好奇心をかき立てる知的冒険へ出かけよう!
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岐阜県・世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

行ってきた人 ライター 山本修二

魚は見るよりも釣るか食べるほうが好き。とくにアユは大好物。水槽を眺めて「美味しそう~」
と、つぶやいてしまった。
案内してくれた人 広報 津々木 匠さん

子供のころにオイカワの美しさに魅了されて生き物好きに。アクア・トト ぎふでは、広報やイベントなどを担当する。
世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ
住所:岐阜県各務原市川島笠田町1453 河川環境楽園内
電話:0586(89)8200
営業時間:9:30~17:00(平日)、9:30~18:00(土日祝日)
最終入館は閉館の1時間前まで
定休日:無休(年に数回、河川環境楽園の休園にともない休館する場合あり)
料金:大人¥1,780、中学生・高校生¥1,400、小学生¥900、幼児(3歳以上)¥500

施設の見どころ
1 長良川の生態系をリアルに再現
2 貴重な絶滅危惧種がたくさん
3 世界の巨大淡水魚が泳ぐ大水槽
DATA
設立 2004年7月14日
館内施設 4階建て/約8,480㎡
年間来場者数 約53万人

「世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ」は、岐阜県と愛知県の県境近く、木曽川のほとりに広がる巨大な複合公園「河川環境楽園」内にある。施設は4階建てで、最上階から下へ順に見学するコースだ。4~3階は、岐阜県の象徴ともいえる長良川の源流から河口までを立体的に表現。魚類のみならず、愛らしいカヤネズミなど、流域に生息する小動物や鳥類の観察もできる。長良川源流を再現した展示エリアに一歩入ると、そこはまるで森の中のよう。天井からは自然光が降り注ぎ、豪快に流れる滝の飛沫を照らしている。多くの木や植物も、もちろん本物。猛暑日にはうれしい清涼感だ。
見学をはじめると、まずは源流の象徴、ヤマトイワナが出迎えてくれた。その先には滝が流れこむ水槽がある。滝つぼの下には荒々しい岩肌が再現されていて、深さと奥行きもたっぷり。大きなアマゴたちが悠々と泳いでいるのが印象的だ。横から観察できる水槽がとても大きく、魚も大小さまざま。ついつい時間を忘れて、優雅な泳ぎに見入ってしまうほど──。
4階から3階に続く通路には、壁一面に飾られた森の写真がある。その景色に続く水辺を模した水槽には、ハコネサンショウウオやタゴガエルなどがいるので、見逃さないようにしたい。3階では、国の特別天然記念物のオオサンショウウオや絶滅危惧種のハリヨなどが観察できる。アユやオイカワなど、中流から河口に生息する身近な魚の泳ぐ姿も。色や柄など日本の淡水魚の美しさを再発見した。
「この水槽は高さがあるので、水生昆虫が息をするために水面まで泳ぐ様子を見られますよ」と津々木さん。ゲンゴロウが素早く泳ぐ姿を初めて見る人も、少なくないはず。ほかにもウシモツゴやデメモロコなど、希少な魚たちも元気に泳いでいた。バックヤードでは展示用などさまざまな生き物の飼育も行なわれている。そんなバックヤードを巡る事前予約制のツアーは、基本的に、土日・祝日限定だが、8月末までは連日開催されるので、夏休みの思い出づくりにぜひ体験してみてほしい。
2階では、釧路湿原などに生息する日本最大の淡水魚イトウのほか、メコン川のメコンオオナマズなど、アジア、アフリカに生息する巨大魚などを展示。1階のアマゾン川の水槽では、ピラルクーやシルバーアロワナなど、スケールの違う巨大な淡水魚が悠々と泳いでいた。展示コースの最後では、アマゾン川流域に生息するカピバラが見送ってくれるのがうれしい。
さすがは世界最大級の淡水魚水族館。酷暑の心配もない涼しい屋内にある疑似長良川で、魚たちを眺めて涼を取ろう!
生息環境をリアルに再現!

