途中、色んな鍾乳石で遊びつつ。ちなみに、O氏は、先月もこのコースを堪能しているのに、まるで、初めて来たかのように、瞳をキラキラさせて、洞窟愛がにじみ出ていました。
なんと、洞穴生物にも遭遇!日常で見たら「ヒィッ~!」と、のけぞりたくなるような生物が、洞窟で見るとなぜか神秘的に見えてしまう不思議。洞穴生物はほとんど視力がなく、長い触角でエサや敵を察知するのだそう。
洞窟と言えば、もちろんコウモリも! 小鳥サイズのコウモリが飛び交いまくり!
「ライトを消して暗闇を体験してみましょう」原さんの一言で、3人とも一斉にヘッドライトを切る。漆黒の闇より、さらに真っ暗!ずっと目を開けているはずなのに、しばらくすると、自分が目を開けているのか、閉じているのかもわからない感覚に。なんだか、視力がなくなる洞穴生物の進化ってこんな感覚からはじまるのかな~と思ってみたり・・・。
1時間30分の冒険が終了したら、再び、通常ルートと合流。通常ルートの景色もちょこっとご覧ください(順不動)。
以前は、この『記念の滝』までしか龍河洞はないものだと思われていたのだが、昭和6年に地元で教師をしていた山内浩氏と松井正実氏がこの滝を登りきり、その先にも道があることを発見したのだそう。こんな滝を登ろうなんて、よくも、まあ、考えつくもんだ(尊敬)! ちなみに、山内氏は日本ケイビング協会の初代会長さんなんだとか。どうりで、道なき道をいくわけだ。
冒頭でO氏が絶賛していた、考古学的に注目度が高いのが、これ。「神の壺」と呼ばれるもの。古代人が上から流れてくる水を貯めたと思われる壺が石灰華に覆われて、形がそのまま残っている。この壺の周辺は、古代人の穴居跡になっていて、穴居近くの外につながる穴が長年ふさがれてしまっていたため、このように保存状態が良く、世界的にもめずらしいのだそう。
お手軽、かつ本格的なケイビングで古代へタイムスリップした90分。出口を出る頃には、道なき道を行く冒険家さんの気もちが、ちょっぴりわかるような気がしたのでした。みなさんも、龍河洞で冒険家デビューをしてみませんか!?
高知家 エクストリームトラベル社
http://www.attaka.or.jp/kochi-extreme/
※今回の体験は、高知家 エクストリームトラベル社からお申し込みができます。
イラスト・文・写真/松鳥むう(まつとり・むう)
島旅イラストエッセイスト
今までに訪れた日本の島は76島。島の人の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらう旅が好き。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅沖縄+離島』『ちょこ旅小笠原&伊豆諸島』『ちょこ旅瀬戸内』(いずれも、アスペクト)などがある。
http://muu-m.com/