アウトドア情報誌『BE-PAL』(2024年4月~2026年6月号まで)や本サイトに掲載された記事から、上高地などの人気スポットや穴場など、絶景や植物、風情豊かな山道を楽しみながら歩けるハイキングコースを紹介する。BE-PALスタッフや山登り愛好家たちが実際に出かけた山々もあわせてチェックしよう。
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鷲ヶ峰
霧ヶ峰高原の北西に位置する鷲ヶ峰。スタート地点の標高が高く手軽に楽しめる穴場に、BE-PAL編集・オーシタとライター・風間が向かった。
(BE-PAL 2026年6月号より)
霧ヶ峰高原の隠れた名峰

登山口から約1時間で登頂でき、道中の稜線からも絶景を楽しめるのが魅力。眼下の八島ヶ原湿原や諏訪湖、そして雄大な南・中央・北アルプスまで大パノラマが広がる。

編集・オーシタとライター・風間が向かったのは、霧ヶ峰高原の名峰・鷲ヶ峰。
標高1,798mというと本格的な登山に思えるが、スタート地点がすでに1,630mと高所にあり、じつは全然キツくない。手軽にスケール感のある絶景と稜線歩きを楽しめる超穴場的な存在だ。

八島ヶ原湿原の縁をなぞるように歩きだす。広大な湿原の周遊は後でのお楽しみとし、鷲ヶ峰の頂を目指して歩を進める。

歩き始めてわずか45分。稜線へ躍り出た瞬間に視界が開け、眼下には八島ヶ原湿原の全貌が。この劇的な景色の変化こそ、この山の魅力だ。

左手に諏訪湖を望みながらの稜線歩きは、まさに登山のご褒美タイム。空へと続くような開放感に包まれて、足取りも自然と軽くなる。

山頂の見渡すかぎりの大パノラマは南・中央・北アルプスを一望できる贅沢さ。軽く休憩したら、この高揚感を一句認めたくなるというもの。

再び八島ヶ原湿原へと降りると、周遊コースを楽しめる。広大な湿原を眺めながら、アップダウンのない木道をゆったり散策。一周は約60分、ゆっくり歩いても90分ほどで回れる極上のコースだ。

国の天然記念物にも指定されている八島ヶ原湿原。寒さで枯れ草が分解されず、数千年も積み重なってできた貴重な地形だ。
撮影/花岡 凌、地図/MORISON
▼参考記事
中山道・馬籠宿〜妻籠宿
中山道は、京と江戸を結ぶ、約530km、69の宿場町が置かれた五街道。その中にある、馬籠宿と妻籠宿をつなぐハイキングコースを、BE-PAL編集・フジコとライター・オーイシが訪れた。
(BE-PAL 2026年6月号より)
風情豊かな木曽路を闊歩

中山道のうち、長野県塩尻市から岐阜県中津川市までの約80kmは木曽路と呼ばれ、2016年には日本遺産に認定。その中の江戸から数えて43番目の馬籠〜42番目の妻籠を闊歩。JR中津川駅からバスで移動し、スタート!

馬籠宿の最頂部に位置する展望台を過ぎると、山を分け入るハイキングコースがスタート。各所に道標があるので迷子にならずに済む。

"渋皮の剥けし女は見えねども栗のこはめしここの名物"。路肩にある十返舎一九の狂歌碑。松尾芭蕉や正岡子規も旅した。

県道に出て、岐阜県と長野県の県境を越えると、標高790mの馬籠峠に到着! 昔は中山道の難所だったとか。

突如現われた巨木。サワラの下枝が立ち上がった不思議な枝振りで、神居木と呼ばれている。昔から天狗が腰かけて休む場所と信じられてきた。

少々ルートをはずれ、川に降りていった先にあるのが、妻籠の名勝である男滝と女滝。男滝のほうは雄大、女滝は繊細なイメージ。どちらも癒やされる。

道中かつての石畳が残っていて、江戸の風情を感じられる。坂道をつづら折りに連なる石畳は圧巻!

