美食を目指してハイキング!いにしえの山道「箱根旧街道」を越えて峠の茶屋へ | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.10.08

    美食を目指してハイキング!いにしえの山道「箱根旧街道」を越えて峠の茶屋へ

    美食を目指してハイキング!いにしえの山道「箱根旧街道」を越えて峠の茶屋へ
    ごちそう目指して歩ける美味しい山はまだまだたくさんあります!今回は若菜晃子さんオススメのハイク先、箱根の旧街道をご紹介します。
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    「東京近郊ミニハイク」の若菜晃子さん オススメ山

    江戸日本橋からの距離を示す23番目の一里塚から旧街道に入ると、石畳が始まっていた。
     
    箱根旧街道は江戸時代(1618年)に造られた、湯本から須雲川沿いに畑宿を経て元箱根へと至る山道である。参勤交代の諸大名にも利用され、1680年には石畳が敷かれた。今では箱根新道を走る車の音が時折響くが、それさえなければ、江戸期とさして変わらぬ深い森のなかの静かな古道である。
     
    一里塚からゆるやかに歩いていく先々で出合う石柱には西海子坂、バス停には橿木坂、涸れ沢には見晴橋と、往時をしのぶ名がついている。
     
    晩秋にはあたりの木々から降り積もる落ち葉の合間に石畳が見え隠れしている。コナラ、エノキ、ケヤキ、ウリハダカエデ……石畳も石段も長い年月を経て、丸みを帯びたり、穴が空いたり、苔が生えたり、その古びた石の表面を高い梢から射し込む秋の光が明るく照らしている。ほんの数百年前までは、人はこうしてどこまでも、足で歩いて移動していたのだ。
     
    山根橋、甘酒橋、猿滑坂、追込坂。登ったり下ったりしながら車道に出ると、甘酒茶屋のバス停があり、一軒の茶屋がひなびた風情でひっそり建っていた。
     
    湯飲みに注がれた甘酒は、江戸期から同じ製法で、米麹のほのかな甘み。甘いものの少ない時代、いにしえの旅人も厳しい山越えの楽しみに、大事にゆっくり飲んだのだろうか。
     
    石畳はまだ続く。温まった体で日陰になり始めた林を急ぎ足で下っていく。木の間に芦ノ湖が見え隠れし、ざわめきが近くなると、ふいに湖畔に下り立った。
     
    秋の夕日にまぶしく光る湖面がなぜだか懐かしいものに思われる。まるでどこか遠くから戻ってきたような幕切れだった。

    COURSE TIME 1時間30分

    箱根旧街道

    小田急小田原線箱根湯本駅からバスで畑宿バス停下車。バス停そばの一里塚から登山道へ。帰りは芦ノ湖畔の元箱根港からバスで箱根湯本駅へ。

    数百年前から続く峠の茶屋でほっとひと息甘いもの

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    振り返ると木の間に麓の町が遠望できる。町並みの大小はあれども、いにしえの旅人たちもこの光景を見たのだろう。

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    いつの時代も峠の茶屋は人々のよりどころ。甘酒のほか、うぐいす、いそべ、黒ごまのやわらかな力餅は歩いてこその味わい。

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    辛党には味噌おでんも。

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    鎌倉時代は湯本から浅間山、鷹ノ巣山、芦之湯へと続く湯坂道が使われていた。いずれも二子山をぐるりと迂回する。

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    下りの杉並木では街道上に空が細く見え、秋の雲が流れていた。

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    山中にいたのは2時間ほどだが芦ノ湖を目にしたときは安堵した。

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    碓氷峠へ上がる遊覧歩道では軽井沢の澄んだ空気と美しい樹林を満喫できる。秋の散策に。

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    足もとには秋山ならではのにぎわいが。迷いのない一本道だからこその小さな楽しみ。

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    人気の峠の力餅はシーズン中長蛇の列。甘いおやつは旧軽井沢銀座にも目白押し。

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    山帰りには本場ドイツの焼きたてハムサンドとビールなどいかがですか。

    読むと山に出かけたくなる若菜さんのガイドブックはこちら!

    [新版]「東京近郊ミニハイク」

    著:若菜晃子 1,760円(税込み)

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    電車で行けるハイキングルートを美しい写真で紹介。山ってよいな、次はここ歩きたいなと感じる心地よいガイドブックです。おやつ情報も満載。

    碓氷峠の情報も載ってます!

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    ※写真・文=若菜晃子

    (BE-PAL 2025年10月号より)

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