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BOOK 01
パドリングの頼れる水先案内本。水を巡れば旅はもっと楽しくなる
『カヌー・カヤックフィールドガイド ROUTE66』
西沢あつし著
舵社
¥3,410

この手のガイドブックが久しく出ていなかったように思われる。やっと出たぞ! パドラー待望の一冊だ。本書は、北海道から九州までの水辺を海、川、湖と分けて紹介するパドルツーリング本。主に初級者と中級者が楽しめるルートを66本厳選、掲載エリアは北海道と本州、四国が中心になっている。数時間のショートトリップからキャンプ泊を必要とするロングまで、じつにバラエティに富む。
本書を通じて改めて日本の水辺の豊かさにしみじみと感じ入った。周りを海に囲まれているのはいうまでもなく、瀬戸内のような独特な流れを持つ内海や各地を血管のように流れる大小の川、そして悠然とした湖。なんと“水々しい”ことか。ページをめくるたびにすでに脳内トリップが始まってしまう。パドリングは自然への没入がより強く感じられる素晴らしい旅の手段だ。
その一方である程度のスキルや知識が必要。また水辺はその地域に住む人びとの生活に密接していることが少なくなく、つねに動いたり流れたり変化を伴う。自主ツアーに不安があるときは、ローカルのガイドを訪ねてみると新しい世界が開けるかもしれない。巻末にある各地のスペシャリストの一覧は、頼れる水辺イエローページとなっている。
BOOK 02
いつでもきのこ好きなものには魂が反応する
『キノコがわたしを呼んでいる』
梶尾真治著
小学館
¥1,320

幼少のころから山に親しみ、長年にわたってきのこ採りを趣味としてきた小説家が放つ、きのこエッセイ。山中や寺社軒先、ときに町中で出会した思い出深いきのこを食可・食不可に拘わらず種類別で綴る。きのこそのものにまつわる話もあれば、採取の際に偶然出会った人の話、背筋がゾッとするような話……まで。歯に衣着せぬ著者のつぶやきは正直な人柄を感じさせる。とある物影が何げなく視界に入った刹那、「きのこに違いない」とセンサーが反応するあたり、自らの軸にいつでもきのこがあることがよくわかる。毒性のあるものからひとつずつ地道に覚えていったという著者。こんなふうにして好きなものを突き詰めてみたいものだ。
BOOK 03
目と舌で感じる季節の移り変わり。野草の入門指南書
『食べられる野草 採り方・食べ方・見分け方』
長野修平、三宅克典 監修
成美堂出版
¥1,650

立夏を迎えて夏の気配を感じる季節がやってきた。野草も日増しに色濃くなっている。本書は身近な食べられる野草を分布別で紹介。摘み方や見分け方も指南する。日常的に目にしていながらも、見過ごしている野草が多いことに気付く。眼差しの解像度が少し上がるだけで、草花が個々に立ち上がってくるから面白い。
本書では調理の的確な方法や手軽な食べ方のレシピもあり、数々の野草が皿を彩っていて真似したくなる。季節の移り変わりを目と舌でじっくり味わってみよう。
BOOK 04
土地を知るには食「行ったらこれを」そんな一品を探索
『離島めし』
黒岩正和著
光村推古書院
¥2,640

現在日本は14,125の島嶼から構成されている。そのうち有人島は400超。海あるいは湖を隔てた島々には独特の文化が根付き、食は風土が色濃く出るものでもある。離島に魅せられた著者が追いかけるのは祭り。祭りもまたその土地の歴史や慣習を知る入り口だ。著者が旅先で出合った個性豊かな食べ物の数々を紹介する本書。島々を何度も訪れているだけあって、活きた情報がひしめいている。店の食事だけでなくスーパーで売られている地元食も。空腹時の閲覧は要注意だ。
※構成/須藤ナオミ
(BE-PAL 2026年6月号より)




