現地ガイドと行くシンガポール「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.09.29

現地ガイドと行くシンガポール「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

現地ガイドと行くシンガポール「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
ドイツからオーストラリア・ブリスベンにあるわが家への帰り道。当初はシンガポールのチャンギ空港で2時間ほどの乗り継ぎをするつもりだったのですが、とにかく1ヵ所だけどうしても寄りたいところがありました。

それは「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ(Gardens by the Bay)」。シンガポール中心部の埋め立て地につくられた広さ101ヘクタールの公園です。

ところがここで思わぬ再会が…。

どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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これは夕方の姿。

東京ドームが約4.7ヘクタールなので、「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ」はその20倍以上の広さ。東京の代々木公園や上野恩賜公園の約2倍です。

その中でも絶対にこの目で見たかったのが、「スーパーツリーズ」と呼ばれる巨大な人工の木々18本が、夜空を背景に輝く姿。ちょっと映画『アバター』にも似た幻想的な風景です。

以前お世話になった方と再会ができました!

夜になったらどんなにきれいなんだろう? そんなふうに思いを馳せながら私がメインエントランス付近で待っていると、やってきたのがこの女性。

ちょっとメガネをかけてお姉さんになっていますが…。

そう、2023年に執筆した6回にわたる【パース旅】シリーズで、「おっちょこちょいのオジサンを懸命にサポートする賢明な姪っ子」といった役柄で登場してくれたシンガポール人ジャーナリストのヤエンです!

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シンガポールに行きはするけど「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」に寄って帰るくらいしか時間がないから、残念ながら会えないだろうな。そう思いながらも一応連絡してみたところ、「私、じつは数ヵ月前にそこのコミュニケーションマネージャーになったんだよ~」というまさかの返事!

いわゆる「PR担当」に近い仕事でもあり、「私が案内してあげるよ~」と申し出てくれました。

「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ」の地図。メインエントランスは中央からちょっと右の位置寄りです。

じつはかなりエコな「ハイブリットガーデン」なんです!

さてネオン輝く「スーパーツリーズ」がそびえ立つ「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ」をこの「BE-PAL.NET」で紹介することを、みなさんは不思議に思われるかもしれません。一見テーマパークのナイトパレード風。「自然を排除した人工的なガーデン」にも見えます。どこにも「アウトドア要素」「ネイチャー要素」がないではないかと。

でも実際は正反対。じつはここ、ちゃんとした「植物園」または「植物あふれる庭園」なのです。最初の2つの写真にあるように「スーパーツリーズ」のまわりに緑がたくさん植えられているだけではありません。
「スーパーツリーズ」そのものの「幹」の部分も電飾だけではなく、「植物」がびっしりと植えられているのです!

つまりここは自然の植物に人工的な光を融合させた「ハイブリットな植物園」、かつエンタメ要素を高めた「未来型植物園」「進化系植物園」なのです。

と偉そうに講釈を垂れましたが全部ヤエンの受け売りです。2年ぶりの再会ですが相変わらず「おっちょこちょいのオジサンを懸命にサポートする賢明な姪っ子」という図式は変わりません。いや、むしろさらに進化しています。…いや、私の退化か。涙

確かにちゃんと見ると「幹」の部分には植物がびっしり!

環境に配慮された施設とのこと!

ヤエンによるとこの「スーパーツリーズ」の幹の部分は「バーティカルガーデン」、つまり「垂直の庭園」というアイディアなのだそう。ただし地上のように土から雨水を吸い上げるのはむずかしいので、水をあまり必要としない植物を植えているのだとか。

そしてその植物の緑が園内を少し涼しくするのに役立っています。日本の夏にアサガオやヘチマとなどで「緑のカーテン」をつくるのと似ていますね。

この「スーパーツリーズ」の幹部分の植物のお世話は、まだお客さんがあまり訪れていない早朝6時頃からクレーンなどを使って行うとのこと。逆に言うとその時間に来れば珍しいメンテナンス作業がみられるかもです(ちなみに「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ」のほとんどの場所は午前2~5時は閉鎖します)。

