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2024.10.18

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.6】アマゾン川流域きっての都会「コンタマナ」で見た夜市

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.6】アマゾン川流域きっての都会「コンタマナ」で見た夜市
私の夢は、世界中の川を下ること。そして、世界の川といえば「アマゾン川」!。上流の町、ペルーのプカルパで買った古い木舟、ペケペケ音がする船外機を載せた我が愛すべきボロ舟「ペケペケ号」の旅はトラブルの連続で、もう心が折れそう。

そんな今回の記事の舞台は、地域のたちにとってあこがれの町のひとつ「コンタマナ」。私たちのペケペケ号も、コンタマナの船着き場(上の写真)に浮かんでいるのですが、みなさんはどの舟だかわかりますか?正解は、紺色の屋根の舟です。
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アマゾン川流域の住みたい町ランキング1位の都会「コンタマナ」とは?

アマゾン川の町、コンタマナの門

アマゾン川の町「コンタマナ」の門。

腹筋バキバキの人魚が乗った赤い門がトレードマークのこの町は、ペルー・アマゾン川沿いの町「コンタマナ」。世界中にある人魚伝説の由来とされている動物のひとつ・マナティもアマゾン川流域に生息しているのだとか。

周りは野生のジャングルでも、町の中はこの通り、珍しい野生動物が現われる気配はまったくありません。そんな都会的な雰囲気があるコンタマナは、ペルーのアマゾン川沿いに住む人たちの間で住みたい町ランキング上位の町なのです。いえ、住みたい町ランキングなる指標が実際にアマゾンにあるのかどうかは、わかりません。でも、とにかく住みやすい町だと評判なのです。

人気の理由は意外にも…

話をよく聞くと、コンタマナ推しの理由は意外なものでした。

「コンタマナには銀行があるんだ」

実は、ペルー・アマゾン川沿いには銀行がほとんどありません。もちろん、最新のキャッシュレスの波に乗るためではありません。使える電力に限りがある地域ではカードリーダーは不便な道具だし、そういった機械が故障しても直せる人がいません。そんなわけで、ニコニコ現金払いが当たり前。なのに、銀行やATMがあまりないのです。

その代わりにあるのが、カードのキャッシングができる商店。品物をなにも持たずにレジに行き、欲しい金額をいってカードを渡すと、キャッシングをしてくれるシステム。でも、一度に少額しか利用できません。現地の人たちは一体どこでお金を下ろしてやりくりしているのか、ずーと不思議に思っていたのですが、やっぱりみんなにとってもこれは大きな困りごとだったようです。もちろん、私たち旅行者にとっても。

トラブル発生!節約モードのアウトドア旅に突入

コンタマナの市場

コンタマナの市場。ニコニコ現金払いが基本。

市場の先にある銀行に行ったのは、今回一緒に旅をしてくれている女の子、マキシーちゃん(彼女の鋼のメンタルは、前回の記事を参照)。

しかし彼女は、トボトボ浮かない顔で帰ってきました。

なんと、カードが銀行ATMに吸い込まれて消えてしまったというのです。

しかもこれ、初めての事件ではありません。今回の川下りの旅の出発地「プカルパ」という町でも同じことがありました。マキシーちゃんは、「予備のカードがあるから大丈夫」と、川を下り始めたのですが、今回その頼みの綱である予備のカードまで消えてしまったのです。

幸い、私のカードは吸い取られることなく、ATMの一日の取引上限200ソル(約8,000円)を引き出すことができました。次はどの町で現金を引き出せるかは不明ですが、とりあえず旅の継続は可能です。

もし、私が彼女の立場だったら。ショックと不安で、残りの現金で主要都市までのフェリーのチケットを買っていたかもしれません。でも、彼女は違っていて、こんなことを言ってくれました。

