
トレッキングシューズの特徴と選び方
トレッキングシューズ選びのポイント
カットの種類
ローカット
ローカットは、足首部分をくるぶし以下の高さでカットしているタイプ。一般的なスニーカーと見た目が似ている。履き心地もスニーカーとほとんど変わらず、窮屈に感じにくい。カットが低い分だけ重量も軽く、普段履きとの併用にも向いている。岩場など未整備の登山道で履くのには向かないため、足に負担がかかりにくい場所での着用に適している。
ミドルカット
ミドルカットは、カットの高さがローカットとハイカットの中間に位置するタイプ。ローカットより足首に固定感が生まれ、適度に足首が保護される。ハイキングから登山まで、幅広いアウトドアシーンにも対応。デザイン性の高いモデルが豊富に販売されていることも魅力だ。
ハイカット
足首のホールド力が高く、本格的な登山にも最適なタイプ。足場の悪い登山道でも、シューズが足にフィットしやすいという特徴を持つ。全体が頑丈に作られており、安全性が高い点も魅力だ。一方、重量が重いため、平地や街中を歩くと疲れやすい点には注意。
防水性などの機能をチェック
トレッキングシューズの中には、防水性・通気性・保温性など、さまざまな機能を備えたものも数多く販売されている。機能性に優れたシューズなら、より快適な履き心地を得られるだろう。
水辺での利用が多くなる場合や、急な悪天候に備えたい場合は、防水性の高いシューズがおすすめ。防水性と透湿性の両方を併せ持った素材である『ゴアテックス』を使用したシューズなら、内部の蒸れも抑えられる。
夏場に使用するトレッキングシューズを選ぶ際は、通気性の高いメッシュ素材を使用したものが向いている。ウールが含まれた素材を内部に使用しているシューズなら、保温性が高まるため、冬場のトレッキングでも快適さを保てるだろう。
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2025年注目のトレッキングシューズ2選
SCARPA(スカルパ) ラピッドXT ミッド GTX
アッパーには耐久性と柔軟性のバランスがいい1.8mm厚の耐水スウェードを使用。アッパーの丈が低く、重量も片足440gに抑えられており、軽やかに歩ける。フックなどを使っていないため、見た目がシンプルでスマートな印象だ。
Salomon(サロモン) X ウルトラ 5 ミッド GORE-TEX
同社のトレッキングモデルとして初めて通気性と耐久性がすばらしいマトリックス素材をアッパーに採用。ルックス通りにタフな一足だ。アウトソールのグリップ力も強く、難路ほど得意。
「リニューアル前の捻挫を防止するサポート構造はそのままで、アッパーの耐摩耗性は大幅にUPしています。」(石井スポーツ 商品部 松島直哉さん)
撮影/中村文隆
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BE-PALイチ推しのトレッキングシューズ4選
Oboz(オボズ) ソートゥース エックス ロー B-DRY
アッパーには耐水性に優れたオイルドヌバックと、コーデュラ製メッシュが使われ耐久性は抜群。独自配合のゴム製アウトソールのパターンは、滑りにくくあらゆる路面で優れたトラクション性を発揮してくれる。シューレースとウェビングは再生素材製。
●サイズ:25.0~29.0cm(0.5cmきざみ)
足首をしっかり支えてくれる、同仕様のミドルカットタイプもある。
Oboz(オボズ) カタバティック ウィンド ロー
ファストハイカーやトレッカーのために開発された、スポーティーなデザインのニューモデル。素速く登るハイク&トレックに最適。反りが強めなロッカープロファイルのソールユニットが採用され、前方への推進力が大きく、足運びがとても楽なのが印象的だ。
●サイズ:26.0〜28.0cm(0.5cmきざみ)

適度な反発力と安定性をもたらす、独自のインソールを標準装備。
KEEN(キーン) ターギー フォー ウォータープルーフ
代表モデル、ターギーシリーズの最新版。高い防水透湿性能で雨でも快適な履き心地をキープする。街から大自然まで活躍する一足。
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CARAVAN(キャラバン) C1_DL MID
軽さを追求した「C1_DL」シリーズのミドルカットモデルでハイキングエントリーに最適。剛性がある3Dパーツが足裏全体をカバーし安定性を確保。歩行も快適だ。
足指の付け根周りの内部空間を小さくするハーフインソール付き。
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こちらも要チェック!おすすめのトレッキングシューズ3選
HOKA (ホカ) アナカパ ロー GTX
トレイルでも卓越したクッション性を発揮するローカットのハイキングシューズ。ゴアテックスを使い、雨でも快適に歩ける。ソールは、グリップ力の高いヴィブラム製だ。
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アメリカに拠点を置くフットウェアブランド「HOKA(ホカ)」は、ランニングからトレラン、トレッキングまで幅広いシューズを販売し、いま勢いのあるブランドのひとつだ。筆者は同ブランドの愛用者のひとりで、年間を通して履き続けている。「アナカパ 2 ロー GTX」は、前作よりスマートに進化したモデルだ。

バックステーを高く設け、フィット感を向上。

アウトソールの拡張ヒールジオメトリーは健在。

オフセットは8mmで前作より2mm高い。
360度商品を見てみよう。バックステー(アキレス腱を覆う履き口の後ろ部分)はシュータンとほぼ同じくらいに設定され、運動しても脱げにくく設定されている。 アウトソールが分厚いのはホカの魅力だが、オフセット(シューズのフロントとバックの高さの差)は8mmとなっている。この数字が高いほど重心移動がしやすく前への推進力が上がり、これはほかのシリーズを見ても高い数字である。

前作同様、ゴアテックスを採用。

ヴィブラム社のメガグリップを搭載。

土踏まずを境に、上と下でヴィブラムソールを分けて配置。

メッシュ生地の範囲が広いアッパーデザイン。
そのほかの機能を見てみると、ゴアテックスはインビジブル フィットというテクノロジーを採用しており、従来品と比べて防水透湿性はそのままにアッパーとの密着度を高めることで、足への圧迫を減らして快適性が上がる。
履いた瞬間のふかっとした感覚は極上!

