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地球のナゾを解き明かせ!博物館探検旅
福井県・福井県立恐竜博物館

福井県立恐竜博物館
住所:福井県勝山市村岡町寺尾51-11
電話:0779(88)0001
営業時間:9:00〜17:00(最終入館は16:30まで)
夏季延長開館期間(令和8年度は7月18日〜8月16日まで)8:30〜18:00
*予約制(HP・恐竜博物館観覧券販売ページより)
定休日:第2・4水曜日(祝日のときはその翌日、夏休み期間中は無休)、年末年始
*展示替えで臨時休館あり。HPで確認を
料金:大人¥1,000、高・大生¥800、小・中生¥500、70歳以上¥500
施設の見どころ
1 世界で最大級51種類の全身骨格
2 日本&東アジアの恐竜を一堂に観察可能
3 恐竜時代の植生もリアルに復元
DATA
設立 2000年7月14日
館内施設 4階建て/約23,600㎡
年間来場者数 約129万人(’25年度)
ライター 大石裕美

本誌室内担当としてウン十年。じつは爬虫類と絶叫マシン好きで、子供のころからの夢はワニを飼うこと。デイノスクスを見てみたい。
爬虫類・恐竜研究家 富田京一さん

女子美術大学、TCA東京ECO動物海洋専門学校講師。係わったアニメ『プラノサウルス ガチコセイブツ部』がテレ東系で放送中。
町丸ごと楽しめる博物館
「あ、あれ発掘現場かも!?」
福井駅から勝山市にある恐竜博物館に向かう道中、車の中か
ら身を乗り出し、爬虫類・恐竜研究家の富田京一さんが叫ぶ。残念ながら採石場。でも、富田さんが誤解するにはワケがある。
「普通は地層の横から横穴を掘り進めていくんだけど、福井県では山を上から削っていくという、ダイナミックな発掘作業を行なっているのですよ!」
シャベルカーで掘り出した土を、人の手で確認しながら、コツコツと作業を進める。それが35年以上も続けられている。
九頭竜川(この流域で数々の化石を発見)を越えたところで、またしても富田さんが叫ぶ。
「恐竜の卵が見えてきた!」
そんなバカな〜、と目をやると、木立の中に銀色に輝く卵が頭を突き出しているじゃありませんか! しかも、町の至るところに恐竜が顔を出し始めた。道の駅、公園、工事現場の壁画。
「日本で見つかった新種の恐竜化石の約半分が福井県で見つかっているんですよ。それも全部、博物館で見られますよ」
町丸ごと楽しめる博物館とは。
まさに恐竜王国、やるな〜。
「古生物系の博物館の場合、展示はおもに、①時代ごとに並べる②目玉の展示物を中心に並べる③ご当地での見所、の複合で成り立っていますが、福井県立恐竜博物館の常設展示はこれらに加え、分類学的な近縁関係も反映されているので、化石を見比べるのが面白いんですよ!」
博物館に到着。夏休み前の平日だというのに、結構な混雑。
さすが、世界三大恐竜博物館のひとつといわれるだけはある。巨大エスカレーターに乗り、いざ出発! 地下に潜っていく感覚がまた、気分を盛り上げる。
「巨大卵の正体がこれです!」
柱ひとつないドーム空間に、これでもか、というほど骨格標本が鎮座。圧巻の眺めである。
「骨だけだと墓場感もあるけど、要所要所に模型や、ジオラマを並べることで、飽きがこない仕掛けになっているのですよ」
壁や仕切りがない分、骨格の裏側など、360度隅から隅まで観察できるのも魅力だ。
「骨格標本って、1個だけ見ても面白さは半減。日本の恐竜学が発展してきたのも、比べて研究することができたからです」
町を訪れた瞬間から始まる恐竜体験!
勝山インターから国道416号線を博物館に向かう道は、まさに恐竜街道。フォトスポットも満載で、テンション爆上がり!

