見逃すと次のチャンスは3年後! ひな祭りの夜は皆既月食の赤黒い月を見よう | 天体観測・星 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

天体観測・星

2026.02.28

見逃すと次のチャンスは3年後! ひな祭りの夜は皆既月食の赤黒い月を見よう

2025年9月8日の皆既月食。(画像:内藤誠一郎)

3月3日の夕方から月食が始まります。日本全国で部分食の始めから皆既食、そして部分食の終わりまでが見られる好条件の皆既月食です。ひな祭りの夜、ゆるゆるじっくり楽しみましょう。

皆既食の最大は20時34分

月と地球と太陽が一直線に並ぶとき、月食が起こります。というと、満月のたびに月食が起こると思われるかもしれませんが、月の軌道は地球から見て少し傾いているので毎回は起きません。地球がつくる影に月の軌道が入る時だけ、月食は起こります。

下の図のように地球がつくる濃い影を「本影」と言います。本影の周りの少し明るさが残る影を「半影」と言います。月が半影に入り込んだ状態が「半影食」ですが、肉眼ではほとんどわかりません。月の一部が本影に入る「部分食」からは隠れている様子がわかりやすくなり、満月がスッポリ全部、本影に入ると皆既月食になります。

月食の仕組み。(出典:国立天文台)

3月3日の夕方、満月が昇ってきます。18時50分に月が本影に入り、部分食が始まります。月の左側から暗くなっていきます。ウサギのお尻のほうから隠れていくのです。

3月3日のゴールデンタイムに見られる皆既月食。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

本影に入るのは20時5分。ここからが皆既月食の本番。月はだいぶ赤黒くなっているでしょう。この色は赤銅色(しゃくどういろ)と表現されます。実際にどんな色に見えるか、ご自身の目で確かめてください。

月食の間、夜空は新月とほとんど変わらない暗さになります。月が本影の真ん中に入る「食の最大」は20時34分です。この時間帯の夜空はこんな感じです。

食の最大の20時半の南の空。月はしし座の近く。オリオン座やシリウス、木星などが夜空を飾っている。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)
20時半の北の空。おおぐま座の北斗七星が昇ってきている。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

肉眼でも十分楽しめますが、双眼鏡を向けてみるとさらに楽しい皆既月食です。月の色の変化、ウサギの部分とそれ以外の部分の色の違いもよく見てみてください。

次は2029年の元日まで見られない!

皆既食の終わりは21時3分。そこからは元の月の形に戻っていくわけですが、その時の月の色の変化も見てみましょう。元の形に戻った満月は南の空に白く輝き、しし座、おとめ座、うしかい座など春の星座が昇っています。

月食が終わる23時半の南の空。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

今回は、東日本では半影食の始まり(17時45分)から終わり(23時35分)まで、西日本でも部分食の始めを含む全過程が見られます。月が元の色と形に戻るまでまるまる見てもまだ午前0時前。これほど好条件で見られるのは珍しいかもしれません。

次回、日本で見られる皆既月食は2029年1月1日、元旦の未明です。部分月食でも、2028年7月7日の七夕まで待たなくてはなりません。3月3日のひな祭りの皆既月食、しっかり満喫しましょう。

構成/佐藤恵菜

星空案内人 廣瀬匠さん

星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、宇宙の不思議に出会うモバイルアプリ「星空ナビ」が好評販売中。

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