形を発信中!

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