JR福井駅にもフクイラプトルの木製骨格標本が鎮座している。
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九頭竜川にかかる勝山恐竜橋を渡ると、フクイラプトルがお出迎え。
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ロードパーキング恐竜街道には、全長10mのブラキオサウルス!!
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博物館目前で出会う「ホワイトザウルス」。後ろに見える卵が博物館。

見て触れて、五感で楽しめる博物館


’23年にリニューアルオープンし、新館を増設。3面ダイノシアターや収蔵庫も閲覧可能。

専用バスで移動する野外恐竜博物館では、発掘現場を見学したり、発掘体験も行なえる。

吹き抜けの大空間を一挙に地下まで下り、展示室へ。

実物の化石が埋め込まれたトンネルに誘われる。

展示室の入り口に鎮座する、カマラサウルスの産状化石。デスポーズという、死亡直後のままの姿を見られ、興味を掻き立てられる。
リアルに再現された骨格恐竜や植生を楽しむワンダーランド

骨格標本は、細部を見比べ、観察するほど面白い。原始的な体の仕組みから、どんどん進化していく過程まで見られるのは、恐竜博物館ならでは。
「歯は動物のなかでいちばん硬い部位なので、化石にも残りやすいんです。肉食か草食か、虫を食べていたのかなど、食性までわかるので、歯にスポットを当てて観察するのも興味深い」
肩の関節が後ろを向いていたり、足首が前後にしか動かなかったり。指の数に脊椎の数。見れば見るほどハマっていく〜。一日では到底見終わりません。

随所に恐竜の動く模型を配置。こんな仕掛けに子供も大満足。

骨格を間近で見上げられる一画もあり、その大きさを実感。
全身骨格標本を深掘りしてマニアックに楽しむ

1 骨盤のつくりを見比べる
①エオドロマエウス

②コエロフィシス

③ケラトサウルス

恐竜の骨盤はいくつか形があったり、仙椎(骨盤のところの脊椎)の数が種類で異なるので見比べてみよう。①のように原始的な恐竜は仙椎が少なく、そこから②、③のように5〜6つのものも現われる。
2 それぞれ歯の違いが面白い!
①ディプロドクス

②ブラキオサウルス

③ニジェールサウルス

④ティラノサウルス

①〜③は草食恐竜の歯。同じ草食でも、①は鉛筆状②はスプーン状、③は地面の植物を食べられるように細かい歯がびっしり。④は肉食恐竜の歯で、鋭く、さらに縁に細かいギザギザがある。
3 皮膚やウロコを子細に観察
①

②

実物化石は、再現しにくいディテールを観察する。①はよく見ると、皮膚の痕跡が分かる。羽毛が残っている化石も展示されている。②は骨の断裂面。複製品だと、ここまで細かく再現することは難しい。

日本で見つかった新種の恐竜を堪能


現在日本で見つかっている恐竜は13種類で、そのうちの6種類が福井県で発見されたもの。写真はフクイベナートル。下が実物化石で上が復元骨格。



1982年、勝山市の化石発掘現場で1億2千年前のワニ類の歯化石が発見されたことが、福井県での恐竜発掘のはじまり。全身の骨や足跡も残っていた。以降、次々と恐竜の化石が発見されている。

中国四川省の恐竜たちを再現した、ジオラマコーナー。アジアの恐竜が見られるのも◎。

アジアのティラノサウルスといわれるタルボサウルス・バタールも! 違いを比べよう。

植物好きにはたまらない古代植物の世界

動く恐竜模型の足元や背景画など、ところどこにその時代の植物も再現されている。恐竜に夢中になっていると見落としがちだが、実は精巧にできていて見応え十分。

植物の解説も展示。植物の場合、茎、葉、根などが分離して個別に化石になって発見されることが多い。

生命の歴史ゾーンの古生代エリア。地球誕生から初期の生命の芽生えや進化を解説。これは3億年前の大森林で、シダ類から裸子植物への進化が垣間見れる。

三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と3つに分けられた植生のジオラマも一見の価値あり。植物化石も展示されている。
まだまだあります、恐竜博物館の見どころ
見逃し厳禁の希少な化石も!

ブラキロフォサウルスのミイラ化石。皮膚や筋肉なども残されている希少な化石。2033年まで限定公開。


アロサウルスの実物化石。全身骨格の隣に、実物の頭骨が観察しやすく設置。肩甲骨にケガの跡があるとか。
食べられる恐竜もお忘れなく
背鰭が自慢の
スピノサウルスカレー
¥1,600

ホッとひと息。3階にあるレストランでは子供が喜ぶ恐竜メニューも。11月まで特別展仕様の新メニューも登場!
*「スマホでとびだす!うごく!きょうりゅうずかん」(イラスト/菅谷中 3DCG制作/石渡康一 監修/富田京一 ¥2090)が好評発売中!
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※構成/大石裕美 撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2026年9月号より)