旅のゴールは里山の風景を抜けると現われる、妻籠宿。馬籠宿より町屋感が強く、タイムトリップ感が満載だ。

撮影/花岡 凌、地図/MORISON
▼参考記事
守屋山
頂上からは日本の名山が連なる景色を眺められる、南アルプスの守屋山。難易度も高くなく、花々も楽しめる。
(BE-PAL 2025年10月号より)
南アルプス最北端の名山

南アルプス最北端に位置。東峰と西峰のふたつの山頂があり、それぞれ異なる展望が楽しめる。どちらも眺望が良く、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスなど日本の名山が連なる景色は圧巻だ。
花の山としても知られ、中でもザゼンソウが有名。雪の時季にはスノートレッキングを楽しむ人も。

昔、鬼が住んでいたという伝説が残る「鬼ヶ城」。その迫力に圧倒される。
▼参考記事
八方尾根研究路
ウインタースポーツの聖地として知られる白馬は、夏でも楽しめる。八方池を目指すハイキングコースは、高山植物が彩る、緑の絶景が美しい。
(BE-PAL 2024年10月号より)
リフトを乗り継いで絶景へ

3つのリフトを乗り継ぐと、標高1,830m地点まで一気に上がれる。足元を彩る高山植物は必見!

リフトを降りると、ごろごろした岩場の登山道が現われる。夏はガスることが多い。

道中に通る鎌池湿原。晴れていれば白馬三山も望める。

標高2,060mに位置する八方池。四季折々の眺めを堪能できる絶景スポット。ここから山頂を目指すには登山装備が必要だ。
撮影/三浦孝明
▼参考記事
高峰山
ファミリーで楽しめる、花の百名山。山歩きのあとには温泉が楽しめるのもうれしい。
(BE-PAL 2024年6月号より)
高山植物の花々を満喫したあとは温泉へ

花の百名山のひとつである高峰山は、ファミリーで楽しむのにぴったり。シャクナゲが咲く6月がおすすめ。

近くには「ランプの宿 高峰温泉」がある。標高2,000mに建つ一軒宿で、ぬるめの硫黄泉が火照った体に効く。

▼参考記事
浅間・八ヶ岳パノラマトレイル
写真家・柳澤牧嘉さんの案内で、ブッシュクラフトスクールも開講する林業家・小池耕太郎さん&4歳半の糸ちゃんが、浅間・八ヶ岳パノラマトレイルを森歩き。道端&林床のスプリングエフェメラルや、樹上を賑わす重要文化財のサクラなど、春の息吹を感じられるコースだ。
(BE-PAL 2024年4月号より)
森の小径で春の野草探し

「僕が春一番に花見を楽しむのは、カタクリやアズマイチゲ、ニリンソウ、ヒトリシズカなどのいわゆるスプリングエフェメラル。林床にひっそり咲いている姿を見つけると、いよいよ春が来たな、って思います」
と話すのは、写真家でありキノコ採り名人の柳澤牧嘉さん。そんなスプリングエフェメラルを観察できる、標高700mの浅間・八ヶ岳パノラマトレイルを案内してもらった。
浅間・八ヶ岳パノラマトレイルは全部で4コースあるが、今回は山野草が多く見られる浅間・森林コースの一部を闊歩。なだらかな道が続く。

ニリンソウは、春山を代表する花のひとつ。沢沿いや湿った林床に群落を作って生えるので見つけやすい。キバナノアマナ、アズマイチゲなども見られる。

コース脇の傾斜地の山林全域に群生しているカタクリ。花が咲くのに7年以上かかり、寒い地方でしか見られないので感激ひとしお。

断崖に立つ観音堂の岩屋の中にある宮殿が重要文化財になっている。本堂前にそびえ立つシダレザクラやソメイヨシノは圧巻。浅間連峰も望める。

観音堂の対岸の崖にもサクラが咲き誇る。見ごろは、例年4月中旬~下旬。千曲川のほとりから参道を上ってくることもできる。
撮影/小倉雄一郎、柳澤牧嘉(花の写真)
▼参考記事
碓氷峠
長野・群馬県境にある碓氷峠。編集者、文筆家の若菜晃子さんおすすめのコースを散策しよう。
(BE-PAL 2025年10月号より)
軽井沢の澄んだ空気の中をハイキング

