身近なツユクサがみせる不思議な現象とは? タネを集めて確かめよう! | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2026.09.07

身近なツユクサがみせる不思議な現象とは? タネを集めて確かめよう!

身近なツユクサがみせる不思議な現象とは? タネを集めて確かめよう!
画家・写真家・ナチュラリストの奥山ひさしさんによる、美しいイラストと写真付きの自然エッセイです。今回は、ツユクサについて。
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ツユクサの英名はCommelina communis 

ツユクサ科の一年草。やや湿った道端や、小川の縁に群がって生える。茎の下部は地面を這い、茎の先は立ち上がり高さ20〜50㎝になる。6〜9月に青い花を咲かせる。花弁は3枚あり、そのうち2枚が大きくて青色、1枚は白色。花はひとつずつ包葉の外に出て開き、1日でしぼむ。和名は「露を帯びた草」の意味で、古くは「つきくさ」とよばれた。

「トンボグサ」「アオバナ」「ベベノハナ」「ホタルグサ」など、ツユクサには多くの地方名がある

ツユクサはツユクサ科の一年草で、日本全土に分布する。花期は6~9月ころで、つぼみの形からボウシバナともいう。
 
朝に咲き、昼過ぎには閉じてしまうが、空色の涼やかな花には「露草」という名がいかにもふさわしい。美しく青い花の色は、アントシアニンにマグネシウムなどが結びついて生じる。
 
花びらの搾り汁は、染色に用いる。水で洗うと跡形もなく消えるため、友禅染の下絵描きに利用された。
 
汁を和紙にしみこませて乾燥させたのが「青花紙」で、品種改良されたオオボウシバナは滋賀県の特産物になっている。
 
ツユクサの花は、ミッキーマウスの耳のような形の花びら2枚が大きく、1枚はごく小さくて白い。茎を切って水に挿しておくと、節のところから根をのばすたくましい草だ。
 
枯れるころには、米粒を半分にしたようなたくさんのタネがこぼれおちる。そのタネを拾い集めておいて、3月になったら鉢に埋めてみよう。
 
やがて、匙形の小さな葉がのびてくるのだが、じつはその前に、土の中ではなんとも不思議なことがおこっている。タネからは、はじめに1本の白い紐のようなものが上に向かってのび、その先から芽や根がのびるのだ。タネから直に根や芽がのびるのではない。のびてくるこの白い紐のようなものは……いったいなんだろう?
 
タネを集めておいて、ぜひ試してみてください。この不思議な芽ののび方は、じつは水生植物のオモダカにも見られる。私のような不思議好きにとっては、謎解きの格好の材料である。さりげなく道端などに育つ草に、こんなにも楽しい秘密が隠れているのだ。

節のところから根がのびる。

米粒のようなタネ。

はじめに白い紐(?)がのびてくる。

池で育つオモダカも同様の育ち方だ。

(BE-PAL 2026年9月号より)

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