クラフトビヌルず音楜は䌌おいる 自由ず地元を愛する川厎のカギダ醞造所 | サスティナブルロヌカル 【BE-PAL】キャンプ、アりトドア、自然掟生掻の情報源ビヌパル

サスティナブルロヌカル

2026.09.18

クラフトビヌルず音楜は䌌おいる 自由ず地元を愛する川厎のカギダ醞造所

巊から「PILS NO.1」ピルスナヌ、「MELLOW YELLOW」ヘむゞヌIPA、「DOUBLE DECKER IPA」ダブルIPA)、「JUMPIN’ JACK FLASH」アメリカンIPA、「PURPLE HAZE」ハヌブスパむス。巊の3本は定番。右の2本は䞖界的に有名な名曲のタむトルを冠しおいる。

むギリスではどんな街にも、その街の瀟亀堎ずもいうべきパブがあるず聞く。むギリスで音楜掻動をしおいた䜐藀孊さんが、そんなパブに憧れお開いたブルワリヌがカギダ醞造所川厎垂䞭原区。地元ではクラフトビヌルずハンバヌガヌのおいしいお店ずしお知られる。麊芜カスや䜿甚枈みホップを再利甚する研究にも力を入れる。音楜ずパブをこよなく愛する䜐藀さんにむンタビュヌした。

ロンドンのパブ文化を日本で再珟したい

2000幎代 ã€ã‚«ã‚®ãƒ€é†žé€ æ‰€ã®ä»£è¡šã€äœè—€å­Šã•んはむギリスのロンドンでギタリストずしお掻動しおいた。近所のパブによく通い、ビヌルを飲み、地元の人々ず亀流し、週末にはよくラむブを開いた。

「パブでは倖囜人にも気さくに話しかけおくれたす。おじいちゃんもおばあちゃんも若い人も。挔奏者も近所の人が倚かったですね。地元の人が地元の人を楜したせおいる、生掻の䞭にラむブがある感じでした。聎いおいる方も自然で自由で。その雰囲気が私は倧奜きでした」

䜐藀さんにずっおロンドンのパブは、さながら日本の公民通のような亀流の堎。垰囜埌にこんなパブを開きたいず思うようになった。

2014幎、はじめに開いたのは「Cafe CLUB KEY」ずいうお店。堎所は川厎垂幞区の䜏宅街。なぜ川厎垂 ず聞くず、䜐藀さんは「私は秋田県出身ですが、東京の倧孊に進孊し、倧孊時代は川厎垂の溝の口に䜏んでいたした。それでなんずなく川厎には銎染みがありたしお」ずのこず。溝の口は叀くからの川厎の繁華街の䞀぀である。

䜐藀さんはロンドンのパブでしたようなラむブもたびたび開いた。しかし、「難しかったですね。音の苊情ずかで  」。䜏宅街でのラむブ挔奏は諊めざるを埗なかった。

タップルヌムでビヌルを泚ぐ䜐藀孊さん。冷蔵庫に貌られたカヌドに、これたで醞造しおきたビヌルの名が蚘されおいる。

そんな䜐藀さんがブルワリヌを開くこずになった背景には、ある偶然があった。圓時、「Cafe CLUB KEY」の近所に颚䞊麊酒補造ずいう醞造所があった。コアなクラフトビヌルファンの間ではちょっずした噂になっおいたマむクロブルワリヌだ。ビヌルの評䟡は高く、「Cafe CLUB KEY」も仕入れおいた。ずころが間もなく、醞造長が䜓調を厩し、やむなく醞造所を閉めるこずになった。そんな颚䞊麊酒補造の事情が、「Cafe CLUB KEY」でもい぀か自家補ビヌルを造りたいず思っおいた䜐藀さんの背䞭をグむッず抌した。䜐藀さんは颚䞊麊酒補造から醞造蚭備を匕き継ぐこずにしたのである。

醞造技術をどのように身に぀けたのかずいうず、䜐藀さんはそもそも倧のビヌル奜き。ロンドン時代はホヌムブルヌむング自家醞造を趣味にしおいた。近所のホヌムブルヌむングのコミュニティにも顔を出すほど根っからのビヌル奜きある。

「その集たりに行くず、ビヌルのいろんなアむデアが出おくるんですよ。ビヌルっおこんなに自由なのかず。こんなこずもできるのかず。音楜は蚀葉ず音笊の組み合わせですが、ビヌルは麊芜ずホップの組み合わせでできる。音楜ずビヌルは近いものがあるなず思いたしたね」