JR北陸新幹線で軽井沢駅下車、遊覧歩道入口まで徒歩35分。碓氷峠は長野・群馬県境に位置し、古くから難所として知られた。峠には今も茶屋が並ぶ。
碓氷峠へ上がる遊覧歩道では軽井沢の澄んだ空気と美しい樹林を満喫できる。秋の散策にもおすすめ。

足もとには秋山ならではのにぎわいが。迷いのない一本道だからこその小さな楽しみ。
▼参考記事
上高地
特別名勝、特別天然記念物にも指定されている上高地。自然・山岳ライターの大寺岳まるさんに、そんな上高地の魅力を教えてもらった。
壮大で美しい絶景の宝庫

上高地は長野県西部、北アルプスの南側に位置する一大自然観光スポット。国内外からその景勝ぶりは高く評価され、毎年国の内外を問わず多くの観光客が訪れる。
最大の特徴は、何と言ってもその素晴らしすぎる絶景の数々。それらの絶景は、日本の自然が生み出したまさに宝物。ここ上高地は特に秀でた絶景を持つ場所として、国宝と同格として国から承認された特別名勝であり、特別天然記念物なのだ。

梓川の美しい清流に、前穂高・奥穂高・西穂高の大迫力山脈を見る絶景。まさに上高地を代表する美しさが詰まったシンボルのようなスポットだ。
山脈の中央部分には穂高連峰で超難所と言われる切り立った崖の尾根を渡るジャンダルムや、ロバの耳と呼ばれる突出した峰も形をはっきり見ることができる。

河童橋から少し先の木道を歩いて行くと、岳沢湿原という小さな湿原に着く。清らかで綺麗な川の流れと、立ち枯れた木々がどこか切ない絶景だ。
大正池や河童橋などのシンボル的な場所だけではなく、ここのファンも一定数いる。河童橋まで来たら、少し足を延ばして岳沢湿原を見に行くのも良い。

焼岳は標高2,344mの活火山。粘り気の強い溶岩をしており、ドームのような形状をした美しい山体を持っている。ここ一帯で唯一の活火山で、山脈に囲まれた上高地では目立っていて迫力のある山だ。

道中も楽しいハイキングコース。国が天然記念物として保護するほどの豊かで美しい自然を、道中でも素晴らしいほど感じることができる。
▼参考記事
霧ヶ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル
霧ケ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイルは歩きやすいようにいくつかのセクションに分かれており、お気楽ハイキングも楽しめる。アップダウンも少なく快適なコースを、自転車とアウトドアのお店「CLAMP」スタッフの武村由紀子さんに紹介してもらった。
ロマンあふれるトレイルへ

ハイカーに人気のエリアをつなぐ「霧ケ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル」は、長野県県郡長和町にある長門牧場から長野県松本市、上田市、 小県郡長和町にまたがる美ヶ原高原までの全長38kmのコース。
降った雨がどの川に流れるか。その水の流れの境を分水界と呼び、その境が山の尾根沿いにある場所を「分水嶺」と呼ぶ。中でも「中央分水嶺」は日本列島に降った雨が日本海に流れるか太平洋に流れるかの分岐となる、なんとも壮大なスケールだ。

三峰山の最短ルートはビーナスライン上の三峰山ドライブインからのアクセス。ただ、それだと30分ほどで山頂に着いてしまうので、和田峠から古峠を経て、三峰山に向かうルートで歩く。

中央分水嶺トレイルの入り口は、舗装路を少し美ヶ原方面に歩いたところの左側。トレイルの看板は小さいが、中山道の標識があるのでそれを目印にトレイルへ。
登山道は何度か舗装路を横切り気持ちの良い林の横を抜けて、中央分水嶺に取りつく。

