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2026.05.19

声よし、姿よし、の黄色い鳥。東南アジアでよく見かける「オリオール」ってどんな鳥?

Natureatyourbackyard, Flickr User, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Black-naped_Oriole.jpg

東南アジアにあるマレーシアは熱帯の自然に恵まれた国で、国土の6割が森に覆われています。わたしが住むペラ州はマレー半島の南にあります。雨林が広がる山がちな地形で、熱帯植物や蝶・昆虫も豊かなところです。鳥類も多く、家の前の公園にはさまざまな鳥が姿を見せます。

今回はさえずりが魅力的なオリオールを紹介しましょう。それではオリオールについてのクイズ4問です。

近くの閑静な住宅地で見かけたオリオール。辺りにはハトやカラスなど群れを成す鳥が少ないせいか、一軒家の庭木によく遊びに来るようだ。

【動物ドッキリクイズ・その36】オリオールのクイズです!

オリオールは群れず、たいてい2羽か3羽で動く。車通りの少ない地域では、こんな風に民家の庭に集まることも。実にうらやましい。

第1問 「オリオール」という名前の由来は?

a) さえずり
b) 住む場所
c) からだの色
d) 食べるもの

答えは「c)からだの色」。オリオールの名は“黄色”または“黄金色”を意味するラテン語のaureolusに由来します。

オリオールは鮮やかなやまぶき色の鳥です。メスの羽色は、オスに比べて少し緑がかかったオリーブ色。英名でblack-naped(うなじが黒い)orioleという通り、目のまわりに黒めがねをかけたような模様があります。羽の先と尾羽は黒、そしてくちばしはピンク色です。

鳥としては中型(体長約25~28cm)のからだの大きさで、ややぽってりした愛嬌のあるシルエットをしています。

羽を広げた状態のオリオール。羽の先に黒い部分があるのが見える。

マレー語(マレーシアの国語)ではオリオールをBurung Kunyit Besar(ブルン・クニッ・ブサール)とよびます。「ブルン」は“鳥”、「クニッ」はスパイスの“ターメリック”、「ブサール」は“大きな”という意味。中国系マレーシア人は中国語の「黄鳥」を使い、やはりからだの色が名前になっています。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: malaysia-oriole-07.jpg
オリオールのやまぶき色は遠目でもよく目立つ。そのせいか、葉の茂った高木に止まっていることが多い。

オリオールは温帯から熱帯にかけて世界各地に生息する、たいへん種類が多い鳥です。東南アジアで見かけるのはOriolus chinensisで、和名はコウライウグイス(またはチョウセンウグイス)。日本ではわたりの時期にまれに見られる旅鳥で、名前に「高麗」(コウライ)や「朝鮮」がつくのは朝鮮半島から飛来すると考えられたから。

英語・マレー語・中国語のオリオールの名前がからだの色に由来するのに対して、和名のコウライウグイスは鳴き声のうつくしさに着目しているのがおもしろいですね。もっとも、オリオールはウグイス(スズメ目ウグイス科)の仲間ではありませんが。

さて、鮮やかな黄色が印象的なオリオールはどこにいるでしょうか?

第2問 オリオールはどんなところに住んでいる?

a) 木の上
b) 草むら
c) 人家の近く
d) 川のそば

第2問の答えは「a)木の上」。オリオールは木の上におわんのような巣をつくり、ほぼ樹上で暮らします。さえずりが聞こえるのは、ほぼ枝に止まっているとき。本格的な山以外に農地や公園に住みつくこともあり、マレーシアやシンガポールでは住宅地でもよく見かけます。

見晴らしがよさそうな、やしの木のてっぺんでさえずるオリオール。

オリオールは灌木(丈の低い木)よりも高い木を好みます。わたしの住む辺りでは、近くの学校のそばに立つ高い木の付近でよく姿を見かけるので、近くに巣があるのかもしれないと見当をつけています。通りかかるときにはいつも、すぐ写真を撮れるようにカメラを準備。

うつくしい芝生の前庭がある公立の女子校。右側の高い木がオリオールのお気に入り。

第3問 オリオールが特に好む食べものはどれ?

a) 魚
b) 木の実
c) 野菜
d) 草木

オリオールは水分の多い甘い果実を好み、特にいちじくが大好き。このため英語圏ではオリオールをfig bird(イチジク鳥)ともよびます。ということで、答えは「b)木の実」。

家の前の高い木にオリオールがよく遊びに来ると思ったら、マンゴーの実がなっているのに気づきました。マンゴーもオリオールの好物。他にクモや毛虫、昆虫などもえさにします。

シンガポールでは市内の長距離バスターミナルのすぐそばでオリオールを見かけた。付近は再開発の工事が進んでいる最中で、こんな街なかに来ることもあるのかとびっくり。
なぜかマレーシアの長距離バスターミナルでもオリオールを見かけた。発着するバスを見下ろしながら、高いこずえでさえずるオリオール。

第4問  野生のオリオールに出会いやすい時間帯は?

a) 夕暮れどき
b) 早朝
c) 昼間
d) 夜

熱帯では、昼にかけて日差しが強くなると、だんだん地表に熱気がたまって暑くなってきます。オリオールは日中や夕方にも姿を見せますが、やはりまだ涼しい午前中の方がよく見かけます。

というわけで、答えは「b)早朝」。

オリオールは夜が明ける前から鳴き始め、空が明るくなるころに活動を始めます。朝は眠りから覚めてえさを探しに出てくる時間帯なので、木の多い公園などに行くとよいでしょう。

英語にThe early bird catches the worm.(早起きの鳥が虫を捕まえる、「早起きは三文の徳」)ということわざがあり、これは野鳥観察にも当てはまります。オリオールのさえずりを聞くのが楽しみで、わたしは夜明け前に起きて早朝から近所を歩き回っています。

マレーシアにいらしたら、ぜひ早起きして外に出かけてみてください。気持ちが明るくなるような、オリオールのうつくしい鳴き声が聞こえるかもしれませんよ。

こんな晴れた日はきっとオリオール日和。大きな木のある公園へ。

ところで、オリオールはソング・バード(鳴鳥)として知られ、澄んだ高い声で歌うように鳴くのが特徴。さえずりには節があり、『小学館の図鑑NEO』では「ケンチャーナヨー」、英語版ウィキペディアではiwee wee wee-leeowなどと表記されています。耳をすませていると、同じフレーズを何度か繰り返して鳴くことが多いようです。

和名ではコウライウグイスのオリオールは、スズメ目コウライウグイス科の鳥です。しかし、アメリカで「オリオール」とよばれる鳥の多くは別種。

たとえばアメリカの野球チーム「ボルチモア・オリオールズ」の名は、拠点にしているメリーランド州の「州の鳥」オリオールにちなんだものです。このボルチモア・オリオールは北アメリカに生息するムクドリモドキ科の鳥で、コウライウグイスの仲間ではありません。

オリオールはあちこちで親しまれている分、なかなかややこしいことになっています。

森 純さん

東南アジアを回遊する旅人ライター

マレーシア在住10余年。東南アジアと日本を往復する現役バックパッカー。ひとの暮らしに興味があり、アジアの生活文化の観察を新聞・雑誌・Web媒体、ラジオなどで紹介している。旅先では動物園や水族館を訪ねたいどうぶつ好き。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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