謎の黒砂ビーチ、約80mの滝…タヒチのアウトドア的観光スポット【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2024.10.16

謎の黒砂ビーチ、約80mの滝…タヒチのアウトドア的観光スポット【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

謎の黒砂ビーチ、約80mの滝…タヒチのアウトドア的観光スポット【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

タヒチ島に到着して2日目。本日も「優雅な水上バンガロー」じゃないタヒチを探しに出かけます! 

本日のガイドの名前はティーバさん。【タヒチ旅vol.1】を読んでくださった方は「ティーバさん? またおなじガイド?」と気づかれたかもしれませんが、同名の別人です。

そして今回はフランス人と一緒のツアーではなく、ティーバと1対1の個人ツアーです。

タヒチ島で四駆に立ち乗りして「鼻吹きオヤジ」の謎を解く【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

【タヒチ旅vol.2】旅はハプニング! ハプニングこそが旅!

ティーバです。無茶苦茶気のいいオヤジです。私より年下だけど。笑

まず向かったのが首都パペーテの中心部から車で35分ほどの「ファアルマイの滝群」です。

タヒチ島の地図。「ファアルマイの滝群」は大きな円の右上あたり。 (c) タヒチ観光局

ここには3つの滝があって、それぞれ駐車場から数分から数十分のトレッキングルートをたどっていけるとのこと。トレッキングはアウトドアアクティビティーの基本中の基本ですよね。ワクワクしながら出発しました。

いざ三滝完全制覇へ!…のはずが

海岸沿いの道路からずれて内陸へ。道の両側には簡素な家が建ち並んでいます。

駐車場から3つのトレッキングルートに向かう橋。

その橋の上で人々が立ち止まり下を眺めています。

まさかそこに滝? そんなわけないですよね。で、彼らと同じ方向に視線を移すと…。

川の左側の崖が崩壊!

川底に落ちた巨石をショベルカーが取り除く作業をしていました。折からの大雨でこうなったそうです。

「いやいやいや。だけどあのショベルカー、どこから入れたの? それを考えると夜も眠れないの?」。私のそのひとことにティーバは「たぶん上流のどこかから入れてここまで来たんだろうね? いや、下流からかな?」。

…すみません、すみません。三球照代さんの「地下鉄漫才」、タヒチ在住のポリネシア人が知っているはずないですよね。…若い読者のみなさんもかもしれませんが。笑

その大雨の影響で3つある滝のうち2つへのトレッキングルートは閉鎖されているとのこと。マジか。楽しみにしていたのに残念。でもそれもまた旅です。

ティーバはこんなことをつぶやきます。「自然の力には困らされるけれど、力があるから自然は美しいんだよね」。けだし名言です。ポリネシア人相手に三球照代さんの漫才を披露したオヤジに見習わせたいです。

気を取りなおして駐車場から一番近い「バイマフタ(Vaimahuta)滝」へ向かいます。所要時間は約3分。全然トレッキング感はないですが。

約80メートルの落差。

滝つぼに入っていいとのことなので降りてみました。

水深は滝に一番近いところでも太ももくらいだそうです。

インスタグラマー風に撮ってもらったけど…後ろ姿も絵にならないってどういうこと?

滝つぼから上がってくるとティーバが「ここは遊泳禁止なんだよ」と教えてくれました。「ああ、聖なる場所だから?」と訊くと、「いや、岩が落ちる危険があるから」。ふ~ん。いや、ちょっと待て。

…ってことは歩いて滝つぼに入っても、岩が落ちてくる可能性なくない? ってかさっきの橋のところで川の崖が崩壊して巨石がゴロゴロ転がってたよね? 地盤ゆるゆるだよね、今? 

ポリネシア人の知恵を教わる

さて駐車場への帰り道。ティーバがある葉っぱをもぎ取りました。アウティ(Auti)と呼ばれる植物で、悪さをする精霊から守る働きがあるとされているとのこと。使い方はいろいろあって…。

爪で皮を割き。

くるくる回してよって。

ポリネシアンダンスのときに腕や太もも、頭に巻いたりするそうです。

また家の周りにこのアウティの木を植えて魔除けにするのだとか。

ポリネシアの人たちは「マナ」というスピリッツ(精霊)を信じているそうです。「そのマナが悪さをするの?」と訊いたら「こちらの対応で味方にもなれば悪者にもなるんだよ」とのこと。このあたりは守護神にもなれば祟り神にもなる日本の神様に感覚が近いのかもしれないですね。

