
日本一笑える水族館の、おもしろくて美味しい楽しい「お土産」にも、魅せられた!!
BE-PAL本誌、2026年9月号の大特集とBE-PAL.NETにて、僕は「日本一笑える水族館」と題して、愛知県蒲郡市の竹島水族館、略して「タケスイ」をレポートしています。
竹島水族館
〒443-0031 愛知県蒲郡市竹島町1-6
とにかく解説がおもしろい! という話を前回書きましたが、それだけではありません。お土産のインパクトがすごい!! 見た目もだけど、味も!
ということで、今回はその食レポをお送りします。
超グソクムシせんべい
まずは、そのキモかわいさで大人気、「深海のダンゴムシ」ことオオグソクムシをモチーフにした『超グソクムシせんべい』。お土産でも一番人気だそうです。

地元企業と組んで作り上げたパッケージは、マット(艶消し)な紙質なのに、ヤンキーグラサンふうの目や体節の縁にだけ光沢を入れるという徹底したリアル志向。
せんべいにはオオグソクムシ粉が入っています。
オオグソクムシは見た目に反してうまい、みたいな言説がネットに流れていますが、小林館長曰く、「決してそんなことは……」。
味をとるか、“オオグソクムシ感”をとるかで会議は紛糾し、結果的に味をとったそうです。
では食べてみましょう。
パリッと小気味よい音が鳴った瞬間、いかにも甲殻類らしい香りが立ち上ります。でも、エビとは明らかに違う、どこかどんより濁った、まさにオオグソクムシの殻の炒った味を連想させる香ばしさで、深海でうごめく彼らの姿が脳裏に浮かびました。えっと……味をとったはずでしたよね?
合議制をとりながらも、「オオグソクムシ感を完全に消してはならない」という勢力が、最後の最後で味本位の大衆迎合派を少し押し返した、といったところでしょうか。生き物に対するスタッフたちの深い愛を感じた瞬間でした。
超ウツボサブレ
続いて、売り場での存在感なら間違いなくナンバーワン。『超ウツボサブレ』です。

「等身大の気持ち悪さ」を表現したそうです。
また、「フランスパンを抱えて歩くパリジェンヌのように、これをバッグに刺して水族館から帰ってほしい」という思いもあったとか。

たしかにパリジェンヌみたいですね。でもいかつい目と歯がちょっと悪目立ちしているかな?

おお、これなら誰がどう見てもパリジェンヌ! パッケージは全体に光沢が入っていて、ウツボのぬめりもしっかり表現されています。
中のサブレもウツボ形。目はチョコチップで可愛らしく作られています。6本入りのうち、1本だけ「リッチブレンド」。15倍濃度でウツボが入っているそうな。

まずは普通のサブレから食べてみましょう。
鳩サブレと比べるとかなり柔らかめで、「サクッ」というより「フサッ」という歯ざわり。と同時に、小麦と卵のうま味が広がり、普通にうまいな、と思った、その次の瞬間、ややクセのある魚のニオイと気配がもやもやと湧き上がってきます。「ウツボ感をちゃんと出さなければ」というスタッフたちの使命感と矜持が見えるようです。サブレとの相性はというと、まるでイチゴに納豆をのせて食べたよう。いや、さすがにそれは言い過ぎか。でもこう思ったのは事実です。
「これがスタンダードなら、リッチブレンドはどうなるんだ?」
その時は手が出ず、後日、自転車旅行の非常食として持っていきました。ペダルをこいで飢えに飢えてから大自然の中で食べてみると、ニオイも味も濃厚で、まさにウツボサブレの名にふさわしい迫力! でも、むしろこっちの方が味がまとまっているような……。そう思えたのは、空腹感とロケーションのおかげか、味のバランスの問題か。あるいはこの夏の暑さでちょっとハイになっていたか……?
カピバラの落とし物
続いて、人気ナンバー2のお土産がこちら。

タケスイにはカピバラもいて、世界でおそらく唯一のカピバラショーが行なわれています。せいぜい「お手」をやるくらいで、それも彼らの気分次第というゆるいショーです。
そんなカピバラの生態を追求したチョコ菓子。色と形にとことんこだわって仕上げられています。
そのプロ意識に敬意を表し、こちらも手を抜かずに盛りつけてみました。

ま、家の庭の草をちぎって添えただけですが。
香りを嗅いでみると……チョコです。よかった。
切ってみましょう。

おお、二層!
食べてみると、外側は柔らかく、中はやや固め。チョコの香りも中の方がリッチです。香りと歯ざわりに強弱をつけた二層構造、たとえるなら森永カントリーマアム・チョコ味の豪華版といったところでしょうか。いやはや、これはうまいです。自転車をこいで腹を空かせる必要もありません。
メダカの産卵 #16
そして最後は、小林館長肝入り。「#16」というのは何か?
メダカを愛してやまない館長が、そのフォルムをパッケージで完全に再現するため、業者に試作を重ねてもらった「回数」だそうです。
「#3ぐらいまでは、まるでボラでした」と館長。
完成品がこちら。

見よ、この背中の美しいカーブを!
写真じゃわかりにくいのですが、マットな紙質の上に、目や鱗の縁、ひれの筋など、部分的に光沢を入れています。
肝心の中身はというと、

キャンディです。12個入り。

卵の各成長段階を金太郎飴で再現!
実際に舐めてみると、左端の「受精卵飴」はほんのり卵の味がし、右端の「孵化寸前飴」はほんのりメダカの味が……。なんてことはなく、普通においしい飴でした。
以上、忖度なしの食レポをお届けしましたが、言わずもがな、これらはすべて僕個人の感想です。ちなみに、うちの6歳の娘は、超ウツボサブレも超グソクムシせんべいもとても気に入り、おかわりしていました。
ま、味がどうこうではなく、これらを求めるお客さんの多くは、愛と冗談に満ちたタケスイの「空気」を持ち帰りたい人なのでしょう。ホームパーティーの隠し球やゲームの景品にもぴったり。そう考えると、オオグソクムシ感やウツボ感はむしろもっと強くてもいいのかもしれません(笑)。
ごちそうさまでした!
取材、構成、文、撮影/石田ゆうすけ
『BE-PAL』2026年9月号 小学館 『この夏、イチバン涼しい冒険へ! 水族館&博物館 漫遊術』大特集!