川を育む水を供給する、豊かな森を再現。「オオコノハズクは、上のほうにいることが多いですね」と津々木さん。

長良川周辺の林などに生息するオオコノハズク。全長は約20㎝。
源流から河口まで長良川の水辺を疑似体験

4F 源流域

長良川の源流のひとつ、郡上市高鷲町の渓谷を再現した4階の展示スペース。清涼感満点の滝が2本もある。さあ河口へ向けて進もう。

ヤマトサンショウウオ

平野部や丘陵地に生息し、なかなか見ることができないサンショウウオの仲間。
コツメカワウソ

絶滅したニホンカワウソの代わりにコツメカワウソを展示。ごはんの時間は1日3回。
ヤマトイワナ

4階に入って最初に出迎えてくれたのは、長良川の最上流域に生息するヤマトイワナ。
3F 上流~中流域
長良川の代名詞といえば
アユ

2015年に世界農業遺産に認定された長良川のアユ。1300年以上の歴史を誇る鵜飼で知られる、この流域のシンボルフィッシュ。
岐阜県の希少淡水魚たち

湧き水がある池や川に生息するハリヨは岐阜県のレッドデータブックに掲載される希少種。水槽では、底から水が湧き出す様子を再現している。
ハリヨ


カジカ、カワヒガイ、ドンコなど、岐阜県内に生息する希少な淡水魚が、元気に泳ぐ姿も見られる。

スロープ途中も見落としなく

4階から3階へと続くスロープにも、サンショウウオ、カエル、ナマズなどが展示されている。
ハコネサンショウウオ

迫力のオオサンショウウオ

世界最大級の両生類として知られる国の特別天然記念物オオサンショウウオも見られる。水槽の底で岩のように静かにただずんでいた。
3F 中流域~河口
お馴染みの魚や水生昆虫が目の前で優雅に泳ぐ

水深が1m以上ある大きな水槽にいるのは水生昆虫。ゲンゴロウが底近くから泳ぎ出し、水面にお尻を出して呼吸をする姿を目撃。
タガメ

水路などに生息するタガメ。岐阜県内では、190種類以上の水生昆虫が確認されている。
ゲンゴロウ

農地の近代化や農薬の影響で、見かけることが少なくなってきたゲンゴロウ。
アマゴ

自然の渓流ではなかなか見ることができない巨大なアマゴが悠々と泳ぐ。よく探すと海に下り遡上したサツキマスの姿も。

トビハゼ

河口近くの干潟などに生息するトビハゼやハマガニなども見られる。
シロヒレタビラ

シロヒレタビラやイチモンジタナゴなど、長良川周辺の用水路に生息する魚もいる。
カヤネズミ

ネズミの中では日本最小のカヤネズミ。河川敷や休耕田などに生息している。かわいい!
迫力満点! 巨大淡水魚たち
2F メコン川

長良川の河口から世界へ。2階では、メコン川や揚子江などに生息するド迫力の巨大魚が目の前を泳ぐ。
オスフロネムス・グラミー

観賞用として知られるグラミーの仲間のなかで、最大級の種類。1mほどになる。
プラークラベーン

メコン川に生息するエイの仲間で、世界最大級の淡水魚のひとつ。
2F 釧路湿原

淡水魚博士の研究所をテーマにしたエリアがあり、釧路湿原の水槽には巨大淡水魚イトウが!(メコン川淡水環境研究所内にて)。
1F アマゾン川

世界最大の流域面積を誇る南米のアマゾン川。そこに生息する巨大魚が、大きな水槽の中を力強く泳ぐ。
ピラルクー

世界最大級の淡水魚として知られるピラルクーが目の前を泳ぐ。
1F 木曽三川の魚たちとふれあえる!

木曽三川に生息する魚類を水面から観察できる水辺を再現。

ごはんをあげる体験では手を吸い込むような勢いで魚たちが群がってきた。食べられちゃうかと思った(笑)。
舞台裏を観察! 土日・祝日限定のバックヤードツアーも人気
スタッフ 山下 凌さん

バックヤードを案内してくれた飼育スタッフの山下さん。普段は、日本の魚と水生昆虫の飼育や管理を担当している。

バックヤードツアーは、通常、土日祝日限定で各日2回実施。

この日、施設内で産卵が確認されたウシモツゴの卵。

屋内での繁殖が難しい種は、自然の光周期と温度変化を活用した屋外で繁殖を試みている。
※構成/山本修二 撮影/安田健示
(BE-PAL 2026年9月号より)