話は飛びますがタヒチは道で寝ている犬が多いです。

しかもほぼ真ん中で堂々と。

これじゃあ車にひかれる可能性も高いでしょう。「飼い主はそういうところで寝るなってしつけないの?」と訊くと「いや、ああいうのは捨て犬なんだよ」。観光業が好調なタヒチ。物価も当然上がります。仕事がある人たちはいいですが、ありつけない人たちの生活は苦しくなり、捨て犬も増えているのだそう。

捨て犬たちはそれで自暴自棄になって「車に引かれてもいいや」と道路でふて寝しているのかな? ちょっとしんみりしましたね、さすがに。

役立つ心臓「フトゥ」

さて海岸線に戻って次に訪れたのはブローホール(潮吹き穴)。岩の隙間から波が間欠泉のように不定期に噴き出る自然現象です。ところが…。

この日は風が強すぎたのか近づくことは不可とのこと。

残念ですが予定通りに行かないのがアウトドア旅というもの。自然の力には困らされるけれど、力があるから自然は美しいのです。…はい、さっきのティーバの言葉をそのまま借用しました。「パクリ」ではなく「学習」です。笑

その潮吹き穴のそばで見せてもらったのが「フトゥ(Hutu)」という植物。

白と先が紫の花がきれい。香りも良いです。

そしてこれがフトゥの実。

フトゥとは「心臓」の意味だそう。まさに心臓の形をしているからです。

そしてこのフトゥの実、伝統的な漁ではあれこれ使えて非常に役立ったのだそう。1つは釣りの浮き。非常に軽いので海水に浮くとのこと。2つめはどちらに流れるかで潮の向きを知る道具。3つめは中身を魚の餌にするとのこと。とはいえ毒性があって、サンゴ礁も殺してしまうので今では使用禁止らしいです。

一方カラダにいいこともあって、この実を水でゆでた液を布に浸して貼ると腰痛などに訊くとのこと。毒とクスリはある意味表裏一体なんですね。

ビーチはサラサラ黒砂! その理由は?

次に向かったのが「ポワントヴェニュ(英語だとビーナスポイント)」という場所。名前の由来はここがタヒチ島の北の端で、イギリスの海洋探検家ジェームズ・クックが金星(Venus)を観測したからだとか。

かなり霞んでいますが、遠くに見える島影は船で30分のモーレア島。明日、向かいます!

海の上にポンと置かれたカヌーが、ちょっとアートしてますね。

そしてここからは砂浜が1キロメートル続くのです。タヒチらしい白砂ビーチにむかって元気に駆け出した柳沢有紀夫くん(頭は5歳)。…ん? で~も。

なんか砂の色、おかしくない?

そう、黒いのです。最初は海水にぬれているのかと思ったのですが、歩いていてもサラサラ。

手に取ってみてもサラサラです。

つまり水に濡れて黒くなっているのではなく、もともと黒いのです。これにはもちろん理由がありました。

ティーバによると東側から北側にかけては地殻変動で少しずつ沈んでいっているそう。裾礁とよばれる地形で、サンゴ礁が少ないためサンゴの死骸からできる白砂のビーチがないとのこと。その代わり黒い火山岩が波の力などで砕けて、黒砂のビーチができたのだとか。

一方島の西側はサンゴ礁が大きく形成し、死んだサンゴが砕けて堆積するため白砂ビーチなのだそうです。

街の中心にあるポリネシアンなウォーキングコース

さてタヒチ島の中心で、フランス領ポリネシア全体の首都でもあるパペーテの街にあるおすすめのウォーキングコースも紹介しておきます。それは海沿いにある長さ約500メートル、幅約100メートルの「パオファイ公園」。

西洋風の「街」とは別世界の「ポリネシアンの世界」が広がっています。

伝統的なカヌーを復元したもの。ポリネシア人たちはこれで大海原を航海してきました。

これまた伝統的な藁ぶきの屋根の東屋。

カフェの屋外テラスならぬ「水上テラス」。

アウトドアライフっていうと「カラダを動かすこと」と思いがちですが、自然や伝統に関する知識を得るので「アタマを活動させること」でもある。そんなことを改めて感じさせてくれたタヒチ島です。

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

タヒチ観光局
https://www.tahititourisme.jp/

今回の「TAHITI DISCOVERY」ツアーに関する日本語での手配問い合わせ先(ただしツアーそのものは日本語非対応):タヒチ・ヌイ・トラベル
https://tahitinuitravel.com/(サイトは英語またはフランス語のみ)
日本語対応メールアドレス:japan@tahitinuitravel.pf

私が書きました!
オーストラリア在住ライター
(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫
1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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