作って楽しい、食べて美味しい!スパイスカレーの魅力 | 料理・レシピ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2020.10.15

    作って楽しい、食べて美味しい!スパイスカレーの魅力

     

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    イラストレーター&キャンプコーディネーターこいしゆうかさん(右)女子ソロキャンパーを牽引。雑誌やラジオなどでキャンプの企画やプロデュースを行なう。著書に『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)など。

    アウトドアコーディネーター小雀陣二さん(左)アウトドアギアに精通し、雑誌やイベントなどで幅広く活躍。ダッチオーブン料理や焚き火料理を得意とし、神奈川県三崎町で飲食店「雀家suzumeya」を営む。

    カレーといえば、キャンプ料理の黄金メニュー。最近では、ひと味違った“スパイスカレー”が人気になっている。

    スパイスカレーとはなんぞや? その魅力を語ってもらうべく登場していただいたのは、中学生のころからおやつに友達にカレーを振る舞っていたという、アウトドアコーディネーターの小雀陣二さんと、昨年出版した『私でもスパイスカレー作れました!』が、すでに3万5千部売れている、ソロキャンパーのこいしゆうかさん。

    小雀さん(以下雀)「もともと料理が苦手なこいしさんが(笑)、スパイスカレーを作ったきっかけは何だったの?」
    こいしさん(以下こ)「そもそもカレー自体あんまり食べてなかったんですけど、スパイスカレーの美味しいお店があるよって誘われて、都内にあるスパイスカレーの専門店に行ったんです。そうしたら、食べた瞬間から体がポカポカ温かくなって。なにこれ! 健康にいいかも!? って」

    スパイスカレーは、今まで自分が思い描いていたカレーのイメージを覆すものだった。そのとき、お店に誘ってくれたのが、カレー本の先生としても紹介されている、印度カリー子さんだ。

    「カレールーを使わないカレーがあるなんて!?」(こいしさん)

    こ「はじめて、カレールーを使わずにカレーが作れるってことを知ったんですよ! ルーを使わないってことは、小麦粉が入ってないってことで、油も少ないヘルシー料理だって教えてもらいました。小雀さんのきっかけは?」
    雀「昭和世代ですから、子供のころはもちろん、ルーカレーを食べてたけど、自分で本格的に料理を作るようになったら、なんかカレーの味がいつも同じだな、つまんないなって思うようになってね。で、試しにスパイスカレーを作ってみたら、これが、面白いんだよ。スパイスの比率によって変わるのはもちろんだけど、同じスパイスでも具材によって味が変わる!」
    こ「あ、それは私も実感しました。カリー子さん曰く、スパイスは基本、粉末状にしたパウダータイプのクミンとターメリック、コリアンダーの3種類を用意すればいいって。でも具材を変えたり、ベースをヨーグルトにしたりココナッツミルクにしたりするだけで、まるで違うカレーになる」
    雀「そう、あとはそこに辛さをプラスしたければ、辛味のあるチリペッパーかブラックペッパーを加えればいい」

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    具材とカレーを別に作るのが小雀流。 別々に食べても美味しいことが大事。

    クミンはカレーらしい香りづけに。ターメリックは色付け、コリアンダーは爽やかな香りで個性のあるスパイスをまとめる役割を持つ。スパイスカレー=辛いカレーと思ったら大間違いで、辛いのが苦手な人は、辛味スパイスを入れなければいいだけなのだ。では、味付けには何が必要か?

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    のんびり気ままに、その日の気分で新しい味を探索するのが醍醐味。

    こ「基本、スパイスは香り付けのためのものなので、塩で味を付けます」
    雀「そうだね、インドの作り方にのっとるなら、塩だけだよね。香味野菜もトマトとタマネギだけと非常にシンプル。いかに具の味、旨味がそのカレーに入るかで味わいが変わる」
    こ「でも、小雀さんのレシピは、かなりいろいろなものを加えてますよね」
    雀「西洋料理を教わってきたから、香味野菜もインドカレーの基本にさらにニンジンとセロリを加えるし、アレンジを楽しんで旨味の醤油やお酒も加えるから、かなり複雑な味になるかな」
    こ「私はタマネギを炒めるだけで精一杯(笑)。ひたすら精神統一だと思って炒めてますよ。これ以上材料が増えると難しく感じる」
    雀「でも、さらにホールスパイス(原形のまま乾燥させたもの)を加えたりはするでしょ?」
    こ「ホールスパイスは、コーヒー豆を焙煎するのと同じ楽しさがあるんですよね。とくにアウトドアでテンパリング(油で熱して香りを引き立てること)していると、パーっと香りが広がって、みんながいいにおい、って集まってくる」