「カードは無くなってしまったけれど、旅は続けましょう。節約すればきっと大丈夫」

アウトドアの旅だから、そんなにお金を使うお店には立ち寄らないしね。

アマゾン川の夜のアトラクション

夜市のりんご飴

夜市のりんご飴は、どの国で出会ってもいつも美味しそうに見える。

アマゾン川沿いに住む人たちは、暑い日中に昼寝をする習慣があって、日が暮れて涼しくなったころに外に遊びに出かけます。

節約を決めた私たちに早速、誘惑がやってきました。夜の町には屋台が出ています。これでもかとコーティングされたりんご飴、美味しそう。しかし節約中の私たちはりんご飴は”見る専”です。

巨大芋虫列車

アマゾン川の町のアトラクションは、巨大芋虫列車。。

こちらはアマゾン川の町を走るギラギラに光ったアトラクション的な乗り物。アマゾンらしく、デザインのイメージは巨大芋虫。

数えた限り信号が2つしかない町をのんびり走って、5分くらいかけて同じコースをぐるぐる周回しています。節約志向の私たちはやっぱり見る専です。

夜市のボロボロのアスレチック

夜市のボロボロのアスレチックで遊ぶ子供は誰もいなくて、寂しい雰囲気。

夜の公園のアスレチックエリアは、剥げかけたペンキが良い雰囲気。でも大人は入れないので、やっぱり見る専です。

夜市に来て好き放題浪費できない歯がゆさが、変に童心を思い起こさせるような。多少の不自由があっても、旅さえできれば、私たちはそれで良いのです。

アウトドア旅につきもののメカトラブル発生

オレヤナの町で雨をしんぐ

異音がするペケペケ号でなんとかたどり着いた町「オレヤナ」。横殴りの雨に降られてしまい、急遽レジャーシートで壁を設置。

マキシーちゃんのカード飲み込まれ事件の翌日、今度はペケペケ号から変な音がするようになりました。加速すると、異常に振動して、たまに金属音のようなものも聞こえるのです。不安なので、次の町「オレヤナ」で修理屋さんに見てもらうことにしました。

オレヤナの修理屋さん

オレヤナの修理屋さん。左に立てかけてあるのは、船外機の棒を支える筒状のパーツです。

カード事件が初めてじゃないように、船外機のトラブルも2度目。前回の船外機トラブルは、スクリューを支えている棒が折れて、外の原っぱで交換をする臨時の青空修理工場が開かれました。オレヤナの修理屋さん曰く、青空修理工場の修理では大事なパーツが欠けていて、そのせいで音がしているのだとか。

写真の左にたくさん並んでいる金属の筒は、スクリューの棒を通してエンジンに固定するにあたり、支えの役割をしてくれる大事なパーツ。本来であれば、金属の棒の中は、さらに10数個の木の筒で満たされていて、それを緩衝材にスクリューの棒を回転させるのだそうです。ところが、青空修理工場では木の筒なしで棒だけを交換され、最初に買ったときも木の筒は頭とお尻にあるだけで全体には詰まっていませんでした。もう、船外機に関わる人、みんな手抜きばっかり!

「こんな作業は楽勝さ。よし、これでもうブラジルまで行けるぞ。ガハハ!!」

仕事を終えると修理屋さんは自信満々に送り出してくれました。

果たして修理は完璧なのか?

壊れた船外機の部品

ブラジルまで、行けませんでした。

あの…。おじさん、ブラジルって、そんなに近くないと思うよ…。

あろうことか、走り始めて10分でまた船外機の棒にトラブル発生。スクリューを接続している棒が、エンジンの芯棒と接続する部分だけパックリ割れて抜けてしまいました。

けん引される様子

故障しすぎて、引っ張って救出してもらうことにも慣れて、すっかりリ開き直りのリラックスモードの私たち。

もう、嘘でしょうーっ!?勘弁してーっ!?まったく、なんでこんな大変な旅を思いついてしまったんだろう。心が折れる。ペケペケ号の棒も折れてるし。通りがかりの舟がオレヤナまで引っ張って帰ってくれました。

