
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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「ザ・難攻不落」の「ケーニヒシュタイン要塞」へ!(ドイツ・ザクセン州旅その3)
前回訪れた「バスタイ橋」とその周辺のハイキングを終えたのが13時半頃。宿をとっているドレスデンから30分以上かけて電車に乗ってせっかく「ザクセンスイス国立公園」まで来たのだから、どこかもう一ヵ所くらいハイキングしたいな。
そうして目指すことにしたのが「ケーニヒシュタイン要塞(Festung Konigstein)」です。「ザクセンスイス国立公園」には他にも無数のハイキングコースがあるのですが、前回の「バスタイ橋」で「ザ・自然」「ザ・奇岩」を堪能したので、今回は少し趣向を変えたかったというのもあります。
そして「バスタイ橋」に行く途中の「ノイラーテン城」という城跡が「臨時休業中」とかで入れなかったのも、「城っぽいところ行きてえ~」という気分にさせたのだと思います。
さらに「ケーニヒシュタイン要塞」の最寄り駅であるその名も「ケーニヒシュタイン」は、「バスタイ橋」のある「クアオルトラーテン(Kurort Rathen)」からたった5分乗車の隣駅でアクセスが容易だったことも理由の一つ。
そんな「ついで」感や「せっかくだから」感満載の目的地でしたが、いい意味で期待を裏切られました!
14時11分に駅を出発。最初に坂を下っていくと途中から石畳の道になります。

出発から5分後、右に折れて石畳の坂を登り始めます。

本当に旅は楽になりました。ありがとう、Googleマップ先生!

どうしようかと絶望に浸っていたら、たまたま地元の人が通りかかりました。「要塞に行きたいんです。地図アプリによるとここはまっすぐ行けるみたいなんですけど行けなくて…」「ああ、左に曲がって10メートルくらいしたら階段があって、この崖の上に登れるんですよ」と教えてくれました。
その通りに進むと家の軒先を通るようなルートが本当にありました。ありがとう、地元の人!



いよいよ要塞に到着!圧巻の高さと広さ
出発から40分ほどで城壁と岩を融合させたようなものが見えてきました。

高さは最大で42メートル。目の前にした敵は絶望感に打ちひしがれたことでしょう。攻めるとしたら兵糧攻めくらいでしょうか。
ちなみにこの「ケーニヒシュタイン要塞」が文献に最初に登場したのは1241年なのだとか。

そして洞穴のようなところに入っていくと、そこはエレベーター乗り場でした。「勇者として召喚された」感が半端なくて、なかなかいい気分。

絶景が目の前に!
威風堂々と降りると…。

新たな将軍の登場に狂喜乱舞する兵たちの雄叫びが聞こえてきそう。

なんとも広い要塞・・
それはそうとこのスペースがかなりの広さで…。


「ひょっとしたらとんでもない巨大要塞にいるのでは・・」とこっそり調べてみると、なんと城壁の周囲は1.8キロメートルもあるとのことです
さきほど「攻めるとしたら兵糧攻め」と書きましたが、取り囲むだけでも大変そう。しかも要塞の中には深さ152.5メートルとヨーロッパで2番目に深い井戸もあるとのことで、飲み水も自給自足できそう。
城壁の内側をグルッとまわる周回路があるので進んでみましょう。
要塞内には50以上の建物が現存していて、そのいくつかは小さな博物館になっています(レストランやカフェもあります)。


要塞の南西部分から歩き始めたのですがぐるっと北東に半周したあたりから、近くを流れるエルベ川を眺められます。


対岸の「半島」みたいになっているところの幅は2キロメートくらいあります。


ぐるっと一周だけでもかなりのものなのに、すべて歩いたらどれくらいになるのか想像もつきません。とにかくこんなにデカい要塞は初めて見ました。
要塞内の広さでいうとポルトガルの世界遺産「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」などもっと大きなものもあるようですが、台状の丘の上という立地から来る「難攻不落」度はこの「ケーニヒシュタイン要塞」は世界トップクラスかもしれないですね。
あちこち立ち寄ったり休憩したりしたこともあり、歩き始めて1時間40分後の15時50分、とりあえず城壁内1周を完了。エレベーターで戻るのもいいですが歩道もあったので、そこから降りることにしました。

この下の門がチケット売り場になっていて、係員に聞くとそのまま降りていくと最初のエレベーターの入口付近に出るとのことでした。

「パトロール用小道」を探検!
このままバスで駅に戻ってもいいのですが、先ほどの門のところのチケット売り場に置いてあったマップを見ると、城を一周するような「パトロール用小道」があるようです。

その小道に入る前の看板には「1805年にパトロールと建物の維持のためにつくられた」とありました。そしてここでも「損傷している道で落石の可能性もあり。自己責任で」との文言。
冒険心をくすぐられて進んでみることにしました。もちろん危ないと感じたらすぐ引き返すつもりです。



前々回書いたゲルリッツの教会内の秘密のツアーじゃないですが、これはこれで「舞台裏」を見せてもらっているようでたまりません。「平城ではなく山の上の要塞のまわりをぐるっと一周する」というのはたぶん人生で初めての経験です。
前々回はこちら↓
歩き始めて30分後に元の地点に到着しました。先ほど書いたようにバスで駅まで戻ることもできるし、この日は猛暑日で暑くて疲れたのですが、なぜか来た道を歩きたい気分になりました。すると…。


次の列車まで余裕があったので15分ほどこの景色を堪能します。
列車が30分に1本とかしかないのは不便といえば不便。でもスケジュールがキチキチでない余裕のある旅もいいものです。
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
ドイツ観光局
https://www.germany.travel/en/campaign/german-local-culture-jp/home.html
ザクセン州観光局(英語サイト)
https://visitsaxony.com/
ザクセン州観光局(ケーニヒシュタイン要塞)
https://visitsaxony.com/poi/koenigstein-fortress-koenigstein