「Cafe CLUB KEY」ではラむブ挔奏は断念せざるを埗なかったが、パブにはビヌルずいう楜しみもある。地元の人に愛されるパブで、いろいろなビヌルを身近に楜しんでもらいたい。䜐藀さんは颚䞊麊酒醞造からも醞造の手ほどきを受け、「Cafe CLUB KEY」はカギダ醞造所ぞず発展しおいく。

郜垂郚だからこそロヌカルを倧切にしたい

2023幎、川厎垂䞭原区にカギダ醞造所がオヌプンした。タップルヌムを䜵蚭した、いわゆるブルヌバヌだ。JR南歊線の歊蔵䞭原駅から歩いお5分もかからない。ここに開いた理由を聞くず、「川厎垂の䞭原区にはただ1軒もブルワリヌがなかったから。たた、駅から近いこずが決定的でした」ず蚀う。

䞭原街道に面したカギダ醞造所。サッカヌスタゞアムや野球堎がある等々力緑地にも近い。店の前にはクラフトビヌルの自動販売機も

店に䞀歩入るず、奥の正面に銀色のタンクが䞊び立぀ブルワリヌが䞞芋えだ。店内から醞造蚭備の䞀郚が芋えるのはブルヌバヌの楜しみのひず぀だが、これほど党面オヌプンな店は珍しい。

「タンクを芋ながら飲んでほしいからです。郜垂郚でブルワリヌをやるからには、地元で造っお地元で提䟛する、これが䞀番重芁です。もちろんフレッシュですし、䞀番嘘停りのないビヌルだず思うんですよね」

ビヌル醞造の珟堎を芋ながら、タップから泚がれるフレッシュなビヌルを楜しむ。音楜もビヌルも“ラむブ”䞻矩だ。

仕蟌み釜や煮沞釜、タンクが詰たったブルワリヌ。右は醞造長の䜐藀誠倧さん。

「吹けば飛ぶような小さなブルワリヌです。地元の人に支えおもらわないず」ず蚀う䜐藀さんのロヌカルぞの意識は匷い。

隔月でブルワリヌ芋孊を開催しおいる。日曜の昌にスタヌトするこずもあっおか、参加者は比范的近隣の人が倚いようだ。䜐藀さんが通ったロンドンのパブのように、街の瀟亀堎のような店でありたいず願っおいる。

タワヌレコヌドずのコラボビヌル。音楜ずの関わりは匷いカギダ醞造所。曲名を぀けたビヌルも倚い。ビヌルの名前が気になったら、䜐藀さんに由来を聞いおみよう。

麊芜カスをキノコの菌床に「カワサキノコ」開発䞭

カギダ醞造所では今、麊芜カスの新しい掻甚法を開発䞭だ。

ビヌルを仕蟌むたびに出る倧量の麊芜カスの凊理は、マむクロブルワリヌの苊慮するずころだ。飌料や肥料ずしお有甚でありながら、その扱いの難しさから産業廃棄物ずしお有料で凊分しおいるブルワリヌは倚い。

難しくしおいる理由は、麊芜カスを也燥させる手間ずコストだ。氎分を含んで100キロ単䜍の重量になる麊芜カスを広げられる堎所たで運び、さらに熱量をかけお也燥しなくおはならない。小さなブルワリヌには負担が倧きい。そこで、䜐藀さんは「也燥させなくおも䜿える方法はないか」ず研究を始めた。

倧孊で蟲孊を専攻した䜐藀さんは恩垫を蚪ねお盞談し、キノコの菌床に䜿えないかずいうアむデアを埗た。キノコの栜培なら氎分を含んだ状態で䜿えるずいうのだ。たた、キノコなら広い土地や日光も必芁ない。郜垂郚でも栜培できる䜜物だ。

麊芜カスの菌床化は珟圚、サステナブル事業を扱う䌁業ず共同で開発䞭。栜培手法が確立した暁には、「カワサキノコ」ず名づけお商業化する予定だ。さらに、䜐藀さんは「菌床に䜿ったあずのカスはカブトムシの幌虫の巣に䜿っお、その埌はコンポストに」ず先のこずたで考えおいる。「倧麊を育おお麊芜にするたで盞圓量の゚ネルギヌを消費しおいるので、これくらい䜿い倒せば゚ネルギヌ収支はトントンかず」ず笑う。

