
はい、ドイツのザクセン州の州都ドレスデンという街に滞在しています。でも隣国にサクッと足を延ばせるのもドイツをはじめとするヨーロッパ諸国の楽しいところです!
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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ドレスデンから日帰り圏内です!(ドイツ・ザクセン州旅その4)
ドレスデン周辺でのハイキングを調べていたところ気になる場所が見つかりました。世界三大天然橋「プレビッシュトアー」です。
この世界三大天然橋「プレビッシュトアー」があるのはチェコ西部のボヘミア地域。ドレスデンからは日帰りできるアクセスのよさです。
ドレスデンから近郊列車1本で50分。Schmilka-Hirschmühle駅で下車して、すぐのところにある橋を渡りながら国境を越え、徒歩7分。チェコ側のバス停からバスに乗り、12分のところにある「プレビッシュトアー」最寄りのバス停で下車。あとは歩いて37分です。
というのも私が訪れた2025年7月初頭はちょうど線路の補修工事かなにかで、近郊列車が手前のバート・シャンダウ(Bad Schandau)駅までしか行かなくなっていて、代替輸送のバスやらを使わなければならない状況に。それでも前向きに出発です。


対岸の船着き場から歩いて1分ほどの「Elbkai, Bad Schandau」というバスターミナルからバスに乗って、チェコとの国境の町にある「Schmilka Grenzübergang」というバス停で降ります。
いざ道路を歩いて国境越え!
ここで別のバスに乗り換えて国境越えをして、乗車時間12分で「プレビッシュトアー」最寄りのバス停に行くのが賢いルートです。
でもここで私の頭の中に巣くっている「いたずら大好きな悪魔くん」がこんなふうにささやきかけてきたのです。「橋を渡っての国境越えはゲルリッツで経験したけど、大地を歩いての国境越えってしてないよね? それでキミは満足なわけ? せっかくヨーロッパ大陸にいるのに」
他人の挑発は平気でスルーできるのに、悪魔くんにかかるとお釈迦様の手の上の孫悟空。「なあ。オーストリアで地下を歩いてドイツに渡ったことまである〈国境越えのプロ〉のオレが、大地でしないわけないだろ?」ともう売り言葉に買い言葉です。ちなみに「地下の国境越え」は下記を。
調べたところバスなら12分で行ける「プレビッシュトアー」への最寄りのバス停まで、徒歩でもたった1時間7分。「余裕で行ってみようかな」ということで「徒歩で陸路国境越え体験」を選ぶことにしました。


人生で初めて道路の上を歩いて国境を超えます。

この看板があったのは左上の川の右岸で国境を越えたところ。このまま南下してフジェンスコ(Herensko)という拠点の集落まで行き、そこから赤い線のルートを進むのが今回の計画です。
だけどこの日の予想最高気温32度で、午前10時すぎでもすでにむちゃくちゃ暑いです。「バスに乗ったほうがよかったか」と早くも後悔し始めました。

初夏または秋のヨーロッパでのサイクリングはやってみたいことの一つです。
商店街やらでにぎわうフジェンスコの集落
歩き始めてから26分後の10時32分、フジェンスコの集落に到着。

服や帽子を売っている店が多いですが、昔懐かし系のおもちゃを売る店も。


ノンラーと呼ばれる三角の笠をかぶっている人が多い印象でした。
フジェンスコの集落に入って2~3分で商店街からホテルやレストランの多い場所に。





安全かつ気持ちいいのはもちろん遊歩道だけど、日陰が多い車道のほうが涼しいかな? そんなふうに考えてしまうくらい暑いです。
出発からちょうど1時間後の11時6分、またバスに追い越されました。本当に暑くて苦行の様相を呈してきました。「道路を歩いて国境を越える」という明確、かつどうでもいい目的がなければ、バスに乗った方がやっぱり正解でしたね。

ようやくハイキングコースへ

ここからは歩行者専用のハイキングルートです。
このあたりは砂岩が崩れた土地なので、地面が白い砂。その照り返しが強いのも暑く感じる理由の一つだと思います。
「地図を見るとこの先折り返しになるはずで、そこからは日陰になるのかな」。ずっとそんなことを考えながら歩いています。気分はオアシスを探してさまよう砂漠で迷った異邦人。

でもまた日向になりました。

弱り果てた顔をしていた飼い主ですが、「彼か彼女は賢いですね」と冗談をひとこと言うと笑顔がもれました。
歩行者専用のハイキングコースに入ってから30分ほどで階段や橋が見えてきました。



絶景の展望台と絶望的なナイスガイ

入場料はクレジットカードだと125チェコ・コルナ。ユーロ札で払うと5ユーロ。いずれにせよ約870円です。
その先左右にわかれますがまずは左のほうへ向かうことにしました。階段を確か20~30段上がります。


たまたま居合わせた英語ツアーのガイドも「ここがベストの撮影ポイント」と参加者に伝えていました。というわけでプロであるガイドさんのオススメに従ってここで撮影。
その先に2つ展望台が並んであります。

もう1つはさきほどの英語ツアーの客が先にいたので、撮影が終わるまでしばし待ちます。でも。

柵の向こうは当然断崖絶壁です。「立っちゃえば安定しているよ」とガイドは客にうそぶいています。そこで私もプロであるガイドさんのオススメに従ってここで…なんてことはもちろんしません。よい子のみなさんも絶対にマネしないでください。

暑い中、がんばって来た甲斐がありました。



この岩陰はぐるっとまわれるのではなく、すぐに行き止まりです。

12時43分出発してきた道をもどります。
そして13時15分発のバスに飛び乗ることができました。
最後に
しかしドイツのホテルに滞在してチェコの自然を楽しめるのですから、陸続きのヨーロッパはおもしろいです。でも考えてみたら昼食はサンドウィッチ持参で、レストランで食事などもしていないので、チェコでは天然橋「プレビッシュトアー」の入場料125チェコ・コルナと帰りのバス代20.2チェコ・コルナの合計約1000円しかお金を使っていません。ごめん、チェコ。今度はちゃんと滞在する!
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
ドイツ観光局
https://www.germany.travel/en/campaign/german-local-culture-jp/home.html
ザクセン州観光局(英語サイト)
https://visitsaxony.com/