今回は、東京スカイツリーの麓を流れる水路沿いを散策する「源森川GREEN WAY」です。
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43th ルート:源森川GREEN WAY
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都内を歩いていると、しばしば目にする東京スカイツリー。この連載「東京GREEN WAY」でも、墨田区や台東区、隅田川沿いなどを歩いた際にたびたび見かけました。

でも、距離のあるところから眺めるだけで、東京スカイツリー自体には一度も訪れたことがありません。そこで、近くというか麓まで足を運んでみたいと、ふと思い立ったのでした。
とはいえ、いきなり最寄り駅から東京スカイツリーに向かったのでは面白くありません。何か良さそうな道がないかと地図を眺めると、すぐそばを北十間川(きたじゅっけんがわ)という人工的につくられたような川が流れているようです。
これまでも連載で紹介してきたように、川沿いに心地よい緑道が整備されている例は少なくありません。ならば行くべし!
ということで、今回は「源森川GREEN WAY」です(「源森川」と書いて「げんもりかわ」と読みますが、詳しい話は追々)。
今回のターミナス(=トレイルの起点)は浅草駅です。多くの人でにぎわう駅周辺から逃げるように、さっさと隅田川方向に歩きます。そして、助六夢通りを渡って、以前にも連載の取材で訪れた隅田公園へ。
隅田公園の先に「すみだリバーウォーク」が見えてきました。この近辺には何度も足を運んでいますが、すみだリバーウォークを渡るのは初めてです。隅田川の近くまで歩を進めてくると、橋のたもとに古い碑を発見しました。
山の宿の渡し
現在のように道路が整備されておらず、橋の数も多くなかった時代、隅田川沿いには数多くの「渡し」がありました。明治初頭の時点でも20を超える渡しが存在したとか。
この石碑の近辺には「山の宿(しゅく)の渡し」という渡し船があり、明治40年(1907)発行の「東京市浅草区全図」でも紹介されていたそうです。時代ととも橋が増えるなどして渡し船は減少し、1960年代には隅田川から姿を消しました。

すみだリバーウォーク
「すみだリバーウォーク」は、東武線の浅草駅延伸の際にかけられた鉄道橋に、新たに併設された歩道橋です。基本的には歩行者用で、自転車は手押しのみOK(乗車での通行はNG)。歩道橋は全長約160mあり、通路の幅は約2.5m。浅草周辺と東京スカイツリーを結ぶ最短の徒歩ルートで、隅田川を眺めながらゆっくり渡れる橋として、2020年の開通以降、多くの人に親しまれています。
開門時間は7:00~22:00ですが、夜のライトアップも人気だそうです。ナイトハイクで歩いてみるのも一興かもしれません。ちなみに、浅草駅方面からすみだリバーウォークを渡ると、すぐに「恋人の聖地」の認定スポットがあります(個人的に全く興味がないので、詳細は省略。興味のある方は各自で検索を)。


すみだリバーウォークを渡ると水門が見えてきます。源森川水門です。
源森川・北十間川
東京スカイツリーの麓を流れている北十間川(と源森川)。現在に至るまでの歴史的経緯が紆余曲折なので、Googleマップなどを見ながら、どうにか話についてきてください。
まず、明暦(めいれき)の大火(1657年)の後の再開発のための材木輸送用に、万治年間(1658〜1661年)に源森川が開削されます。続いて、1663年に農業用水のために北十間川を開削。隅田川から大横川(現在は親水公園として整備)までを源森川、それより東側を北十間川(横十間川)と呼んでいましたが、この2本の水路はつながっていたそうです。
その後、隅田川の増水による洪水被害が多発したことから、両川の間に堤を築いて分断。明治時代には物流のために再びつながりますが、時代とともに水運が衰退。1978年に治水対策などのために源森川と大横川との分流点に北十間川樋門(ひもん)が設定されました。
以上のように、もともともは別々につくられ、くっついたり離されたりを繰り返してきた2本の水路ですが、現在は北十間川の名称に統一。源森川の名は水門や橋に残されています。

…どうにか複雑な説明をまとめて仕事を終えた気分になりかけましたが、まだ北十間川沿いを歩いていません。かつて多くの船が行き交ったであろう北十間川ですが、現在は川沿いに「東京ミズマチ」というおしゃれな商業施設が整備されています。川沿いには並木やベンチも整備されているので、のんびり散策するには最高のロケーションです。

川沿いの源森橋の先、小梅橋の手前に風格のある建物がありました。建物の前にお相撲さんが描かれた自販機があったので察しがつきましたが、「鳴戸部屋」という相撲部屋でした。
鳴戸部屋
鳴戸の名は、元大関・琴欧洲が引退後に襲名したもの。2017年に佐渡ヶ嶽部屋から独立して、自身の部屋を設立したそうです。
鳴門親方といえばブルガリア出身として知られる方です。もし仮に、自分がヨーロッパの国に渡って国技に身を投じて名を挙げ、引退後も指導者として力を注ぎ…なんてことを想像すると、鳴戸親方の偉大さに頭が下がります。

鳴戸部屋から歩いて10分足らず。自分がパラレルワールドの鳴戸親方だったらなどと妄想するヒマもなく、東京スカイツリーに到着しました。初めて訪れたので、いちおう基本情報を抑えます。というか、麓に商業施設があることを初めて知りました。
東京スカイツリータウン
「東京スカイツリー」、商業施設の「東京ソラマチ」オフィス施設の「東京スカイツリーイーストタワー」の3つの施設を中心に構成されている「東京スカイツリータウン」。水族館やドームシアターなども併設した、広さ約3.69haの「新しい街」として整備されています。
テレビでチラッと見かけた気もしますが、水族館があるなんて知りませんでした。敷地内にはベンチや植栽が配されたスペースも点在しているので、意外と(?)のんびり過ごせそうです。

東京スカイツリー
高さ634メートルの自立式電波塔として2012年に誕生した「東京スカイツリー」。東京の中心部に林立する超高層ビルが電波の送信に大きな影響を与える可能性が高くなったことから、世界一高い自立式電波塔が建設されました。
…といった建設理由と、放送に利用されているということは何となく知っていました。でも、さまざまな研究機関が雷やヒートアイランド、温室効果ガスなどの観測にも東京スカイツリーを活用していることを初めて知りました。これだけ高い建物だと、いろいろ利用しがいがあるってことですね(雑なまとめですみません)。


冒頭でふれたように、都内を散策しているとしょっちゅう東京スカイツリーを見かけます。なので、つい顔なじみのように思い込んでいましたが、その麓にどんな街並みが広がっているかなど、全く知りませんでした。
自戒を込めていうと、メジャーな場所は観光客向けなどと勝手に思い込んで、足を遠ざけがちです。でも、そこは東京の下町エリア。古くからの水路に歴史を感じることができ、川沿いを心地よく歩け、GREEN WAYとして文句なし!なのでした。
というか、源森川などの説明に時間をかけ過ぎて、今回は2kmも歩いていません。いや、GREEN WAYは距離の長短に関係なく、自分が納得すればOKなんですが…。次回はもう少し長く歩きます。
■今回歩いたルートのデータ
|距離約1.7km
|累積標高差約40m
今回のコースを歩いた様子は動画でもご覧いただけます。
●源森川GREEN WAY





