国立歴史民俗博物館で日本列島の文化 約3万7000年ぶんを一気見! | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2026.09.18

国立歴史民俗博物館で日本列島の文化 約3万7000年ぶんを一気見!

国立歴史民俗博物館で日本列島の文化 約3万7000年ぶんを一気見!
天候に左右されず、自然を学べるのが博物館の魅力。本誌記者が面白い展示内容の博物館を巡ってきたぞ!
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日本の暮らしはいかにして育まれたのか?

千葉県・国立歴史民俗博物館

右端:ライター 藤原祥弘(右端)

歴博は初体験。「こんなアプローチで歴史を勉強したかった〜!」

案内してくれた人 広報課 ㊧石渡芳樹さん、㊨田川 麗さん

おふたりとも歴史が大好き!「模型は細部にまで注力。脇役や背景まで楽しんで」(石渡さん)。「各コーナーの解説動画は力作ぞろい。お見逃しなく!」(田川さん)

左:港川人(複製)

沖縄県八重瀬町で発見。オーストラリア先住民に近い。

国立歴史民俗博物館 

住所:千葉県佐倉市城内町 117
電話:050-5541-8600
営業時間:3〜9月 9:30-17:00、10〜2月 9:30-16:30
※入館は閉館の30分前まで
定休日:毎週月曜(休日の場合は開館し翌平日休館)、年末年始、他
料金:一般¥900 大学生¥500 高校生以下・18歳未満無料
 

施設の見どころ

1 日本列島の文化と歴史を徹底解説

2 精緻な復元模型で生活を再現

3 圧倒的かつ網羅的な展示物

DATA

開館 1983年3月18日
館内施設 地上1階地下1階/約3万8000m2
年間来場者数 約16万人

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「このプロローグで過去へと遡り、日本列島に人類が到達した時点から展示が始まります」
 
案内してくれたのは国立歴史民俗博物館(以下歴博)広報課の石渡芳樹さんと田川 麗さん。薄暗いプロローグの両側に並ぶのは、各時代を生きた人々のイメージだ。
 
近代、近世、中世と遡り、再び明るくなった第一展示室で出迎えたのはナウマンゾウ。その向かいに立つのは沖縄で見つかった港川人の複製だ。
 
港川人がいたのはおよそ2万年前。近年行なわれた調査によりオーストラリア周辺に暮らす人に近いとわかったという。へー! 今も情報は更新されているんですね!

「歴博は資料そのものを見せることより、最新の研究の成果を広めることを目的としています。日本列島に人類が到達したのはおよそ3万7000年前。当館ではその時代から現代に至るまでの日本列島で営まれた暮らしと文化を紹介しています」
 
と、石渡さん。
 
歴史が解説されるとき、多くの場合は豪傑たちの闘争や偉人の仕事を時系列で並べて展開していく。いっぽう歴博が展示の縦糸にするのは「民衆の暮らし」だ。日本の各地と周辺地域で育まれた個々の文化と、それぞれの関わり合いを追いながら、日本列島の文化の変遷を明らかにしていく。
 
石器に加えて土器が使われるようになり、農耕が始まり、「国」が生まれ、地域の自然に合わせた多様な文化が花開く……。歴博は、圧倒的な量の展示物で、現代の私たちが親しむ生活文化ができるまでを解説する。

「歴博の特徴のひとつが充実した解説文です。子供にも理解しやすいものと、大人向けの詳細なものをご用意しています」
 
とは田川さん。全展示を見終えたとき、自分に続く壮大な物語を読んだ気分になっていた。

「日本各地の歴史と民俗が現代社会にどのようにつながっているかを紹介するために、日本全国の資料の複製も展示しています。当館に展示されている資料を見て興味が湧いたら、ぜひ、現地を訪れて本物も見てほしいですね」
 
と石渡さん。展示資料や展示コーナーには撮影禁止のものもあり、ここで紹介できないものもある。切り取られた情報ではなく、生の展示を見てもらい、歴史について考えてほしいという。たしかに、要約が難しい骨太な展示が多い(その内容は訪れてからのお楽しみ!)。
 
最後に歴博を楽しむコツを伝授したい。訪れるなら絶対に開館と同時に入館を。約3万7000年の日本列島の歩みを追うには、開館時間をいっぱい使っても時間が足りません!

ナウマンゾウがお出迎え! 旧石器時代からスタート

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石器を使った狩りと採集を紹介。今よりも平均気温が10度Cほど低い時代に人類は日本列島にやってきた。

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文化が多様化! 縄文と弥生

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地域が違えば文化も違う。多様な様式の縄文土器を展示。そして稲作の技術をもつ人々が渡来し、弥生時代へ。

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「倭」の登場と大陸との交流

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東アジアの島嶼部に住む人々は「倭人」と呼ばれるようになり大陸との新たな交流が開始。ついに国際社会デビュー! 古墳時代へ。


銅鐸の音が聞けます!

ミニチュアで徹底再現!「洛中洛外図屏風」

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洛中洛外図屏風(歴博甲本)(複製)歴博蔵
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京都の町並(復元模型)歴博蔵

資料や研究成果を基にした精巧な模型も歴博の見どころ。「洛中洛外図屏風」をもとに復元したのは室町時代の京都の四条室町。屏風と模型を行き来して、模型にいる人を探しても楽しい。

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琵琶法師を探せ!

妖怪から祭祀まで圧巻! 民俗の展示室

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第4展示室は民俗を解説。妖怪や祭りなど人の心から発した営みの展示も充実。左写真は福島県田村市の船引町お人形保存会の朴橋のお人形様(複製)。

カッパも展示!

双眼鏡が必携!「江戸橋広小路模型」

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江戸橋広小路(復元模型)歴博蔵

18世紀末から19世紀初頭の日本橋から江戸橋にかけての河岸や市場のエリアを模型化。60分の1のスケールにさまざまな商いの様子を盛り込んでいる。

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すし売りも商い中

糧は自然から海山に生かされる暮らし

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雪深い山が育んだ狩猟集団のマタギや、山肌に畑を拓く焼き畑、里海での漁労……。各地域の自然と風土に合わせて発達した、糧を得るための道具や糧を生かした暮らしを紹介。

日本人を生かした植物が勢ぞろい「くらしの植物苑」

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食物や薬、道具の素材となり日本人を支えた植物を展示。植物苑だけ見る場合は大人200円、高校生以下・18歳未満無料。

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縄文人が利用した植物を楽しみながら学べるシートなど子供も楽しめる工夫も。

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食べる、織る・漉く、染める、治す、道具をつくる、塗る・燃やすのテーマで展示。

※くらしの植物苑は
営業時間:9:30〜16:30(入苑は閉苑の30分前まで)。
定休日:博物館に同じ。

※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一

(BE-PAL 2026年9月号より)

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