2度あることは3度ある。私とマキシーはまさかの故障に、もう笑うしかありません。そして、あっさり帰ってきた私たちを見て修理工のおじさんも大爆笑。いやいや、おじさんは笑っちゃダメでしょう!ブラジルまで行けるんじゃなかったの?(涙)

「俺が詰めた木の筒は完璧だ。君たちの棒は錆びてたからね。丈夫な新しいのと交換しよう。今度こそ大丈夫さ」

確かに、青空修理工場でもらった棒は、中古の古い棒だったなあ。ちなみに問題の棒のパーツ名は、「コラ」。

確認したら緩かったネジ

確認したら緩かったネジ。ワッシャーを挟んでもらって、マシになりました。

「交換したから、今度こそ本当の本当に大丈夫のはず」と言われて、念のため確認で触ってみたこのネジ、全然締まっていませんでした。コラ!

スクリューをとめるナットも緩んでいる

これも緩かった!

なんなら、新しい棒に取り付けてくれたスクリューを固定するためのナットも、締まりが緩い。コラ!

「これじゃ抜けちゃうよ」

プンプン怒りを抑えつつ指摘すると、「え?何が抜けるって?いやいや、これが抜けるなんてありえないよ」と言われてしまいましたが、触ってもらうと今度は一転して「あ、こりゃ抜けるね。うん」って。

もう、誰も信用できないよーっ!

アマゾン川流域に暮らす修理屋のおじさんの家にお邪魔してみた

修理工のおじさんたちと乾杯

修理工のおじさんたちと宴会です。

でもきっと、修理の腕がいい加減だからって、悪い人ってわけじゃないもんね。というわけで、晩御飯は修理屋のおじさんたちと一緒に乾杯。

ちなみにペットボトルに入っている黄色いのはビールではなく、コーラ。ペルーにはインカコーラという炭酸ジュースがあって、コーラといえば赤いラベルと黒いドリンクではなく、青いラベルの黄色いドリンクなのです。

ご馳走になったご飯

ご馳走になったご飯。シンプルだけど、美味しかった!

この日のメニューは干したお魚と、蒸したタロイモ。このお魚が、かなり塩っぱい。玉ねぎが浸かったお酢をソースとしてかけると、塩気が中和されて食べやすくなるのに気が付いて、食が進む。独特の醗酵したみたいな風味が病みつきになる。ただ本当はこのソースにも少し塩が入っているから、余計に塩分を摂取してしまうというトラップでした。美味しい、美味しい、止まらない。

ブラウン管テレビ

ブラウン管テレビが映ってるのを最後に観たのは、一体いつだろう。懐かしい。

アマゾン川ではブラウン管テレビが現役でした。ちなみにこのとき日本では選挙が行なわれていて、その報道もこのブラン菅テレビに映っていました。まさか日本の選挙事情をアマゾン川で知ることになるなんて。

一本橋スタイルのボットン式トイレ

一本橋スタイルのボットン式トイレ。押すなよ、押すなよ!

気になるトイレはこちら。

トイレの前には、なぜか一本橋。電気は無くて暗いから、これ、酔っぱらった人は踏み外すこと必至。ある意味、トレイの怪談より怖いトイレです。

アマゾンの男はなぜ、自信たっぷりなのか

アマゾン川の自信たっぷりな男たち

アマゾン川の自信たっぷりな男たちと一緒に。一番上が旅の相棒マキシーちゃん。

失敗してもまったく落ち込む素振りがないペルー・アマゾン川の修理屋さんのおじさんたちを見るに、なんでも思い通りに行かないのがアマゾンの通常なのでしょう。私たちも、細かいことは気にしないで笑って川を下り続けようと決めました。

それにしても、どうして彼らはいい加減なのに、いつも自信たっぷりなのか?

みんながみんないい加減だから、信用できるのは自分だけ。せめて自分自身のことは信じてあげないと。

もしかしたら、そういう心理が働いているのかも。なんだか、新しい価値観に触れた気がします(次回へ続く)。

私が書きました!
建築学生
佐藤ジョアナ玲子
フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。

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