「SEA TO SUMMIT」 とは、海から山へ人力で移動し自然を楽しむ環境スポーツイベント。全国各地で開催されており、タイムは計測するがレースではない。オホーツク大会は、網走市と小清水町が舞台。大会で唯一、特別列車での移動がある。

オホーツク、再び
6月の半ば、私は北の果てオホーツクにいた。天候急変で途中中止となった前回大会から早1年、リベンジするために網走へとやってきたのだ。
「オホーツク シー・トゥー・サミット」は、網走市の網走湖から小清水町の藻琴山(もことやま)までの全長約44.5kmを行く。

KAYAK 7.5km
今回は176名の同志とともに出発だ。網走といえば映画や漫画などから刑務所のイメージが強い。カヤックで漕ぐ網走川沿いには網走刑務所(現役の施設)の赤レンガの塀が見える区間がある。その赤レンガに差しかかると、澄んだ笛の音が聞こえてきた。モンベル辰野勇会長である。おおらかなBGMによって見ていた風景も一変するから不思議だ。

ちなみに、明治期に建てられた放射状の網走監獄は、近くの天都山(てんとざん)へと移築され現在は博物館になっている。
特別列車 網走駅〜浜小清水駅
カヤックの後は網走駅から浜小清水駅まで特別列車での移動。「あ、ビーパル!」「ビーパルだ」。いつしか私の呼び名はビーパルに……。お声がけありがとうございます。
さて、列車からは左側にオホーツク海、右側に濤沸湖(とうふつこ)。甲乙つけ難い絶景が広がっている。車内では駅弁をお供に風景を楽しむ参加者もいた。なるほど、その手があったか!



BIKE 35km
浜小清水からはバイクセクション、コース内最長の約35kmはいわば核心部分だ。
じゃがいも街道を快走して途中の小清水町役場にピットイン。ここで少し休息をとる。用意されていた補給食はなんと全てがじゃがいも由来、特産品を全面に押し出したラインアップに舌鼓を打った。



再び標高725mの藻琴山登山口を目指して走りだす。有り難いことに太陽は燦々、強い日差しが照りつけ、さらにエゾハルゼミの鳴き声が暑さを演出した。北の果ては十分に夏だった。生かさず殺さずの斜度が続き、腕時計の高度計の数値が上がるのを励みにペダルを回し続ける。
徐々に木々が薄くなり冷涼な空気に変わると、後方に斜里岳が見えてきた。大きい! アイヌ語では「オンネプリ」と呼び、まさにオン(大きい)ヌプリ (山) という意味だそう。

HIKE 2km
そして最終パート、藻琴山。登山口から山頂までの高低差は約275m、ラストののんびりハイキングだ。やっとここまで来たぞ! と、屈斜路湖を鳥瞰してうれしくなった。
その日本最大のカルデラ湖のはるか彼方に霞んでいるのは、阿寒の山々だろうか。標高1000mの藻琴山山頂に立ち、シー・トゥー・サミット達成。朝からの景色が脳内を一気に駆け巡っていった。


学び味わう2日間
実走は日曜だが、大会は土曜に始まる。講習会や環境シンポジウム、音楽演奏もあるウェルカムパーティーが網走市内で行なわれた。




※構成/須藤ナオミ 撮影/二木亜矢子
※BE-PAL 9月号80ページ「 オホーツク SEA TO SUMMIT 2026出場レポート」で「前回大会から早2年」とありますが、正しくは「前回大会から早1年」でした。ここに訂正させていただきます。