    実験感覚で、ひとつずつ試しながら知っていくのが楽しいのだとも。

    「アウトドアだからこそ、豊潤な香りを楽しめる」(小雀さん)

    雀「スパイスもハーブもいろいろ効能があるでしょ。こいしさんが体が温まったっていってたけど、とくにカレーはいちばんスパイスを使ってるから、それを感じるんだよね。僕も体力的にハードな場所に行ったときは、食事の中に少しでもスパイスを入れる。体の中が活発になるし、血行が良くなる」
    こ「そう、スパイスカレーはまさに健康食。インド人が汗をかきながらでも毎日食べるのが頷けるでしょ」
    雀「何からはじめていいかわからない、って人は、まずはいろんなスパイスがブレンドされたカレー粉に、基本のスパイスを組み合わせることからはじめてもいい。その中で自分の好きな配合を見つければいいわけだから」
    こ「それ! 料理をレシピ通りに作るのが苦手だから、スパイスカレーみたいに自由な料理が楽しいんですよね」
    雀「目玉焼きひとつにしても、火加減や蒸し加減で仕上がりが変わるし、かけるものに好みが出る。スパイスカレーはとくにその人の嗜好が現われるから、いかに自分好みのものを見つけるかを楽しんでほしいよね」
    こ「カリー子ちゃんもいってました。スパイスカレーは失敗がないのがいいって。味がボヤッとしたら塩を足せばいいし、具材を1〜2つにすることで素材の味がわかりやすくなる。真っ新なパレットの上に、その日の気分で色とりどりのスパイスを組み合わせる感覚かな」
    雀「僕も今回はたくさんスパイスを使っているけど、別に基本の3種類を残しておけば、どんどん引き算したっていいんです。ベースも水じゃなくて、チキンカレーならチキンコンソメ、魚なら昆布ダシ、と、素材の味が引き立つように今回は選んだけど、これも絶対ではない。レシピは一例にすぎないから、どんどんアレンジしてほしい」
    こ「めちゃくちゃ料理のテクを知ってる人がカレーを作ると、めっちゃくちゃ美味しくなる。でも、料理を知らない私が作っても、何となく旨くなるんですよ〜。スパイスカレーはすべてを受け止めてくれる! そこが最大の魅力じゃないでしょうか!!」

    スパイスカレーの達人
    印度カリー子さん

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    スパイス料理研究家。「印度カリー子のスパイスショップ」代表。商品開発や料理教室運営に携わる。大学院で食品科学の観点から香辛料の研究中。

    印度カリー子流
    スパイスカレーの掟その1

    使うスパイスはクミン、ターメリック、
    コリアンダーの3種類が基本!

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    左からクミン、コリアンダー、ターメリック

    クミン

    日本人に馴染みのある、カレーらしいスパイシーな香りといえばコレ。

    コリアンダー

    パクチーの種。爽やかな香りが特徴で、他のスパイスをまとめてくれる。

    ターメリック

    別名ウコン。カレーの色付け用で、土のような香り。植物の根の部分。

    ●カレーでよく使うスパイス解説

    カルダモン

    爽やかな香り。緑色の鞘の中にパンチの効いた香りを持つ、黒い種が隠れている。

    マスタード

    油で炒めると、ナッツのような良い香りに。プチプチした食感も楽しめる。

    シナモン

    甘く独特な香りを持ち、お菓子作りやドリンクにもよく使われる。樹皮の部分。

    ベイリーフ

    優しい柑橘系の香りを持つ葉。肉や魚と相性が良く、臭み消しにも使われる。

    カスリメティ

    カレーが一気に本格的に仕上がる、独特な香りのハーブ。インドでは生葉を使う。

    クローブ

    独特なツンとした香りが特徴。日本にも古くから伝わり、正倉院でも発見された。

    印度カリー子流
    スパイスカレーの掟 その2

    スパイスの量は使いすぎに要注意! 
    味は塩、辛味はチリペッパーで調整すべし

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    スパイスはあくまで香りを楽しむもので、味は塩で調整する。辛味はチリペッパーやブラックペッパーを加える。

    印度カリー子流
    スパイスカレーの掟 その3

    具材は入れすぎず、肉、魚、野菜など
    主役は1〜2種類に抑える

    具材が多いとそれぞれが主張して、どのカレーも同じような味になる。主役はシンプルにし、素材の味を引き立てよう。

    ※構成/大石裕美 撮影/中村文隆

    (BE-PAL 2020年9月号より)

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