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オホーツク SEA TO SUMMIT2026 出場レポート
「オホーツク SEA TO SUMMIT」とは?

海から山へ人力で移動し自然を楽しむ環境スポーツイベント。全国各地で開催されており、タイムは計測するがレースではない。オホーツク大会は、網走市と小清水町が舞台。大会で唯一、特別列車での移動がある。

ライター・スドー
モンベルと同じ歳。漕ぐ登る飲む、なんでもOKの体当たり取材担当。北海道への憧れが強く『ゴールデンカムイ』は全話読み終えている。


6月の半ば、私は北の果てオホーツクにいた。天候急変で途中中止となった前回大会から早2年、リベンジするために網走へとやってきたのだ。
オホーツク シー・トゥー・サミットは、網走市の網走湖から小清水町の藻琴山までの全長約44・5㎞を行く。今回は176名の同志とともに出発だ。網走といえば映画や漫画などから刑務所のイメージが強い。カヤックで漕ぐ網走川沿いには網走刑務所(現役の施設)の赤レンガの塀が見える区間がある。その赤レンガに差しかかると、澄んだ笛の音が聞こえてきた。モンベル辰野勇会長である。おおらかなBGMによって見ていた風景も一変するから不思議だ。ちなみに、明治期に建てられた放射状の網走監獄は、近くの天都山へと移築され現在は博物館になっている。
カヤックの後は網走駅から浜小清水駅まで特別列車での移動。「あ、ビーパル!」「ビーパルだ」。いつしか私の呼び名はビーパルに……。お声がけありがとうございます。さて、列車からは左側にオホーツク海、右側に濤沸湖。甲乙つけ難い絶景が広がっている。車内では駅弁をお供に風景を楽しむ参加者もいた。なるほど、その手があったか!
浜小清水からはバイクセクション、コース内最長の約35㎞はいわば核心部分だ。じゃがいも街道を快走して途中の小清水町役場にピットイン。ここで少し休息をとる。用意されていた補給食はなんと全てがじゃがいも由来、特産品を全面に押し出したラインアップに舌鼓を打った。
再び標高725mの藻琴山登山口を目指して走りだす。有り難いことに太陽は燦々、強い日差しが照りつけ、さらにエゾハルゼミの鳴き声が暑さを演出した。北の果ては十分に夏だった。生かさず殺さずの斜度が続き、腕時計の高度計の数値が上がるのを励みにペダルを回し続ける。徐々に木々が薄くなり冷涼な空気に変わると、後方に斜里岳が見えてきた。大きい! アイヌ語では「オンネプリ」と呼び、まさにオン(大きい)ヌプリ(山)という意味だそう。
そして最終パート、藻琴山。登山口から山頂までの高低差は約275m、ラストののんびりハイキングだ。やっとここまで来たぞ! と、屈斜路湖を鳥瞰してうれしくなった。その日本最大のカルデラ湖のはるか彼方に霞んでいるのは、阿寒の山々だろうか。標高1000mの藻琴山山頂に立ち、シー・トゥー・サミット達成。朝からの景色が脳内を一気に駆け巡っていった。
学び味わう2日間
実走は日曜だが、大会は土曜に始まる。講習会や環境シンポジウム、音楽演奏もあるウェルカムパーティーが網走市内で行なわれた。

土曜に行なわれたカヤック講習会。全くの初心者でも前日に基本的なレクチャーを受けられる。

東京農業大学西野康人教授による流氷についての話。「流氷は何も運んでこない」は衝撃だった。

ウェルカムパーティーでは「網走ちゃんぽん」と「流氷ドラフト」をいただき、翌日への英気を養う。

「おいしいですよ」
KAYAK 7.5km

網走刑務所の赤レンガを望むカヤックセクション中盤。カヤックに乗りながら笛を奏でているモンベルの辰野勇会長(青艇)。思わず音色に誘われて近づく筆者(赤1人艇)。
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特別列車 網走駅〜浜小清水駅



ひとときの休息に和気藹々とした車内。来年80歳を迎える辰野会長は「優先席」に着席。オリンピックメダリストの岡崎朋美さんはお隣の清里町の出身だ。



特別列車はキハ54形。網走駅から浜小清水駅までの約30分は、車内アナウンスでガイドが歴史を紹介、旅の情緒を盛り上げた。
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BIKE 35km

じゃがいも街道を走り、中継地点の小清水町役場へ。青空にじゃがいもの葉っぱが揺れる。

休憩所の小清水町役場。令和5年完成の複合庁舎にはカフェやコインランドリー、ワーキングスペースもある町民憩いの場。

ここでは飲食の補給ができた。ひと口コロッケにじゃがいもスイーツ「小清水とろり」、じゃがりこ……全部じゃがいも!
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高度を稼ぐと、背後に斜里岳が。長い登りだったバイクの終わりが見えてきて思わず笑みがこぼれる。
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HIKE 2km

眼下に広がるのは、屈斜路湖。20、30分歩けばこの景色が見られるので藻琴山のハイキングコースはお勧め。

●シートゥーサミットの情報はhttps://www.seatosummit.jp/
※構成/須藤ナオミ 撮影/二木亜矢子
(BE-PAL 2026年9月号より)