さらにヤエンによると「スーパーツリーズ」の上などに設置したソーラーパネルや敷地内のバイオマス施設により、「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ」の電力消費量のそれなりの割合を補っているのだとか。光り輝く美しさだけでなく「エコ」にも配慮しているです。

この「スーパーツリーズ」のほかにも無料の植物園・庭園エリアが充実していて、それらを歩きまわるだけでも楽しいのですが、様々な有料アトラクションを用意されています。

ヤエンにまず連れてきてもらったのは…。

エレベーターで上がる「スーパーツリー展望台(Supertree Observatory)」。

「スーパーツリーズ」のうちの1本の上、高さ約50メートルのところに設置されています。ヤエンの手前、「すげえ」と感動してやりたいところですが…鉄のパイプで結構視界が遮られていてイマイチ。

と思ったら階段でもう1階上がるんかいっ!

先に説明しろ、ヤエン! ただでさえ思い込みの激しい相手だってことは、たった1週間弱いっしょだったプレスツアーで充分にわかっているだろ?笑

やってきた「屋上」からはちゃんとガーデン全体が見渡せます。爽快です。

写真の手前側に、確かにソーラーパネルが見えますね。

大迫力の室内滝と動く恐竜「OCBCスカイウェイ」

次に向かったのは私が「絶対に行きたい」と希望を出していた「OCBCスカイウェイ(OCBC Skyway)」です。

「スーパーツリーズ」を高さ22メートル地点でつなぐ空中回廊で、長さは128メートル。

「BE-PAL.NET」っぽいアドベンチャー要素満載ですし、ここから見る「ハイブリット植物園」はたぶん唯一無二の景色でしょう。

下から見ると大迫力。
ところが「ただいまの待ち時間は30~40分」との表示。

ヤエンによると無茶苦茶混んでいるときは1時間~1時間半待ちになることもあるのだとか。午前中や昼過ぎは比較的空いているそうですが、夕方以降に人が殺到するのはわからないでもありません。

私がここにいられるのは最大で3時間くらいなので、「OCBCスカイウェイ」はとりあえず後回しにして、ディナータイムに。

食後に向かったのが室内施設である「クラウドフォレスト(Cloud Forest)」。言ってみれば超巨大な「温室」です。

入ってすぐに天井付近からあふれ出る巨大な滝が出迎えてくれました。

「さすがはシンガポール。ドバイと同様、やることが違う」と度肝を抜かれていたら…。

動く原寸大の恐竜が登場。これがマジで迫力満点!
あまりの迫力に「ワオッ!」とか「グレート!」とか単語を発するのみのオジサン。

もともとあった「クラウドフォレスト」という天井がとてつもなく高い温室植物園に、映画「ジュラシックワールド」の世界観を盛りこんでアトラクション化したものです。確かに原初の姿に近い熱帯植物に覆われた温室に恐竜は似合います。

ということでここは今「クラウドフォレストフィーチャリングジュラシックワールド(Cloud Forest featuring Jurassic World)」という名称なのだとか。期間限定ですが終了時期は未定です。

ここでヤエンが「あっ、雨が降って来たね」。室内にいましたが音でわかったとのこと。

7時45分と8時45分からある「ガーデンラプソティー」という「スーパーツリーズを用いた音と光のショー」も楽しみにしていたのですが、このままでは見られなそうです。はい、このままでは。

Vサインでパシャリ。

この「クラウドフォレスト」の中には様々な部屋があります。その中でも壁も床も熱帯植物の映像が映し出されている「クラウドフォレストギャラリー」と呼ばれるスペースが素晴らしく幻想的でした。