ボリュームのあるソールが印象的で、足元に強いインパクトを与えてくれる。

不安定な地面でも安定して歩ける。
かかとには、拡張ヒールジオメトリーという二分したデザインが採用されており、地形があまり良くなくても安定走行が可能。キャンプでも登山でも、これのおかげで足をくじにくくなる。

アスファルトの上ならクッション性の魅力がよりわかる。
アウトドアシーンなら安定感とスムーズな足運びに注目したいが、街中ならクッション性を実感してもらいたい。かかとから着地してつま先で地面を蹴るところまで、膝への負担はほぼなかった。ウォーキングをする人にもおすすめしたい。
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MERRELL(メレル) モアブ 3 シンセティック ミッド ゴアテックス
アウトソールは従来通りイタリアの老舗ソールメーカー・ビブラム社のものであり、モアブ3専用設計の「Vibram TC5+ アウトソール」へとアップデートされた。肉厚な履き口が、足首のまわりをしっかりホールドし、安定した歩行をサポート。登山靴ほど硬くはなく、かつスニーカーよりはるかにガッシリしているため、タウンユースにも適している。
●サイズ:25~30cm
●重量:約470g(片足・27cm)

モアブはハイキングから軽登山まで対応できるシューズとして、根強い人気に支えられてきたシリーズ。
新型のビブラム製ソールが濡れた石の上でも確実にグリップ

モアブらしさを受け継ぎつつ、ソールもしっかりアップデート。
アウトソールは従来通りイタリアの老舗ソールメーカー・ビブラム社のものであり、モアブ3専用設計の「Vibram TC5+ アウトソール」へとアップデートがなされた。ソールパターンはこれまでの流れを継承しつつ、より洗練されたデザインに変わった印象だ。
期待するのはそのグリップ力。雨上がりの石階段を足早に上り下りしてみたが、ソールがしっかりと食らいつき、不安を感じることはなかった。
ソール全体の硬さについては、登山靴ほど硬くはなく、かつスニーカーよりはるかにガッシリしている。ハイキングシューズとしては当然のことだが、この性質こそがオールラウンダーとしての戦闘力を保っている要素。
そのためもちろんタウンユースにも適していて、「普段から履き慣れている靴で山へ行く」ということが造作もなくできる。これもまたモアブの強みといえるだろう。
この“包まれ感”が最高!履き心地のよさは「流石」のひと言

足との一体感があり、岩場も軽快に登れる。
履き心地のよさは、歴代モアブの人気を支えてきた要素のひとつ。モアブ3も例にもれず、足を包み込む感触と、外部からの衝撃をしっかり防いでくれている安心感は健在だ。本格的な登山靴のように肉厚な履き口が、足首のまわりをしっかりホールドし、安定した歩行をサポートしてくれる。
旧モデルからの進化点として、ミッドソールに弾発性を高めた素材を使用しているとのこと。実際に山で歩いてみると、衝撃を吸収しつつも地面からのインフォメーションをしっかり伝えてくれて、「ちゃんと自分の足で歩いている感覚」が得られた。
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KEEN(キーン) NXIS EVO WP(ネクシス エヴォ ウォータープルーフ)
履き心地の良さに定評のあるKEENのトレッキングシューズ「TARGHEE(ターギー)」を踏襲した幅広スタイルに、高いクッション性のユニットソールと最先端技術をハイブリッド。トレッキングに不可欠な軽量性と通気性、機能性と防水性を搭載しながら、重量はわずか307g(27cm片足)を実現している。タウンからアウトドアまで高いパフォーマンスを発揮しそうだ。
KEEN独自の防水透湿素材「KEEN.DRY(キーン・ドライ)」
『NXIS EVO WP(ネクシス エヴォ ウォータープルーフ)』およびミッドカットモデル『NXIS EVO MID WP(ネクシス エヴォ ミッド ウォータープルーフ)』では、シューズ内をKEEN独自の防水透湿素材「KEEN.DRY(キーン・ドライ)」がぐるりとカバー。水辺や悪天候でもシューズ内をドライに保つことができる。
かかとをホールドする「KONNECTFIT(コネクトフィット)」
かかとをホールドするV字型のヒールキャプチャーシステム「KONNECTFIT(コネクトフィット)」を採用し、安定感を向上。スピードレーシングシステムのシューレースと連動し、まるで足と一体化したようなフィット感を実現した。
ワンタッチで着脱可能なスピードレーシングシステムを採用することで、アッパーの柔軟性を損なわずにシューレースを締め上げることができ、さらにハトメなどの樹脂や金属の削減によって軽量化にもつなげているのだ。
4mmのブロックパターンを前後反対向きに配置したアウトソール
アウトソールには、全方向の動きに対応するオールテレインラバーソールを採用。4mmのブロックパターンを前後で反対向きに配置し、全方向の動きにグリップを発揮する。
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