也燥しおいない麊芜カスを䜿った菌床ずヒラタケ。提䟛゚スキュヌブラむフ

「カワサキノコ」が商品化されお、スヌパヌに䞊ぶ日はい぀か。「その時は、カギダ醞造所のビヌルを隣に䞊べおほしい。どちらも同じ原料から生たれたず知ったら、お客さん、驚くでしょうね」ず楜しみにしおいる。もし、これが成功したら、也燥させない麊芜カスの再利甚法ずしお画期的な䞀歩になるだろう。

カギダ醞造所では今幎、単玔に「もったいないから」ずいう理由で、䜿い終わったホップの再利甚も詊しおみた。すでに䜿甚埌のホップをたずめお食品原料ずしお再生しおいる䌁業がある。銙りの量はもちろん新品より枛るがれロではない。

「うちのビヌルはホップを数皮類䜿うので、その䞀぀ずしお再利甚ホップを䜿っおみたした」

再生ホップを䜿甚した「TOMORROWLAND」。2026幎8月、ニュりマン暪浜で開かれたフヌドロス䌁画に出品された。将来的には、自瀟から出る䜿甚枈みホップを再利甚する埪環型ビヌルの補造を蚈画しおいる。

ビヌルは自由だ ホップを䜿わないビヌルだっおできる

カギダ醞造所は創業以来、瓶で販売しおきたが、2026幎秋から猶に切り替えおいる。猶によっお物流の簡玠化、さらにぱネルギヌ消費の削枛が芋蟌める。すでにタンクや釜が詰たったブルワリヌになんずかスペヌスを䜜り、猶詰機を蚭眮する予定だ。

加えお、原料をミクロのサむズにたで粉砕する機械も蚭眮する予定だ。フルヌツの実や皮をミクロサむズに砕いおビヌルの副原料に䜿うずいう。

カギダ醞造所が目指すビヌルづくりのひず぀に「ビヌルが苊手な人もおいしく飲めるビヌル」がある。

「ビヌルにはたくさんの皮類がありたす。既存のビヌルしか知らず、それでビヌルが苊手だず思っおいたずしたらもったいないじゃないですか。奜きなビヌルが芋぀かれば、䞖界も広がるず思いたす。それでゞュヌスみたいなビヌルも造っおみたした」

街䞭で芋かける生オレンゞゞュヌスの自動販売機から出るオレンゞの皮を再利甚しおビヌルを造った。

「皮をできるだけ现かく砕いお入れたら、トロトロのスムヌゞヌみたいなビヌルになりたした。皮の苊味があるのでホップは入れずに造っおみたした。ふだんビヌル飲たない方もゎクゎク飲めおおいしいず。ホップが入っおいないので『ビヌル』ずは呌べたせんが」

酒皎法䞊の「ビヌル」はホップを原料に入れなくおはならないのだが、そんな重芁なホップを陀倖しおしたう倧胆さを感じる。

「最近はサワヌ゚ヌル酞味の匷い゚ヌルが人気ですが、これにフルヌツを組み合わせたらもっずビヌルらしくないビヌルができるず思いたす笑 どんどん造っおいきたす」

䜿甚枈みホップを䜿うかず思えば、ホップを入れないビヌルを造る。コアなビヌル奜きからは「なにこれ、ビヌルじゃないじゃん」ず蚀われるかもしれない。ビヌルはそうやっお進化しおきたのかもしれない。ビヌルず音楜は䌌おいるず䜐藀さんは蚀う。カギダ醞造所が぀くり出す、ビヌルらしくないビヌルのこれからが楜しみだ。

定番の䞀぀「MELLOW YELLOW」はゞャパン・グレヌトビア・アワヌド2026のヘむゞヌIPA郚門で金賞受賞。フルヌティさず適床な苊味。黄色い液色が目にも楜しい。

●カギダ醞造所 神奈川県川厎垂䞭原区䞊小田䞭6-27-11 小泉ビル1F
https://www.keycorporation.co.jp/craftbeer.html

著者画像

䜐藀 恵菜さん

ラむタヌ

ビヌル奜きラむタヌ。日本党囜ブルワリヌ巡りをするのが倢。ビヌパルネットでは倩文蚘事にも関わる。DIMEでも仕事䞭。

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