22年ぶりのチャンス到来!12月8日夕方、土星が月の影にじんわり隠れる「土星食」を見よう | 天体観測・星 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

天体観測・星

2024.12.07

22年ぶりのチャンス到来!12月8日夕方、土星が月の影にじんわり隠れる「土星食」を見よう

東京は18時19分に影の深い所から潜入する。19時2分に出現。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)」

12月8日の夕方18時過ぎ、土星が月に隠される土星食が起こります。土星の大きさと月の動きが感じられる12月の天体ショーをご紹介します。

 夜間に広範囲で見られるのは22年ぶり

実は、土星が月に隠される現象は今年725日の朝にも起きていました。もうすっかり太陽が昇った後なので肉眼では見られなかったのです。

地球上のどこかから見て土星や火星などの惑星が月に隠される惑星食は、それほど珍しい現象ではありません。しかし夜間に観察できる条件でとなると、それほど頻繁ではありません。今回は本州の大部分と四国などで見られます。これだけ日本の広範囲で、夜間に見られるのは2002年以来になります。

今回の土星食、月は月齢7の上弦です。18ごろに食が始まるので、月も南中頃で空高く、観測条件は良好です。肉眼でも土星が隠れる瞬間を見られますが、双眼鏡があるとさらにはっきりわかります。

仙台は18時28分潜入、19時00分出現。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

大阪は18時21分潜入、18時47分出現。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

那覇は17時54分潜入、18時29分出現。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

上の画像のように、月に隠される潜入時間と月から出てくる出現時間は、地域によってバラつきがあり、潜入する位置も違いますのでご注意ください。いずれも土星が月の影の部分に潜入する瞬間が見どころです。

東京では1819分に、土星が月の影の部分に潜入していきます。この瞬間が見どころです。一気に消えるのではなく、じんわりと消えていきます。これが恒星だと、一瞬で隠れてしまいます。画像では、土星は小さな点に見えますが、じんわりと時間をかけて消えるのは、それだけ土星が近くにあり表面が見えているからです。土星食では月の動きと土星の面積を感じられることでしょう。

2年前の118日に、皆既月食と海王星の食が同時に起きるという非常にな現象がありました。この時、海王星が月の影に潜入して完全に消えるまでかかった時間はほんの数秒間。ほぼ一瞬にして消えていきました。

今回の土星食は、地域によりますが、もっと長い秒数をかけて、じんわり消えていくでしょう。いちばん浅い角度で潜入する関東では1分くらい潜入が楽しめるはずです。

土星の出現の瞬間は、月の明るさが眩しすぎて肉眼ではよく見えないと思います。見どころは潜入時。お見逃しなく。

 月スレスレをかすめていく「接食」のチャンスも

完全に潜入しきらない地域、九州の一部から中国地方、能登半島、東北方面でも、土星食は楽しい天体ショーになります。逆に、天体マニアにはこちらのほうを楽しみにしているかもしれません。月を縁すれすれにかすめ、一部だけ隠れる現象を「接食」と言います。

望遠鏡での観察が条件になりますが、土星が月の影にチカチカと隠れるのが見どころです。月の地形によって土星の隠れ方が変わります。これも土星の大きさと月の動きを実感できるでしょう。

 12月14日にはプレアデス星団食。ふたご座流星群も

 12月にはもうひとつ、楽しい食現象が起こります。1214日の未明、すばるの和名で知られるプレアデス星団食です。プレアデス星団の中を月が通過していきます。

ただ、この日は月齢13日。満月に近く、月の影の部分が少なく、潜入の瞬間が見にくくなります。そもそも、星団の食を肉眼で見ることはかなりむずかしいので、双眼鏡をおすすめします。

プレアデス星団食は14日の未明3時頃から始まります。実は同じ時間帯に、ふたご座流星群がピークを迎えています。ただしこれも月齢13の明るい月が、すぐ近くのプレアデス星団で輝いているので、決して条件はよくありません。

 12月半ば、師走の土曜の未明に、プレアデス星団の食を観察しつつ、たまに月から目を離して東の方角に目を向けてふたご座流星群。ふたつの天体ショーが同時に楽しめるのはなかなかレアものです。寒空の下、防寒対策を取って冬の天体ショーをお楽しみください。

12月14日の未明3時半ごろ。プレアデス食とふたご座流星群の見ごろが重なりました。 (画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

プレアデス星団に双眼鏡を向けてみよう。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

 

構成/佐藤恵菜

私がガイドしました!
星空案内人
廣瀬匠
星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、

アストロアーツより、2025年の天文現象の見どころと楽しみ方をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2025が好評発売中。

 

NEW ARTICLES

『 天体観測・星 』新着編集部記事

「本当の三日月」を見るチャンス! 3月20日と21日、金星と細い月、地球照を見よう

2026.03.18

【2026】見逃すと次のチャンスは3年後! ひな祭りの夜は皆既月食の赤黒い月を見よう

2026.02.28

冬の大三角でいちばん明るい星はシリウスじゃなかった! 絶対等級で比べた星の輝き

2026.02.19

北の空に輝く五角形のぎょしゃ座。なぜ戦車を発明した男性は子ヤギを抱えているのか?

2026.02.11

仲良し兄弟には別の顔がある? ふたご座兄弟の秘密に迫る

2026.01.24

2026年1月7日の「レグルス食」で、暗い空にしし座の心臓が出現!

2026.01.01

2026年見ておきたいドキドキ天文現象5選! 「レグルス食」「金星と木星の接近」「新月の夜の流星群」ほか

2025.12.28

今年最後の天文ショーは年越し「すばる食」!南の「長寿の星」も見るチャンス!

2025.12.27

【2025年】12月14日から見頃!「ふたご座流星群」を木星、冬のキラキラ星座と一緒に観察しよう

2025.12.12