得意分野を活かしてみんなの「居場所」をつくる。地域の仲間と進める廃校の活用!〈後編〉 | サスティナブル&ローカル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2026.07.09

得意分野を活かしてみんなの「居場所」をつくる。地域の仲間と進める廃校の活用!〈後編〉

得意分野を活かしてみんなの「居場所」をつくる。地域の仲間と進める廃校の活用!〈後編〉
いつも、様々な雑草を紹介していますが、実は雑草を観察しながら出身地である宮城県山元町にある廃校の活用に関わっていました。今回は特別編ということで、廃校活用の取り組みを前後編に分けてご紹介します。私自身も得意分野を活かし、雑草と趣味の古道具を組み合わせて、みなさんが楽しんでもらえる場を提供する活動をしています。後編の今回は、みんなの居場所として復活した廃校がどのように活用されているのかをレポートします。

1階の入居者のみなさん(クラフトビール、菓子工房、日本酒店)

2026年6月現在、校舎の1階が動き出しています!廃校がどのように変わったのか、ご紹介します。

前編でちらりとご紹介しましたが、自分で育てたコケや、あちこちから集めてきた古道具を販売するお店以外にも、クラフトビールの醸造所、焼き菓子やジェラートを製造する工場などが動き出しています!

元給食室で醸造するクラフトビール

取り組みを説明する半田さん。

廃校活用の取り組みに最初に手を挙げたのは、クラフトビールを作る半田成(なる)さんでした。半田さんはオーストラリアや国内の醸造所で経験を積みながら、自分の醸造所の建設を模索していました。各地を回りながら醸造所に適した物件を探していたところ、たまたま出会ったのが旧坂元中学校でした。現在、給食室を改修した醸造所で山椒の風味を効かせたり、山元町産のユズやイチゴを使用した香り豊かで個性的なビールを醸造しています。また、定期的にビールが飲めるイベントを開催しており、仙台や都内からも半田さんのビールを求める人が訪れています。

元学校で飲むビールは格別のようで、いつも盛り上がっています。こちらは残念ながらお酒に弱くて、あまり飲めないのですが、パッションフルーツの香りがするビールを飲んだ時は、とても美味しかったです。

●問い合わせ先/ファロ(ビール)
https://note.com/goodculture

元教室のお菓子工房からは甘い香りが漂う

スタッフと焼菓子を試作中の伊藤さん(右端)。
焼きたてのマドレーヌ。

2024年5月に廃校活用の立ち話をしたメンバーの1人で、洋菓子店・Petite Joie(プチット・ジョア)を営む伊藤雅訓(まさのり)さんは、山元町の果物をもっと広めたいという想いから焼き菓子とジェラートの工房を立ち上げました。早速、イチゴやリンゴを生産している農家さんが工房を訪れて、オリジナルのお菓子やジェラートづくりの打合せが進んでいます。お菓子の試作をしている時は、甘い香りが廊下に漂ってきます。

毎回、味見ということで、ジェラートやマドレーヌなどを頂くのですが、体重が急増しそうでちょっと怖いという贅沢な悩みを抱いています。その他にも、高校生や大学生と一緒に新たな商品づくりをしたり、バケツに入った特大プリンや、お菓子の家を作る企画が進行中です。

●問い合わせ先/プチット・ジョア
https://www.instagram.com/petitejoie_cake/?hl=ja

日本酒もあります

旧坂元中学校には、クラフトビールだけでなく日本酒造りにもかかわっています。製造は酒造会社に委託しているのですが、原料には山元町産の米を使用しています。この日本酒を企画したのは、町田哲哉さんです。山元町は2011年の東日本大震災の被災地で、全国各地からボランティアの方々が訪れましたが、その中に、当時大学生だった町田さんがいました。町田さんは埼玉出身でしたが、2018年に山元町と関わって以来、多くの方との出会いがあり今では山元町に住んでいます。

イベント出店を行う町田さん(右側)。

町田さんは、知り合いの農家さんと、高校の同級生が働く群馬県の土田酒造をつなげて、2025年に限定1000本の日本酒を造りました。このお酒が大好評だったことから、今年は3000本の日本酒を造り、販売中です。いずれは日本酒を飲める角打ちや、酒粕を使った奈良漬やジェラートなどの商品展開を考えています。

●問い合わせ先/マチビト
https://matibito.com/

大きく印象が変わった教室で雑貨屋さんがOPEN!

改修前。
改修後。

自分で育てた多肉植物と、雑貨を販売しているEmily(エミリー)さんは、ご主人が工務店並みの腕前なので、元教室とは思えない店舗になっています。教室の中に入った人達は皆、びっくりした表情を浮かべています。2026年6月の開店イベントの際には、多くの方が訪れていました。

教室で商品を並べるエミリーさん。

●問い合わせ先/エミリー
https://www.instagram.com/emily.ta29/

廃校活用の立役者

廃校復活の仕掛け人、高橋さん。

現在、「廃校活用の仕掛け人」として活動している高橋爽太(そうた)さんは、2025年4月に山元町の地域おこし協力隊となりました。当時は現役の大学4年生で、研究の一環で山元町を訪れたことがきっかけでした。活動をするうちに、地元のそば店や生花店の方など、多くの方と知り合いになったようです。主な活動は、大学生ボランティアの受け入れや情報発信、イベント企画・運営などですが、それ以外にも草刈りや樹木の剪定、畑づくりなど様々な活動をしています。

敷地内で栽培中のキュウリ。

また、2026年3月から旧坂元中学校の敷地で定期的に開催している「山元いいものマーケット」では、校舎で醸造しているビールが飲めたり手作りの雑貨が並び、地元を中心に多くの来客がありました。

共感から共鳴へ!

2026年3月から「山元いいものマーケット」定期的に開催。

オシャレでカッコいい施設は全国にたくさんありますが、旧坂元中学校では、建物が少し古くても、そこに入居している人達が楽しく動ける施設を目指しています。そこに行けば、誰かと出会い、何か面白いことが待っている……。そんなワクワク感のある施設です。

最近では、地元の方や中学校の卒業生、大学生のボランティアなど多くの人が訪れていて、卒業生の方から「自分の通っていた学校がにぎわっていて嬉しい」と言ってもらえました。まだ改修作業が続いているため、通常営業はもう少し先になりそうですが、イベントの際には校舎の中を見学することもできます。

6月に開催された「山元いいものマーケット」。たくさんの人が楽しんだ。
大学生ボランティアも活躍。

活動に興味のある方は、事前に問い合わせを頂けると確実です。とにかく、手探り続きの2年間でしたが、廃校となった中学校が、面白い施設に生まれ変わろうとしています!

●問い合わせ先/山元いいものマーケット
https://www.instagram.com/harvestlamp_festa

●旧坂元中学校見学の問い合わせ先/合同会社マチビト
https://matibito.com/

著者画像

阿部拓也さん

雑草博士

博士(農学)。雑草の活用から管理まで、研究してきました。現在は、「雑草をより面白く!」をテーマに、雑草計画(zaso.jp)というサイトを運営したり、農業の課題をサポートする合同会社マチビト(matibito.com)を立ち上げて活動しています。

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