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まだ歩いていない“後ろ足”へ
さてと、あとは「登頂証明書」をいただいて帰るだけ…。
いやいや、そんなはずがない。前々回(戸山公園1/3回)、前回(戸山公園2/3回)と読んでいただけたらお分かりのように、この「大の寄り道おんな」がすぐにサービスセンターに向かうと思ったら大間違いです。
だって「箱根山」は「箱根山地区」のちょうど真ん中くらい。手足を広げたカエルのような公園地図でいうと”お腹”あたり。まだ歩いていない後ろ足のほうまで行かないはずがないではありませんか。


奥の「戸山教会」と相まって長野あたりの避暑地のよう……。




木立の中で物語が生まれそうな渋い石積みの壁。

近くに蜜の出ている木があるのだろう。

窪地は池のあと?
箱根山の南麓、公園地図のカエルのお股あたりにある「児童コーナー」。 なんてことのない遊び場のように見えるけど周囲からはかなり窪んでいています。ここにも「戸山荘」時代に池のようなものを造ったのかな?と調べてみると、近くに「称徳場」という長さ約132mもある馬場や、敷地外から引き込んだ川や堀があったそう。だから低いのかなぁ。もともとの地形かなぁ。

けっこうな高低差。
このスロープを上がった先(公園外)に「戸山荘」の御殿があったとのことなので、ホタルが放たれたという眼下の川や、箱根山、箱根山越しの池の風景なんぞをきっと楽しまれていたんでしょうなぁ。しかもそのそばにあったという「釣鐘」(公園内)からは富士山が見えたとか。今も見えたかな?上に登ってみればよかった。ちぇ。

私が前回横断した園内の車道を左に進んだあたり(公園地図でいうとカエルの細い左手)には、かつて、東海道五十三次の「小田原宿」をそっくりそのまま再現した通りがあったんですって。遠くまで行かずとも宿場遊びが楽しめたってことですね。もうこうなると「戸山荘」は今でいうテーマパーク。「尾張徳川の戸山ランド」の「小田原宿ワールド」って感じでしょうか。なんでも、将軍が御成りのときには家臣が売り子となって「お買い物ごっこ」をするご接待をしたんですって!なにそれ!楽しそう!お茶屋の娘に志望したい。(たわけ!by 将軍)
その「小田原宿ワールド」から見える山だから、「玉円峰」改め「箱根山」になったと。よくできたテーマパークですね。
団地好きの”萌え”スポット
引き込んできた川が池に向かって流れていたあたりが「スズカケの広場」。右手には「戸山ハイツ」が並んでいます。

残されてきた豊かな緑と、終戦後の混乱のなかできた「戸山ハイツ」。 公園内と公園外の環境のギャップ、親和性とも反発性ともいえる違和感も、私は都立公園の魅力だと思っていて、戸山公園にいたっては団地育ち団地好きの個人的な“萌え”スポットになりました。

ちなみに、都営住宅第一号の「戸山ハイツ」は、当時はなかった住宅と店舗が一体になっている33号棟が“団地萌え界隈”では有名です。箱根山地区の「大久保通り口」にあり、最寄り駅は、東京メトロ大江戸線・副都心線の「東新宿」になります。「早稲田口」とはまた違う、かつての新宿に蠢いていた人間くささがまだ垣間見れますので、一部の人間ウォッチングがお好きな方にはおすすめのエリアです。

「山手線内最高峰」登頂証明書
「箱根山地区」を大満喫して、いよいよ「大久保地区」にある「戸山公園サービスセンター」へ急ぎます。閉館の17時半までには着かねばなりません。(どうか寄り道したくなりませんように…)




「戸山公園サービスセンター」の営業時間は8:30~17:30(年末年始を除く)。その間に窓口に行けばいつでも「登頂証明書」を発行していただけます。このとき、時間は16:30を過ぎたあたり。よかった、間に合いましたね。「早稲田口」から入ったのが14:25だったので、標高44.6mの登山ではありましたが、2時間かけて楽しめました。


「地形から大名庭園を感じてほしい」
後日、センターの職員さんたちにお話を伺うことができました。「戸山公園」の楽しみ方や魅力を聞いてきましたよ。

センター長の波多江さんからは「地形から大名庭園を感じてほしい」とのメッセージをいただきました。たしかに山あり谷ありの都立公園はほかにもあると思いますが、そのほとんどが人の手によって造成された地形であるというのは戸山公園ならではですよね。私も庭園の痕跡を足で感じていたんだなぁ。

職員さんの時間があるときは訪問者に窓口で「戸山荘」の歴史をお話しているそうですが、箱根山登山を目的にすると登頂してからサービスセンターに寄ることになるのでちょっともったいない……。

しかーし、園内には「戸山荘」時代の痕跡を示した標柱を巡りながら、歴史に関するクイズに答えるスタンプラリーを東京都公園協会が管理する都立公園のアプリ「TOKYO PARKS PLAY」内で提供しています。アプリのQRコードが「箱根山地区」にも掲示してありますので、サービスセンターが離れていても情報が得られますよ。(ちなみにクイズはかなり難しいです)
そして、そして、最後に驚きの数字を教えていただきました。昨年(2025年)の「登頂証明書」発行数、なんとなんと、「7898枚」だそう。さすが江戸最大のテーマパークだったというだけあります。今も大人気じゃないですか!
登頂理由は「東京百名山」や「日本百低山」踏破のためという方も多いようですが、「YAMAP」や「YouTube」「まんが」の影響もかなりあるようでした。となれば、今後「鈴木みきのビーパルネットを読んで」を上位に食い込ませたいですね。もしお出かけくださる場合は是非、聞かれなくても申し出てください。よろしくお願いします。
「駒下駄で越すハ御庭の箱根山」
「大久保地区」からの最寄り駅は、東京メトロ副都心線「西早稲田駅」、もしくはJR山の手線「新大久保」にも出られます。




図書館前にこんなパネルモニュメントを発見。
「戸山荘」が東海道五十三次を模していたことにちなんだもので、そこには「駒下駄で越すハ御庭の箱根山」と詠まれていて「お上手!」と思わず声が出ました。令和の私もサンダルでしたよ。と、当時の人たちに教えてあげたいものです。

突然の喧噪にたじろぎます。


「戸山公園」では、「野外演劇祭」や、「山の日」には箱根山中腹で「登頂証明書」の出張発行もしています。春は桜のほかに「大久保つつじ」も見頃になり、箱根山には13種600株のつつじが楽しめるそうですよ。ぜひお出かけください。
JR山手線「新大久保」「高田馬場」・東京メトロ東西線「高田馬場」下車徒歩10分(大久保地区)・徒歩25分(箱根山地区)
東京メトロ副都心線「西早稲田」下車徒歩6分(大久保地区)・徒歩8分(箱根山地区)
東京メトロ東西線「早稲田」下車徒歩10分(箱根山地区)
都営地下鉄大江戸線「若松河田」、東京さくらトラム「早稲田」下車徒歩15分(箱根山地区)