三峰山が見えてからは楽しい稜線歩き。ビーナスラインに沿ってトレイルがあるため、トレイルへの入り口も多数。右手に三峰山ドライブインが見えると山頂はもうすぐそこだ。

▼参考記事
麦草峠~白駒池
麦草峠から白駒池を周回するプランは、苔の楽園。整備された登山道だから初心者も安心なコースを、自転車とアウトドアのお店「CLAMP」スタッフの武村由紀子さんの紹介でチェックしよう。
標高2,120mの苔の楽園

麦草峠の標高は2,120m。北八ヶ岳と呼ばれるエリアで、4月下旬から10月上旬までの開通期間は、駐車場までマイカーで上がれることもあり、多くのハイカーで賑わう。
茅野市側の無料駐車場から歩き出したが、登山口からすでに気持ちの良い森の中なのがこのコースのいいところ。雨のあとにぬかるみやすい場所には木道が敷いてあり、比較的軽装で歩いている方も多く見られる。標識の看板もわかりやすく出ているので、初心者や歩き慣れていない方も安心だ。

白駒池までは、きれいに整備された道が続く。見渡すかぎり苔の森。これだけアクセスが良い場所なのに、手付かずの森が大切に守られている。

苔の森をしばらく進むと「白駒の奥庭」と呼ばれる、まるで庭園のような場所に出る。

苔を楽しみながらのんびり歩いていると、木々の向こう側で、光を反射する白駒池の水面が白く光って見える。
白駒池は標高2,115mにあり八ヶ岳火山溶岩流の窪地に水が溜まってできたそうで、標高2,000m以上に位置する池としては日本で一番大きいのだとか。

晴れた日は青空とのコントラストが楽しめるが、この日は薄曇りの太陽が池に映り、天地が逆になってもわからないような、不思議な写真が撮れた。山から立ち込めてくる霧も幻想的で、曇りの日も悪くないなと思える景色だ。

白駒池の周回は40分ほど。平坦な場所がほとんどなので、個人的には息切れゼロ。風の音、鳥の声、水の音など自然の音を聞きながら歩くと気分もすっきり。
▼参考記事
こちらも必見!山登り愛好家イチオシの長野ハイキングスポット
山登り愛好家が激押しする長野県のハイクコースも紹介。先人がおすすめする景色のいい山へ出かけてみよう。
(BE-PAL 2024年6月号より)
光城山


安曇野を眺める里山で、その名のとおり、かつて山城があった。尾根続きの長峰山とあわせて天上ハイキングを楽しみたい。常念岳、大天井岳、燕岳などの北アルプスの稜線が連なった姿を望める。碌山美術館、田淵行男記念館など、周辺は見どころも多い。
湯ノ丸山

スキー場の地蔵峠が登山口。ツツジ平、鐘分岐を経て山頂へ。反対側の鞍部を目指して急下降し、山腹の樹林帯を抜けると草原のキャンプ場に出る。スタート地点の地蔵峠はすぐそこだ。帰りに奇岩の角間渓谷にある角間温泉で汗を流すのがオススメ。
東篭ノ登山


山頂からは浅間山とその外輪山を間近に望め、北アルプスや八ヶ岳の展望も見事。2,000mから登り始めるので標高が高くても気軽に登れる。
入笠山


富士見パノラマリゾートのゴンドラで上がった標高1,800mの高原が出発点。山頂駅から徒歩15分の入笠湿原を中心に5~9月までさまざまな花が出迎えてくれる。
北横岳

ロープウェイを利用して、初心者でも高山のアルプス的な眺望や雰囲気を味わえる山。夏でも涼しく、坪庭と呼ばれる溶岩台地は、まるで日本庭園のような景色。
白草山


展望は少ないが、山頂付近で急に開け、笹に覆われた穏やかで美しい山容が見られる。御嶽山がくっきり見られるのもこのあたりの山の特徴だ。
写真提供/星野秀樹(神田さん)
▼参考記事