所定の位置に足を置くとその床から壁に向かって光が流れ、花が咲きほこります。

カップルでもファミリーでも楽しめること間違いなし。実際何度も来ているヤエンも子どものようにはしゃいでいました。笑

その後、世界のラン(蘭)を集めたエリアに。そこでヤエンが「これは食虫植物」と見せてくれたがウツボカズラ。

確かにハエとかハチくらいならサクッと入れる大きさ。

そういえば彼女といっしょだった「ワイルドフラワーを見るツアー」では、ガイドが「これが食虫植物」と見せてくれようとしたのだけどどれだかわからず、「どこどこどこ?」状態になったことを思い出しました。

聖地パースで「ワイルドフラワー」探検に参加。ん?危険な花って…なに?【オーストラリア・パース旅vol.2】

また「世界最小のラン」も植えられているのですが、なんといっても「世界最小」。

というわけで虫眼鏡で拡大して見られるようになっていました。

このちょっとした工夫がなかったらこれも、「どこどこどこ?」状態になっていたところです。というわけで「エンタメ要素」が目立ちますが、「学習要素」もしっかりある植物園なのでした。

「奇跡の再会」の最後の奇跡!

さてさてその「クラウドフォレスト」の建物を出るとなんと雨は上がっていました。そしてどこからか聞こえてきたのがディスコサウンド。

「あっ、ガーデンラプソティーが始まっている!」とヤエンが言うのでのよく見えるエリアへと走ります。これがまた幻想的かつ大迫力。

スーパーツリーズたちの色が…。
…サウンドに合わせてピカピカと変わっていきます。

これは本当に必見です! しかもこのショー、無料で楽しめます!

ヤエンによるとこの「ガーデンズ・バイ・ザ・べイ」の95パーセントのエリアが無料なのだとか。それは「ピープルズガーデン」、つまり「人々に開かれた庭園」というコンセプトがあるからです。

外国人観光客は「せっかく来たのだから」と有料アトラクションを利用する人が多いですが、普段から通えるシンガポールの人たちは無料エリアの散策や夕涼み、そして「ガーデンラプソティー」を鑑賞して帰る人も多いそうです。

ちなみにシンガポールには「ガーデンシティー」というヴィジョンがあります。初代首相でシンガポールの発展の礎を築いた巨人リー・クアンユー氏が今から半世紀以上前の1967年に提唱したもので「緑と融合した都市」くらいの意味です。

そして2001年にはそれを「シティー・イン・ザ・ガーデン」に発展させました。「緑の中にある都市」という意味ですね。

シンガポールというと今日本では「スーパーシティー」ぶりばかりが伝えられているような気がします。でも「シティー・イン・ザ・ガーデン」の「自然との調和」の部分ももっともっと紹介したいなと思いました。

なぜならシンガポールは緑の宝庫である「熱帯」に位置する世界でも珍しい大都市だからです。ニューヨークやロサンゼルス、ロンドンやパリやベルリン、上海や東京といった「温帯の大都市」とはまた別の魅力を持っているからです。

という感じで大満足の時間を過ごしたあとにハタと気づきました。「あっ、当初の目的だったOCBCスカイウェイ、行ってないじゃん!」と。だが時すでに遅し。9時までの営業時間を過ぎてしまっていました。

とはいえ「スーパーツリー展望台」も「クラウドフォレスト」も「ガーデンラプソティー」もどれも外せないほどの楽しさ。「OCBCスカイウェイ」は次回の楽しみということにしましょう。

ちなみにこれはヤエンにもらった「OCBCスカイウェイ」の画像。

ヤエンは最後に「スーパーツリーズを見るベストスポットの一つ」に連れて来てくれました。

ちょっとした高台の上なので「見上げる」のではないスーパーツリーズが楽しめます。

しかも人があまり来ない隠れ家的スポットです。次回はここから「ガーデンラプソティー」のショーを眺めることにしましょう。

旅先では「朝ウォーク」をオススメしていますが、ここは予想通り「夜ウォーク」が素晴らしかったです。でも改めてサイトを確認すると、昼間によさそうな場所もたくさんあります。

また来たいな。いや、絶対にまた来る!

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

Gardens by the Bay(英語のサイト)
https://www.gardensbythebay.com.sg/

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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