
星に願いを、流星に願いを。2026年もドキドキわくわくの天体ショーが続きます。天文現象は一期一会。南に行けば南の、北に行けば北の星空が見られます。2026年も街明かりを離れ、満天の星を見上げましょう。注目の天文現象を5つご紹介します。
1月7日、しし座レグルスが暗い空にポッと現われるレグルス食
1月7日の未明、しし座の1等星レグルスが月に隠されるレグルス食が起きます。(九州の宮崎-佐賀を結ぶラインより南西部では見られません。)
月の明るい側にレグルスが隠れます。そして月の欠けた側の暗い空からレグルスがポッと出現する瞬間をキャッチしましょう。

上の図のように、レグルスが隠される場所、出現する場所、その時刻、いずれも地域によって異なります。観察の前に、この地点と時刻をしっかり確認しておきましょう。
月齢18で月はかなり明るいので、双眼鏡か望遠鏡での観察がおすすめです。
レグルス食が終わる頃の空はオリオンが西に傾き、東におとめ座が昇ってきています。冬の大三角と春の大三角、両方が見られます。
1月と12月、2度極大を迎えるくじら座のミラは何等星に?
秋の星座くじら座。下図のようにくじらというより化けものです。この化けものの心臓にある赤っぽい星がミラという変光星です。明るくなったり暗くなったり、不思議な挙動をすることからミラ=不思議なものと名づけられています。
ミラは10〜11か月周期で明るくなったり暗くなったりを繰り返します。2026年は1月下旬ごろと12月中旬ごろに極大を迎えます。1月は、20時くらいの南西の空に、お尻から沈んでいくくじら座が見えます。一方、12月中旬の同じ時刻だと、くじら座は真南で高く輝いています。
予想ではミラは3等級になりそうだとされています。実際にどれだけ明るくなるかは、その時になってみないとわかりません。ぜひ自分の目で確かめてみましょう。


皆既月食は見逃すと3年後! 3月3日ひな祭りのゴールデンタイムが見時
3月3日の日没後、全国的に皆既月食が見られます。部分月食の始めから皆既になり、元の満月に戻るまで、ぜんぶ見られます。
時間的には皆既食の始まりが20時5分、皆既食の終わりが21時3分。一般家庭なら夕飯が終わった後のゴールデンタイムといったところではないでしょうか。
ひな祭りの晩に皆既月食も楽しめる。なかなかレアな出来事だと思いませんか。ぜひお子さんと夜空を見上げて、この不思議な現象を楽しんでください。
月食は、月が地球の影に入ることで暗くなる現象です。太陽の光が入り込まない影を本影といいます。月が本影に入っていくと、月の色が赤黒い色に染まっていきます。よく赤銅色(しゃくどういろ)と表現されます。徐々に暗くなる空に赤銅色の満月が浮かびます。双眼鏡で月のウサギを観察するのもおすすめです。

皆既月食が終わる21時頃には南の空にオリオン座やおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンなど冬の星たちがキラキラと輝いています。
次に日本で皆既月食が見られるのは2029年1月1日。3年近く見られません。お見逃しなく!
宵の明星、金星に注目の1年。6月9日は木星に接近
4月の中頃から金星が西の空で存在感を増してきます。今年は10月頃まで西の空で宵の明星として輝き、木星やしし座レグルスなどと接近、数々の見せ場があります。
晩春から梅雨入りの頃にかけて木星にどんどん近づいていきます。木星はふたご座のポルックスのそばにいてあまり位置は変わらないのに対し、金星がグングン近づいていきます。最接近は6月9日です。
この頃、日没が19時近くなります。薄明の中、金星と木星という、ワンツートップの明るさをもつふたつの惑星の明るさ比べに注目しましょう。

その後、7月9日になるとしし座の1等星レグルスに接近します。レグルスは1.4等と1等星の中では一番暗い星です。圧倒的に明るい金星の前でどのように見えるのかに注目です。
好条件! 新月の夜に流れるペルセウス流星群
3大流星群のひとつペルセウス流星群は7月下旬から8月半ばまで長く楽しめる夏の風物詩です。ピークは8月13日の朝11時頃なので、見ごろは12日夜から13日の朝まで。そして12日の夜は新月! 月明かりにジャマされずひと晩中、流星群が楽しめます。
放射点(流星群のすべての流星の軌跡を逆に辿って到達する1点)が高く昇るほど、流星はたくさん流れます。13日のピークに向け、12日深夜から明け方にかけて流星の数も増えていくことでしょう。薄明の中に流れる流星が見られるかもしれません。
2026年もよい星空に出会えますように!

構成/佐藤恵菜








